<ワールドカップ(W杯)北中米大会アジア最終予選:日本7-0中国>◇5日◇埼玉◇観衆5万2398人
史上最強の侍ブルーが、8大会連続8度目のワールドカップ(W杯)出場へ“鬼門”を大量得点で突破した。
アジア最終予選が開幕し、C組の日本(FIFAランキング18位)はホームで中国(同87位)に7-0と快勝した。過去2大会連続して最終予選の1試合目につまずいていたが、そのジンクスを払拭した。第2戦は10日(日本時間11日)にアウェーでバーレーン(同80位)と対戦する。
前回大会はオマーンを率いて日本から勝利を挙げたイバンコビッチ監督が率いる中国。森保一監督は3-4-2-1のシステムを採用した。
先発メンバーはGK鈴木彩艶(パルマ)、3枚のDFは左から町田浩樹、谷口彰悟、板倉滉。右ウイングバックに堂安律、左ウイングバックに三笘薫、ボランチは右に遠藤航、左に守田英正。2シャドーの右に久保建英、左に南野拓実、そして1トップに上田綺世を配置した。6月のW杯アジア2次予選のミャンマー戦、シリア戦に続き、アタッカーを並べる攻撃的3バックを継続した。
立ち上がりから左サイドの「切り込み隊長」三笘の縦への進入から押し込んだ。前半13分、左CKから久保がゴール前へ送ったボールをMF遠藤が頭で合わせた。頼れるキャプテンの一撃で幸先良く先制し、チームは弾みがついた。
その後も右サイドから久保が軽業師ぶりを発揮。足元から根こそぎ刈りにくる相手タックルをフワリと足を浮かせてかわし、ドリブルで持ち込んだ。自陣に全員が引いてゴール前を閉じる中国に対し、左右のドリブラーを攻撃の糸口に得点機を狙った。
中国の守備ブロックに揺さぶりをかけるように左右へパスをちらし、ペナルティーエリア内へ多くの選手がなだれ込んだ。前半43分には三笘の縦突破からゴール前へグラウンダーのクロス。ニアサイドへ入った守田が右足で合わせたが、ゴール左へ外れた。森保監督が狙う形で終始、主導権を握った。
そして前半アデシショナルタイム。右サイドで久保のパスを受けた堂安が左ファーポスト際へ大きなクロスボールを送る。走り込んだ三笘が頭で押し込み、2-0と前半のうちに追加点を挙げた。
後半も勢いは止まらない。7分、左サイドで三笘のパスからエリア内に進入した南野が巧みなタッチで1人かわし、ニアサイドへ持ちこみ右足で対角へゴール。チーム3点目が飛び出し、一方的な展開となった。
さらに後半13分、ゴール中央からエリア内へ持ちこんだ南野が右足を振り抜き、立て続けにゴールを決めた。4-0とし、勝利を確実なものとした。南野の代表通算得点は高原直泰を抜く23点目となった。
後半18分には三笘に代えて伊東純也、堂安に代えて前田大然を投入。伊東は1月のアジアカップ以来、7カ月ぶりの代表戦となった。
後半26分にはDF板倉に代えて20歳の高井幸大をピッチに送り、国際Aマッチデビューさせた。同じタイミングで遠藤を下げて田中碧にスイッチした。
そして後半32分には伊東にゴールが飛び出した。左足シュートが相手に当たりコースが変わってゴールイン。日本のゴールラッシュは止まらない。さらに同42分、右の伊東からのクロスボールを前田が頭で押し込み6点目。ラストプレーでは久保まで、伊東のパスを受け左足で豪快なシュートを突き刺して7点目。完全なワンサイドゲームとなった。
鬼門となっていた初戦突破へ、現場の意向もありW杯予選で勝率のいい埼玉スタジアムで開催。過去のW杯予選23勝4分け1敗、勝率(白星率)82・1%を誇る「聖地」でサポーターの後押しを受けた。験担ぎ効果もあってか、初戦の難しさを味わうことのない圧勝となった。
2026年の本大会は史上初の3カ国共催で米国、カナダ、メキシコの北中米で実施される。出場チーム数は22年カタール大会までの32から48へと拡大。最終予選は来年6月まで行われる。