来季復活を期す阪神村上頌樹投手（26）が、新監督の力になることを誓った。甲子園の球団施設で体を動かした後に取材対応。前日15日に就任会見を行った藤川新監督の発言について「力がある人が使われる、みたいな言い方をされていた」と受け止め「戦力になれるように」と決意を込めた。
幼少期は「火の玉ストレート」に夢を見た。タテジマでの現役は重なっていないが「小さい頃に憧れた方。その方のもとで野球ができるのは光栄です」と目を輝かせる。藤川球児クリアファイルを愛用していたこともあったという。兵庫・淡路島で育ち虎党だった男は「テレビをつけて阪神戦を見ていたら最終回に出てくる人。あの真っすぐは本当にすごいと思って見ていました」と憧憬（しょうけい）は尽きない。
現役引退後は野球解説者のイメージが強い。「解説を聞いていたら言っていることが合ってますし、その通りの結果になっていた。そういう野球観を学べたらと思っています」。球児イズムを積極的に吸収して成長につなげる。
昨季はリーグMVPを獲得し、日本一に貢献した。今季は2年連続で規定投球回に到達したが、7勝11敗と悔しい思いをすることが多かった。中継ぎに回った最終盤は2戦連続敗戦投手。敗退した13日のCSファーストステージ第2戦でも救援で3失点し、岡田前監督から「村上なんか終わってしまうで、あれ。無理やって」と厳しい言葉を放たれたことも、メディアを通して確認した。右腕は「このままじゃダメだと自分も思う。来年良い姿を見せられるようにやっていきたい」とえりを正す。見いだしてくれた前監督の思いに応え、新監督の力になる。【中野椋】
