広島田村俊介外野手(21)が17日、日南秋季キャンプで紅白戦2戦連続長打&マルチ安打をマークした。
5回に高橋から中前適時打を放つと、7回は大道の外寄りの球を捉えて右中間を破る二塁打とした。13日の西武との練習試合を含め、3試合で記録した5安打はすべて中堅から左方向への打球。結果とともに内容のある打撃が目立つ。
今季終了後からミートポイントを「打球がホームベースに当たるくらい」のイメージに変えた。フェニックスリーグでは詰まらされる打球も目立ったが、根気強く続けてきたことで徐々に感触も上向き、結果も伴ってきた。「ポイントを(捕手側に)寄せている分、逆方向に引っ張るイメージも付いてきて、結果も出てきた。やってきたことが間違いじゃないなと、すごく感じています。立場的にも、逆方向に強い打球を打たないといけない」。1カ月以上継続してきたことで、手応えは確かなものに変わってきた。新井監督も「自分のポイントでしっかり振り切れないと、逆方向にああいう打球は飛ばない」と成長を認める。
今年3月の欧州代表戦で侍ジャパンに初選出され、大きな期待を背負った。だが、シーズンでは37試合出場で打率1割9分8厘と前年の成績を下回った。悔しい思いを胸に臨む秋季キャンプ。「同じことを繰り返さないために、振って体に染み込ませないといけないと思っていたので、いい時間になっている」。新たな感覚をつかみ、自分のモノとするため、田村はまだまだバットを振り続ける。【前原淳】