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【ドラフト吉報を待つ】早大・山県秀が仕掛けた大一番のイリュージョン 華麗な守備はピアノ由来


東京6大学野球秋季リーグ戦 早大対明大 明大に勝利し、笑顔でポーズをとる山県(左)と伊藤樹(撮影・千葉一成)

<東京6大学野球:早大3-2明大>◇第6週第1日◇19日◇神宮

同率1位の早大と明大が直接対決し、早大が3-2で先勝した。

最終回、ドラフト候補遊撃手の山県(やまがた)秀内野手(4年=早大学院)が併殺時に好判断を見せ、逃げ切った。法大は同じくドラフト候補の右腕、篠木健太郎投手(4年=木更津総合)が7回1失点の投球を見せ、慶大に先勝した。

   ◇   ◇   ◇

華麗なる遊撃手、早大・山県が、最後の最後にイリュージョンを用意していた。

1点リードの9回1死一、二塁。一塁へのゴロに、遊撃の山県は二塁ベースカバーへ入った。加速を付けて捕球し、3-6-3の併殺で締めたい場面。観客も皆、一塁上のタイミングに注視していた。でも送球が来ない。一瞬のうちに山県は気付いていた。

「(投手の)田和が一瞬止まって、ベースカバーに遅れるなと思って。それならば…」

アウトコールが聞こえたのはなんと、三塁上。山県は二塁で送球を受けフォースアウトにすると、そのまま体を90度右へ回転させ、三塁へ送球。オーバーランした走者をタッチアウトにし、試合を終わらせた。ビッグプレーを見せても「投手のベースカバー遅れの応急処置という形で」と事もなげに言った。

小宮山悟監督(59)は現役時代、ロッテとメジャーで長く活躍した。そのロッテ時代に“牛若丸”と呼ばれたチームメート小坂誠氏(51)の動きを回想しながら「小坂の動きがだぶる時があります」と山県をたたえたことがある。

単に手放しでほめるだけではない。この日のプレーも「機転の利いたプレー」と評価しながらも「僕は申し訳ないけどプロでやっちゃってるので、プロでやってる人から見たら『できなきゃいけないプレー』です。できて当たり前だと思われるプレーです」と冷静に見つめる。プロ志望届を提出した山県本人にとっても、勝利を喜びはしても、浮かれるプレーではない。

それでも大一番となる早明戦を締めた価値は大きい。特技はピアノで、得意曲はショパンの「幻想即興曲」だ。「小学校の時なんですけど、コンクールで予選を通過したこともあります」という技術の持ち主。なめらかな指の動きと視野の広さで、優勝とドラフト指名をたぐり寄せる。【金子真仁】

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