目指すは「世界のヨシノブ」だ! オリックスの新外国人で育成契約を結んだ台湾出身の最速153キロ右腕、陳睦衡(チェン・ムーヘン)投手(18)が1日、大阪市・舞洲の球団施設で入団会見に臨んだ。支度金7500万円、年俸600万円。この日両親と来日し、会見が母国にも配信される中で「コンニチハ。ワタシハ、チェンデス。ヨロシクオネガイシマス」と覚え立ての日本語で自己紹介した。
球団は潜在能力の高さにほれ込んだ。9月のU18アジア選手権(台湾)に台湾代表として出場し、日本戦では先発で4回無安打無失点と圧倒。現地視察した福良GMは「期待しかない。こっち(日本代表)と比べてもちょっと抜けていた。(投球、守備含め)全てにおいて完璧やないですか」と太鼓判を押した。支配下昇格について「早いと思う」と近い将来の1軍デビューの可能性を示唆した。
憧れの投手はオリックスからドジャースに移籍した山本由伸だ。「正直、山本投手になりたいです。柔軟性があって、可動域もすごく広い。ピッチャーにとってすごくいいモデルです」。対戦したい打者にはYouTubeで目に留まったという日本ハム万波を指名した。打者としての能力も高く、「チャンスがあれば」と将来的な二刀流挑戦にも意欲を示している。
5日からの高知秋季キャンプに初日から参加する予定。台湾国立体育大に在学中で、来日中はリモートなどで勉学にも励みながら、大学卒業も目指す。異国の地でジャパニーズドリームをつかみ取る。【古財稜明】(金額は推定)
◆陳睦衡(チェン・ムーヘン)2006年3月23日、台湾出身。穀保家商高から台湾国立体育大(在学中)。今年9月に実施された第13回BFAU18アジア選手権では台湾代表として出場し、2試合で計9回1/3を投げ無失点の好投で優勝に貢献。球種は最速153キロの直球、スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップ。背番号は「017」。181センチ、84キロ。右投げ左打ち。