<日本シリーズ:ソフトバンク0-5DeNA>◇第4戦◇30日◇みずほペイペイドーム
ソフトバンクが「SMBC日本シリーズ2024」の第4戦で2連敗を喫し、本拠地福岡での胴上げが事実上消滅した。0-1の7回、イニングをまたいだ2番手の尾形崇斗投手(25)が宮崎にソロを献上。さらにピンチで3番手のルーキー岩井俊介投手(23)もDeNA打線を止められなかった。第4戦を終えて2勝2敗。31日の第5戦で勝利し、王手をかけて敵地横浜に乗り込みたい。
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意地を見せたかった最終回。スコアは0-5。本拠地のタカ党は最後の力を振り絞り声援を送った。結果はむなしく3者凡退。左翼席に陣取るDeNAファンが歓喜に沸いた。4年前までは本拠地日本シリーズで破竹の16連勝。大舞台の福岡で強かったソフトバンクが、みずほペイペイドームでまさかの連敗を喫した。
この日の敗戦により、地元福岡での胴上げが事実上、消滅した。第4戦を終えて2勝2敗。引き分け数の関係で決着が9戦目以降にもつれない限り、本拠地での日本一決定はなくなった。31日の第5戦が今季のみずほペイペイドーム最後の試合になる。試合後の小久保裕紀監督(53)は「そうね。ちょうど五分」と冷静。シリーズの決着が横浜になることには「もちろん。横浜で決まります」と前を向いた。
ファンのため息が漏れたのは0-1の7回だった。イニングまたぎした2番手の尾形が宮崎にソロを献上。6回2死一塁でオースティンを3球三振に仕留めたまでは良かったが、続投が裏目に出てしまった。小久保監督は「オースティンからもう1人(打者が)いったら代えとこうと思ったんですけど。1人で終わったら(いかせる)」と尾形続投の理由を明かした。
ヘルナンデス、オスナの助っ人リリーフを除いて最も信頼していたのが尾形だった。指揮官が自信を持って送り出しただけに、右腕を責めることはしない。尾形は22球を費やし、6回1死満塁のピンチを作って降板。3番手のルーキー岩井がマウンドに上がるも桑原に左越え2点打、オースティンに左前適時打を浴びた。1イニング5被安打4失点。5点ビハインドでDeNAに流れを渡した。
打線もわずか5安打で完封負け。先発ケイには初回先頭から4連続空振り三振を喫した。最速150キロを超えるストレートに手を焼いた。指揮官は「めちゃめちゃ良かったね。3回までめちゃくちゃ飛ばしてましたけど。あれはなかなか打てん」と前日29日のエース東に続いて脱帽した。頼みの4番山川は本拠地2試合で8打数無安打と快音なし。31日の第5戦は勝利したチームが王手。敵地に乗り込む前に、流れを引き戻したい。【只松憲】
▽ソフトバンク王会長(DeNAに連敗。2勝2敗の五分となり)「今日も相手の投手がよかったからね。これで5割だから。ここからの勝負だからね。相手もそう思っているだろうし、4つ勝たないと勝てないわけだから。頑張りましょう」