<JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦1部:桐蔭横浜大1-0筑波大>◇第21節◇10日◇桐蔭横浜大
2位筑波大は、敵地で桐蔭横浜大に0-1で敗れ、首位明大との勝ち点差を詰められなかった。明大との勝ち点差は3のままで、得失点差は6に広がった。大学サッカー界をけん引する両校の激しい優勝争いは16日の最終節に決着する。
筑波大は前半から主導権を握って何度もチャンスを生み出したが、決めきれず、同27分に先制を許した。後半、反撃を試みたが、相手の守備を最後まで崩すことができず、8戦ぶりの敗戦となった。小井土正亮監督(46)は「目の前の試合に覚悟を持って臨んだつもりですけど、桐蔭横浜さんがそれを上回る決定力、ゴール前の守備をみせたので、残念な結果ですけど、それが今の力だなというのが率直な感想です」と思いを明かした。
前日に明大が日大と引き分け、勝てば勝ち点で並ぶチャンスだった。「関係ないぞ、目の前だぞ」とこの試合に集中させたが、わずかに及ばなかった。
昨季は大学院生だった平山相太ヘッドコーチ(現仙台大監督)に指揮を任せ、自身は一歩引いた立場からチームに関わった。今季も戸田伊吹ヘッドコーチ(4年)が実質監督を務める形でシーズンを戦っている。小井土監督は、「戸田も試合を重ねるごとに全体を見た中で必要な言葉をかけられるようになっている。我々は今シーズン最後まで成長し続けるというのが非常に大事かなと思います」と第73回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)を見据えて語った。
4月にパリオリンピック(五輪)アジア最終予選を兼ねるU-23(23歳以下)アジアカップ(杯)カタール大会にも出場したエースFW内野航太郎(2年/横浜Y)は8本のシュートを放つも不発。「チームを勝たせることができなくて悔しいし、申し訳ない気持ち」と唇をかんだ。2試合を残してリーグ優勝を決めた昨季よりも攻撃力が落ちる中で、11得点とチームを引っ張っている。「去年ほど簡単に点が取れる感じがチームとしてない中で、自分がどうにかするしかない。そこでチームを勝たせられないと自分の価値がない」と強い使命感で戦う。
最終節で筑波大は2部降格が決まっている11位駒大と、明大はインカレ出場が懸かる8位流通経大とそれぞれ対戦する。戸田ヘッドコーチは「まだ1試合あるし、可能性が完全に0になったわけではないので、しっかり振り返って少しでも可能性を広げられるように1週間やっていきたいです」と前を向いた。逆転優勝へ、最善を尽くす。【佐藤成】