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【東京V】14年ぶり?聖地「プリメーラ」で清水とトレーニングマッチ 城福監督「選手も刺激」


空中戦で競り合う東京Vの深澤と清水の選手たち

16年ぶりのJ1で注目を浴びる東京ヴェルディが29日、東京・稲城市の拠点で同じオリジナル10の清水エスパルスと“歴史的”トレーニングマッチを行った。

前日にともにリーグ戦があっため、この日のメンバーはサブ組中心の構成となった。試合はFW山田剛綺、DF深澤大輝、FW山見大登のゴールで3-1と逆転勝ち。熱の入った攻防が繰り広げられ、見守った約250人の両チームサポーターを喜ばせた。

昨年のJ1昇格プレーオフ決勝を戦ったチーム同士による因縁のカード。しかも東京Vは前日深夜に大阪から帰京したばかりの強行軍でのトレーニングマッチとなった。城福浩監督が言う。

「みんなが家に帰ったのはおそらく(午前)1時近くだったと思う。それでもエスパルスさんが来てくれるということと、そういうレベルの相手と試合ができる機会というのは失いたくなかった。大阪の遠征に行ったメンバーも含めて全員、そこは出て行って当然でしょというくらい。(G大阪戦の出場時間が)30分以下の選手をみんな出せば、なんとかうまく回るだろうということで、ユースの選手を借りて実現しました」

少々オーバーな表現となるが、このトレーニングマッチは東京V関係者にとっては「歴史的」なものとなった。

それはこの日のカードでなく、行われたグラウンドのこと。クラブハウスに隣接する「プリメーラ」と名付けられている芝生ピッチで実施された。ここはラモス瑠偉、カズらの黄金時代はもちろん2010年頃まで使用されていた、かつては「聖地」と呼ばれた場所。よみうりランドの所有物で、今は遊園地事業としての運動会イベントや駐車場として活用されている。

ヴェルディのピッチではない。というのも読売グループがクラブ経営から完全撤退したことに伴い、経営母体が異なる東京Vが「プリメーラ」を使用することはできなくなった。

通常の練習場所は、こちらもよみうりランドの所有物だが、クラブハウスから少し離れた高台にある芝生グラウンド。正規のピッチサイズより少し狭い。夏場に張り替えた芝生の養生が必要だったこともあり、今回はよみうりランド側に「プリメーラ」の使用を交渉したところ、この日の午前10時半になって貸し出しされることになった。

城福監督は謝辞を口にし、こう説明した。

「許可をしてくれたよみうりランドさんには本当に感謝しています。聞くと、14年ぶりとか。J2に落ちても1~2年はここで練習していたと思いますけど、それ以来。練習試合をここでできたというのはクラブにとってはすごく大きなこと。ここだとみんなの目があるし、囲われている感があって、プロチームが練習するにふさわしい場所で、選手にとっても刺激になった。緊張感もあって」

さらに続ける。

「広さ的にもここはしっかりと正規の大きさを確保できていますし。駐車場としてプールの時期に使っていましたけど、少し時間が空いて、エアレーション(芝生の通気性をよくする穴あけ)もしてもらって、芝生の管理も含めて全然今は使える。この機を逃さずにクラブが交渉してくれたというのは、実に我々にとって本当にすごく大きなこと」

経営難に陥り、クラブ消滅の危機もあった東京V、そのクラブの歴史が色濃くにじんでくる。

「クラブも粘り強くよみうりランドさんと関係を作ってくれた。よみうりランドさんも“頑張っているな”という思いで見てくれていたかどうかは分からないですけど、普通は許可は出ないと思います。だって、あのレベルでこれだけの事業やイベントを毎日やっていて、駐車場の予備として年間スケジュールも決まっている。それを引っ繰り返して、天候、お客さんの入りも見て、これだったお貸しできますって、直前で決めてくれたその英断に感謝したいです」

こういう背景の中で、実現した「聖地」での伝統のエスパルスとのトレーニングマッチ。熱のこもった選手たちのプレーを「すごい良かった」とほめた指揮官は、こう付け加えた。

「この環境が今日の選手のパフォーマンスに影響していると思います。やっぱりここ(プリメーラ)でプレーできるというのは想像もしてないですから。ここでやれるというのは特別感は選手にありますよ」

観戦に訪れた昔からのサポーターからも「プリメーラで試合が見られるなんて」と喜ばれたという。

前日のG大阪戦は森田晃樹主将の土壇場のゴールで同点とし、勝ち点1を手にした。25年ぶりの5連勝はならなかったが、5戦無敗で6位をキープしている。今季開幕前は「20番目のチーム」と揶揄(やゆ)されながら、16年ぶりのJ1で旋風を巻き起こす。そのヴェルディの復活が、さまざまな局面において変化を起こしている。【佐藤隆志】

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