<とっておきメモ>
<日本シリーズ:DeNA11-2ソフトバンク>◇第6戦◇3日◇横浜
DeNAが、パ・リーグ王者のソフトバンクを4勝2敗で下し、シーズン3位からの下克上での日本一を達成した。シーズン3位からの日本一は2010年のロッテ以来で、セ・リーグでは史上初だった。
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三浦大輔監督(50)は「チーム全員で戦った結果だと思います」とたたえた。この日、傍らには石井、鈴木、田代、
靍岡、相川、小池、田中、大原、小杉、万永野手コーディネーターら10人の首脳陣。26年ぶりの日本一は、指揮官が理想に掲げた集団「番長ズ11」へと近づいた証しだった。
「監督1人じゃ勝てないし、打撃、投手、守備、走塁、各部門のスペシャリストの力を結集することで、強いチーム、組織が作れる。理想は『オーシャンズ11』みたいなね」
昨年、理想のチーム像を聞かれ、大ヒット映画「オーシャンズ11」を例に挙げた。ジョージ・クルーニー演じる主人公のオーシャン率いる11人のスペシャリスト集団が、巨大金庫から現金を強奪する物語。映画の世界だが、勝つために個性豊かなプロ集団になることを求めた。
表では明るく、ポジティブな指揮官だが、裏での苦悩、心労は体の異変として表れた。数年前に突発性難聴を発症。今も右耳は聞こえにくく、意識的に左耳を傾ける。コーチら一部の球団関係者には伝えているが、弱みは見せず、ベンチで指揮。「番長」であり続けた先に、日本一の瞬間が訪れた。【久保賢吾】
▼DeNAが横浜時代の98年以来、26年ぶり3度目の日本シリーズ制覇。今季の公式戦は貯金2で勝率5割7厘の3位。まだセ・リーグ優勝は60、98年の2度しかなく、リーグ優勝より日本一の方が多いのはDeNAだけだ。リーグ優勝球団以外の日本一は19年ソフトバンク以来5度目。3位からは10年ロッテ以来2度目で、セ・リーグの3位は初めて。75年阪急の貯金5と勝率5割2分を下回り、「最少貯金」、「最低勝率」の日本一となった。
▼対戦したソフトバンクは貯金42の勝率6割5分。これまで貯金差が25以上あったシリーズはすべて貯金の多い球団が日本一になっていたが、DeNAが貯金差40をひっくり返した。勝率が1割以上低い球団が勝ったのも初めてになる。
▼DeNAの日本一は60年→98年→24年。今回の26年ぶりは日本一ブランクの7位タイで、25年以上のブランクが2度はDeNAが初めて。60年は三原監督、98年は権藤監督で、生え抜き監督では球団史上初。三浦監督は98年<3>戦に先発。選手と監督の両方でシリーズに出場して日本一は20人目となり、そのうち投手は金田正一、藤田元司、渡辺久信、工藤公康、高津臣吾に次いで6人目。