<セ・CSファイナルステージ:巨人4-1DeNA>◇第4戦◇19日◇東京ドーム
巨人がDeNAを破り、2勝3敗とした。
同点の7回1死一、三塁の場面、視界の横から、その男は現れた。巨人岸田の初球スクイズに、三塁走者の坂本勇人内野手(35)が激走した。打球を処理した投手・ジャクソンのトスからタッチをかわしてセーフ判定。ヘッドスライディングで勝ち越し走者として生還した坂本は、土にまみれたままベンチでハイタッチを繰り返した。
坂本がつくったチャンスだった。この回、1死から自身2安打目となる左前打で出塁。続く中山の右前打で三塁にヘッドスライディングで到達。3連敗を喫した前夜の試合後、阿部監督は「なんとか粘っていたけどね。あとはもう、意地を見ましょう。それだけです。以上」と、わずか15秒の取材の中で願いを言葉にした。勝ち越し直後、代打・長野への初球で重盗を仕掛け二、三塁に拡大。さらに長野が3球目を強振し、打球処理した一塁・オースティンの本塁送球は大きくそれて、2点を追加した。負けたら終わりの一戦で、7回の攻撃に「阿部野球」がさく裂した。