ここ8戦未勝利中で9位のJ1アビスパ福岡は4日、福岡市内で調整し、前回対戦はスコアレスドローに終わった14日の町田ゼルビア戦(ベススタ)に備えた。
緊急のチームミーティングで引き締め直した。長短パスを正確に出すことや、少ないタッチ数ですばやくパスをつなぐボール支配などの全体練習後、約1時間、クラブハウスで若手からベテランまできたんなく意見をぶつけ合ったという。DF奈良竜樹主将(30)は「『こうすればもっと良くなる』『いい時はこういう試合だった』とか意見が出た。なんで勝てないんだろうという感じではなく、いい意見交換だった」と話し、チームの方向性を再確認した。
とはいえ、J1首位を争う相手に事は簡単ではない。0-2の完敗を喫した前節1日ヴィッセル神戸戦では、生命線の前線プレスからボールを奪った瞬間の全体の連動が不発だった。DF宮大樹(28)は「(FW岩崎)悠人が奪ってスイッチが入ってからの連動ができていなかった。そこを積み上げないとボールが取れない」という危機感がある。まずは、戦術面の課題克服が急がれる。
けが人続出のチームにあっては攻守再構築は容易ではない。特に守備が課題の中で、別メニュー調整中のブラジル人DFドグラス・グローリ(34)、DF湯沢聖人(30)は次節のベンチ外が濃厚。満身創痍(そうい)の中で、8試合連続失点中で計12失点からの再起はいかに。
残り9試合。現有戦力で積み上げた堅守速攻スタイルを向上させるしかなく、就任5年目の長谷部茂利監督(53)の手腕に注目が集まる。