<日本シリーズ:ソフトバンク-DeNA>◇第5戦◇31日◇みずほペイペイドーム
DeNA牧秀悟内野手(26)が日本一王手に近づく大きな1発を放った。1-0で迎えた4回無死一、二塁のチャンスで打席を迎えた。ソフトバンク3番手前田と対峙(たいじ)した牧は、カウント0-1からの141キロ内角直球を振り抜き、DeNAファンが待つレフトスタンドに放り込んだ。
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高々と上がった放物線が左翼スタンドに飛び込んだ瞬間、牧は勢いよく飛びはね、両手でガッツポーズしながら走りだした。一塁ベースコーチの石井コーチとタッチを重ね、意気揚々とダイヤモンドを1周。ベンチで待ち構えた佐野、桑原、山本らと本塁打パフォーマンスの「デスターシャ」を興奮気味に決めた。
「クワさん(桑原)、カジ(梶原)がつないで作ってくれたチャンスだったので余計なことは考えず、とにかく強く捉えることを意識していました」
流れを完全に引き寄せる一打だった。1点リードの4回、先頭の桑原が遊撃への内野安打を放ち、梶原が遊撃への内野安打でチャンスを拡大。1ストライクから、ソフトバンク前田純の141キロの内角速球を強振し、DeNAファンで青く染まった左翼スタンドで打球が弾んだ。「追加点を奪うことができて、うれしいです」と貴重な追加点を喜んだ。
先制打を放ったのは、筒香だった。3回2死一、二塁、カウント1-2からの変化球を中前にはじき返した。「うまく捉えることができました。つないで作ってくれたチャンスで、ランナーをかえすことができて、うれしいです」。2イニング連続で得点圏に走者を進めながら、無得点に終わる中、主導権を握った。
オーダー変更も功を奏した。第4戦で3番だった筒香を7番に起用し、2番だった牧を3番に変更。指揮官の期待に応えるように、打順変更した筒香、牧が打点をマークした。