<日本シリーズ:ソフトバンク0-5DeNA>◇第4戦◇30日◇みずほペイペイドーム
DeNAアンソニー・ケイ投手(29)が、外国人投手では球団初となる日本シリーズ勝利をつかんだ。1勝2敗で迎えた第4戦に先発し、強力ソフトバンク打線を相手に、7回102球を投げ、4安打無失点の好投で勝利に導いた。チームは2勝2敗の五分に戻し、本拠地・横浜に戻ることも決定。助っ人左腕が、大きな白星を挙げた。
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衝撃の“奪三振ショー”で主導権を握った。ケイは1回、先頭の柳田を3球で追い込み、外角低めへのスライダーで空振り三振。周東も外角低めのスライダー、栗原は153キロのツーシームで空を切らせ、3者連続三振でスタートした。
2回の先頭の山川も空を切らせ、4者連続三振。序盤3回をパーフェクト&6奪三振と完璧な投球でねじ伏せた。最速155キロの速球を軸に、パワーピッチングで制圧。7三振は全て空振りで奪った。「どんな選手でも弱点は必ずあるので、そこを突くのがすごく大事になってくる」と登板前に描いたプランをマウンドで体現した。
敗れれば日本一に王手をかけられる一戦で7回無失点に抑え、救援陣につないだ。試合後、敵地でインタビューに応えた三浦監督は、開口一番で助っ人左腕に言及。「先発のケイが抜群のピッチングをしてくれた。真っすぐの切れも変化球のコントロールも非常に良かった」と最大の勝因に挙げた。
155キロ超えの左腕は、NPBではまれだが、持ち前のセンスと不断の努力が重なり合って、たどりついた。「神様からもらった体は大きな要因だし、次に肩、肘の強さ、遠投だとか、投げることに関するトレーニングが重要。3つ目にウエート場でどれだけトレーニングを積めるかが大事」と本格派左腕の誕生の理由を語った。
ポストシーズンでは、巨人とのCSファイナル初戦を任され、6回無失点の快投でチームに勢いを呼び込んだ。さらに日本シリーズ第4戦では勝敗を2勝2敗のタイに戻した。「大事な試合で自分のピッチングをすることができ、いい結果になって良かったです。相手は左打者を多く並べる作戦でしたが、気迫では負けない姿を見せられた」と胸を張った。
◆アンソニー・ケイ 1995年3月21日、米国ニューヨーク州ストーニーブルック生まれ。コネティカット大から16年ドラフト1巡目(全体31位)でメッツ入団。19年にブルージェイズでメジャーデビュー。メジャー通算44試合、4勝2敗、防御率5・59。今季DeNAに入団し、4月20日ヤクルト戦で来日初勝利。今季推定年俸1億1600万円。183センチ、102キロ。左投げ左打ち。
▼ケイが7回無失点で初勝利。DeNAの外国人投手がシリーズで勝つのは球団初になる。初回の1番柳田から2回の4番山川まで4者続けて空振り三振。シリーズで初回先頭からの連続三振は11年第6戦吉見(中日)まで過去6人の3者連続が最長で、4者連続はケイが初めてだ。また、初回を3者すべて空振り三振に仕留めたのは、54年第1戦杉下(中日)67年第5戦堀内(巨人)84年第3戦佐藤義(阪急)に次ぎ40年ぶり4人目。