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【とっておきメモ】引退加藤豪将を救った言葉、メジャーデビューした2年前に“引退危機”あった


30歳の日本ハム内野手、加藤豪将選手が今シーズン限りで現役を引退することを発表しました。加藤選手はメジャーリーグへの夢を追い続け、10年にわたるプロ野球人生を送ってきました。彼はブルージェイズでメジャーデビューを果たしましたが、それでも満たされない思いを抱えました。そんな時、「歩くことが好きな人はゴールを目指す人よりも遠くに行ける」という言葉に助けられ、自分の本質を再確認しました。最も困難だったマイナー生活を乗り越えられたのは、日々の野球への情熱と努力によるものでした。現役引退後の人生でも、また新たなゴールを見つけて歩み続ける加藤選手の姿に、多くの期待が寄せられています。

入団会見でポーズを決める新庄剛志監督(左)と日本ハムドラフト3位の加藤豪将(2022年11月撮影)

<とっておきメモ>

日本ハム加藤豪将内野手(30)が3日、今季限りでの現役引退を表明した。苦節10年でメジャーデビュー&メジャー初安打をマークした22年のドラフト会議で日本ハムから3位指名されて入団。2年目の今季は28試合出場で打率1割7分2厘にとどまり、ユニホームを脱ぐ決断をした。

   ◇   ◇   ◇

加藤豪の野球人生のゴールは2年前のはずだった。プロ10年目の22年4月9日。ブルージェイズでメジャーデビューした時だ。「僕はメジャーの舞台に立てたことで、もう次のゴールを探して全然いいと思っていた」。それは野球人生とは別のゴール。これで悔いなく現役を辞められると思ったが、現実は違った。「メジャーデビューしたのに、なんでこんなに達成感がないんだろう」。想像していなかった感情に2週間ほど悩んだ時に救ってくれた言葉があった。

「The man who loves walking will walk further than the man who loves the destination」

歩くことが好きな人はゴールを目指している人よりも遠くに歩ける、という意味の言葉だ。「ポッドキャストで、こう言っていた人がいた。これが僕が求めていた言葉だった。メジャーに行っても達成感がなかったのは僕は“歩くこと”が好きだからって思えた」。

マイナー生活2年目だった19歳の加藤豪は「明日起きたら絶対に辞めようって決めて寝ても、起きたら球場に行きたい。でも、全然うまくいかずに泣いて帰って辞めるって言う毎日だった」と振り返る。最もつらかった時期を乗り越えられたのは、昨日よりも野球がうまくなりたいと前へ“歩くこと”に夢中になれたから。それが2年前の“引退危機”で思い出した加藤豪のアイデンティティだ。

納得できるまでプレーできたら「いつ辞めてもいいんです」と言っていた希有な経験値を持つ野球人。ひとまず、加藤豪将さん、お疲れ様でした。次に夢中になって歩む道で、どんなゴールに到達するのかも楽しみにしたい。【日本ハム担当=木下大輔】

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