<YBCルヴァンカップ:新潟5-0町田>◇4日◇準々決勝◇第1戦◇デンカS
アルビレックス新潟がホームでFC町田ゼルビアに5-0で先勝し、9年ぶりの4強進出へ大きく前進した。前半16分、FW長倉幹樹(24)がMFダニーロ・ゴメス(25)の弾丸クロスを右足ダイレクトで合わせ先制。相手FWが一発退場し、数的有利になった同42分にはFW小野裕二(31)が加点。長倉は後半4分、42分、追加タイムにも決めて4得点の活躍で大勝を引き寄せた。左サイドバックの位置では、7月にJ2徳島ヴォルティスから加入した橋本健人(24)が先発で本拠地デビューした。
9年ぶりの4強進出に向けて、長倉が躍動した。まずは前半16分、巧みなステップワークで相手を振り切り、ダニーロの右からの高速クロスをダイレクトボレーで合わせて華麗にゴールネットを揺らす。2-0の後半4分には左を抜け出した小野からのラストパスに走り込むと、最後は相手GKをあざ笑うかのようなチップキックを決めた。その後も2点を追加。プロ初の複数得点がいきなりの4発となった。試合球を大事に抱えながら取材に応じたこの日の主役は、「(1試合4得点は)もう、よくわからない」と照れくさそうに笑った。
浦和レッズユースから順大を経て、22年に関東サッカーリーグ1部の東京ユナイテッドFCに入団。22年シーズンは8試合9得点で1部得点王を獲得し、同年8月にJ2ザスパ群馬にステップアップ移籍。その後の活躍が認められ、23年夏に新潟に加入した。努力を重ね、アマチュアスタートからJ1まで一気に駆け上がってきた苦労人はこの日の日の4得点に一喜一憂せず、「もっと得点を重ねていきたい」とうなずいた。
チームは8月25日のリーグ戦(0-0)ではボールを保持しながらもシュート数は6本止まり。松橋力蔵監督(56)は「積極的にシュートを打っていくことで相手に圧力をかけることができるし、得点の可能性も十分高まるので、好機を逃さないことが重要」と話していた。この日はダニーロを中心にミドルレンジからのシュートを積極的に増やして相手の守備を揺さぶり、前半だけで2点のリードを奪った。
左サイドバックの位置では新星が輝いた。本拠地デビューに向けて「新潟のサポーターに自分の攻撃面の特徴を知ってもらいたい」と意気込んでいた橋本が有言実行。常に相手陣地の深い位置を取りながら攻撃にアクセントを加え、鋭いパスでスタジアムを何度も沸かせた。
第2戦は8日。5点リードの大きなアドバンテージはあるが、MF宮本英治(26)は「同じ相手というより、違う相手と戦うという意識で臨む」。2試合連続ゴールを狙う長倉も「まだ何も成し遂げていない。次も1点以上を決め、勝って次のステージに進む」と気は緩めない。合計スコアで勝ることは考えず“2連勝”で準決勝に進む。【小林忠】
松橋監督「相手が前半で10人になったこともあり、ハーフタイム明けからしっかりとボールを保持してチャンスを生かせた。ただ、これで(準決勝進出が)決まったわけではない。うちが5得点したことで町田さんに火を付けたと思っている。貯金、アドバンテージがあるとは思っていない。気を抜かず、今日以上の熱いプレーで勝利する」
-【ルヴァン杯】新潟長倉幹樹4発!町田に5-0完勝 横浜6発!札幌下す/スコア詳細--https://www.nikkansports.com/soccer/news/202403050001458.html--