阪神投手コーチに就任した金村暁氏(48)がV奪回へ、より強固な投手王国づくりを目指す。22年まで7年間コーチを務め、タテジマ復帰は3年ぶり。「最強の投手陣をつくって恩返しできたら」と藤川新体制での貢献を誓い、具体的な作戦を明かした。
「理想としては先発8枚、中継ぎ10枚。ここをしっかりつくるのが最優先課題かなと思っています」
今季、投手陣の防御率は巨人に次ぐリーグ2位ながら、昨年より0・16下げて2・50に良化した。その一方で、特にブルペン陣で一部の投手に負担が偏った。前回投手コーチを務めた2年前の22年、チーム最多は湯浅の59登板。今季最多の桐敷は70試合に到達した。「中継ぎは6月から8月のタイミングで(状態が)落ちる時期が出る。入れ替えられる体制を考えると、10枚いてくれたら」。今季先発は主に6、7人で回し、救援陣は7、8人で回した。だが来季は可能な限り一極集中を避ける。先発、中継ぎともリフレッシュ抹消を行いながら負担を分散し、余力のある投手陣を形成したい考えだ。
その実現に実績ある投手の復活は欠かせない。「青柳だったり伊藤将司だったり村上も。中継ぎは岩貞とか湯浅に、もう1回頑張ってほしい。他のピッチャー陣を助ける意味でも頑張ってもらわないといけない存在ですね」。2年前に一緒に戦った投手も多く、その実力を最大限に引き出す。
チームを離れた2年間で新たな投手も入団した。今秋キャンプでは戦力をじっくり見極める。実績組の復活に新戦力の台頭。強力投手陣のアップデートを目指す。【波部俊之介】
◆金村暁(かねむら・さとる)1976年(昭51)4月19日生まれ、宮城県出身。仙台育英から94年ドラフト1位で日本ハム入団。02年から4年連続で2桁勝利を挙げるなど、ローテーションの一角を守った。交換トレードで08年阪神移籍。10年限りでNPB引退。通算271試合、89勝81敗2セーブ、防御率3・89。現役時代は187センチ、82キロ。右投げ右打ち。その後BC・信濃でもプレー。16~22年に阪神コーチを務めた。