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【日本代表】森保監督が追う「核なき世界」


日本対オーストラリア 試合前の国歌斉唱で感極まる森保監督(撮影・横山健太)

<W杯アジア最終予選:日本1-1オーストラリア◇15日◇C組◇第4戦◇埼玉

森保一監督(56)は平和への願いを胸に、オーストラリア戦に臨んだ。試合前の君が代に涙がこぼれた。日本という国への誇りがあふれ出す瞬間だ。世界で唯一の被爆国。そこから立ち上がっての今がある。

今回の国際Aマッチ期間中、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)がノーベル平和賞を受賞。敬意を表するコメントを発表した。代表監督でなく、一市民としてメッセージを出さずにはいられなかった。森保一という人間が色濃く出た。長崎で小中高時代を過ごし、平和教育を受けた。サッカー選手、指導者のキャリアを確立した広島では、平和への思いを深めた。

被団協のノーベル平和賞受賞は、長年の平和活動への称賛と同時に、核兵器使用の緊迫が高まっていることへの警鐘でもある。ロシアとウクライナ、そして中東での紛争。同じアジアで予選を戦うイランは、核保有国のイスラエルと激しく対立している。森保監督は試合前日の14日、「スポーツができる意味って平和な世界があるから。戦争、紛争がある地域で穏やかな時間はとれない」と毅然(きぜん)と語った。

その“根っこ”は日本代表でのチーム作りに生かされている。「平和とは、戦争や紛争の大きな問題だけではなく、日常から相手を尊重して意識して良い関係を作っていく、お互いを尊重することが大切」。森保体制初陣となった18年9月11日のコスタリカ戦で代表デビューし、チームを見続けてきた守田はこう証言する。「ルールや秩序を大前提に個々のキャラクターや個性を共有できている。スタッフと選手の関係がすごくいい。今が一番、チーム力という意味では一体になれている」。サッカーが思い切りできることへの喜びと感謝、そして他者を思いやれる精神性がチームの強さを後押ししている。

オーストラリア代表のポポビッチ監督、フォックス・コーチは広島での現役時代からの親友で、今も「キャプテン」と慕われている。「サッカーには勝ち負けがあるけど、ルールがあってお互いリスペクトしながら競い合うところをいろいろな方々に見てもらい、スポーツから平和を発信することにつながれば」と願う。

試合は1-1で引き分けた。ワールドカップ(W杯)優勝、そして核なき世界という果てしなき夢も追い続ける指揮官は「正直ホームで勝ちたかった。W杯は簡単な道のりではないので、これからも1歩1歩進んで出場権を勝ち取りたい。日本のために戦う」と決意した。【佐藤隆志】

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