<ワールドシリーズ:ヤンキース11-4ドジャース>◇第4戦◇29日(日本時間30日)◇ヤンキースタジアム
左肩の亜脱臼を抱えるドジャース大谷翔平投手(30)が、「1番DH」でスタメン出場。自身初のワールドシリーズ(WS)制覇に王手をかけていたが、3打数1安打でチームも敗れた。
1回無死の第1打席は今季15勝の右腕L・ヒルと対戦した。初球の直球をフルスイングでファウルにすると、フルカウントからスライダーを打ち上げ遊飛に終わった。
第2打席は2-1の3回無死、1ボールからのスライダーを中堅後方に運んだが、ライバルのジャッジに捕球された。
第3打席は3-5の5回無死一塁で左腕T・ヒルと対戦。初球のツーシームをコンパクトに中前に運び、WS2本目の安打を放った。
第4打席は4-6の7回1死一塁で右腕ライターと対戦。一走エドマンの二盗で好機が広がったが、フルカウントから外角に落ちるスプリットで空振り三振に倒れた。
第5戦のヤンキースの先発は、昨季サイ・ヤング賞を獲得したエース右腕のゲリット・コール投手(34)。第1戦では3打数ノーヒット1三振と抑えられた。
大谷は26日(同27日)の第2戦で盗塁を試みた際に左肩を負傷。精密検査の結果は左肩の亜脱臼のみで、構造的な損傷は見られなかったが、痛み止めの服用やテーピングを施して強行出場している。
◆亜脱臼 関節の位置にズレが生じ、脱臼しかかった状態。関節の可動域を超えた動作により、骨が関節から部分的に押し出されて発症する。痛みやしびれの症状が多い。骨が関節から完全に外れると脱臼になる。程度はさまざまで、阪神北條は18年に左肩を亜脱臼し、そのままシーズンを全休。21年には手術に踏み切るなど、再発を繰り返すケースがある。一方で、広島鈴木(現カブス)は16年8月に左肩亜脱臼を発症したが、プレーを続行してリーグ優勝に貢献した。一般的には、再発を防ぐために数週間は安静にする。