広島対阪神 阪神先発の藤浪(撮影・加藤孝規)

阪神がまさかの逆転サヨナラ負けを喫した。6日の広島戦(マツダスタジアム)は8回まで3点リード。先発藤浪晋太郎投手(28)の待望の今季初勝利まで目前に迫っていたが、守護神岩崎優投手(31)が誤算だった。4安打に2失策が絡んで4失点。今季8度目のサヨナラ負けとなった。

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その瞬間、安堵(あんど)感よりも悔しさが勝っていた。4点リードの7回1死一、二塁。阪神藤浪晋太郎投手(28)は交代を告げられると、唇をかみしめながら両膝に両手を置いた。

「中継ぎに負担をかけないようにしたかった。できれば自分が投げ切りたかった。投げ切らないといけないところだった」

7回途中を7奪三振5安打3四死球で2失点。降板時、もう103球を投じていた。それでもバトンを託さざるを得なくなった自分に満足できない。堂々たる立ち振る舞いから復調気配が漂った。

4月8日広島戦以来120日ぶりの先発登板。鳴尾浜で増やした引き出しを存分に印象づけた。最速157キロの直球、140キロ台後半のスプリット、カットボールにツーシーム、スライダー。「今日はワンパターンになりがちだった」と自己採点したが、序盤から的を絞らせなかった。

3、4回は先頭打者を死球で出した後、大崩れせずに計1失点。「ポロポロと行かなかったのは良かった」。矢野監督も「良い内容」と認める投球で、復活ロードに一筋の光が差した。

2年連続で開幕投手を任された今季。4月中旬の新型コロナウイルス感染以降は難しい調整が続いた。一時は中継ぎで1軍復帰。6月中旬からは2軍で先発再調整。結果を出す度、分厚い1軍ローテ陣容に阻まれた。今回は満を持しての1軍先発マウンドだった。

勝てば自身419日ぶり、先発時に限れば実に477日ぶりの白星だった。それでも9回逆転サヨナラ負けの直後、最後まで気丈に振る舞い続けた。

「もう少し力みなく投げられたら良かったですけど、久しぶりで力みは想定内というか、なんとか粘れた。次につながる投球だったかなと思います」

重苦しいムードに包まれたマツダスタジアムの三塁ベンチ。明るい材料も忘れたくない。【佐井陽介】

▼阪神の今季サヨナラ負けは、6月30日DeNA戦(横浜)以来8度目。広島戦では3月29日、6月22日に次いで今季3度目(いずれもマツダスタジアム)。今季対戦カード別でも単独最多で、中日戦、DeNA戦の2度を上回った。

▼阪神が最終回に3点差以上を逆転されて負けたのは、14年6月3日楽天戦(コボスタ宮城)で3-0から4点を取られて以来。守護神の呉昇桓が9回途中から救援したが失敗した。広島戦では、97年9月11日に6-2から5点を取られて以来。9回から登板した葛西稔が緒方孝市に逆転サヨナラ満塁本塁打を浴びて敗れた。

○…梅野が先制適時打を放ちマツダスタジアムでの勝負強さを発揮した。2回に糸原、ロハスの連打で1死一、二塁の場面。先発アンダーソンの125キロのスライダーを振り抜き、中前に運んで藤浪に先制点をプレゼントした。「晋太郎が久しぶりの先発マウンドなので、先制点を挙げることができてよかった」。敵地広島では打率4割で、好相性ぶりを発揮した。

○…佐藤輝が2試合連続打点で4番の役割を全うした。3点リードの4回2死から島田が三塁打。続く近本が死球から二盗を決めた。二、三塁から藤井の内角フォークを捉え、右翼線への2点適時二塁打を放った。試合中の談話で「うなぎさん(島田の愛称)が3安打してくれたので、そのうなぎさんをかえすことができてよかったです。ありがとうなぎ!!」とコメント。佐藤輝が打点を挙げた試合で連勝が続いていたが、7でストップした。

○…島田が3試合連続マルチ安打となる猛打賞で存在感を示した。初回に右前打を放ち、3回は左前打を記録。4回は2死から右翼線への三塁打を放ち、佐藤輝の適時二塁打で生還した。島田は「自分の形でバッティングができるようになってきたと思う。これを継続できるかが僕の課題。明日からも切り替えて、また自分のバッティングをできるように準備していきたい」と力を込めた。

○…ケラーが1回無失点で2ホールド目を挙げた。登板がかさんでいる湯浅の代役とみられる起用で、3点リードの8回に登板。最速152キロを主体とした投球で、秋山を中飛、マクブルームには死球で出塁を許すも、続く坂倉を遊飛に料理。最後は西川に粘られるも、10球目の外角高め150キロ直球で空振り三振にねじ伏せ、ガッツポーズを決めた。これで連続無失点試合を11に伸ばした。

○…新外国人ロドリゲスが3回に中犠飛を放ち、6戦ぶりの打点を挙げた。糸原の二ゴロの間に2点目を奪い、なおも1死一、三塁で、追い込まれながらも低めカットボールを打ち上げた。「できれば安打か本塁打で走者をかえしたかった。最低限だけど打点を挙げることができてよかった」。今季7打点目は貴重な追加点となった。

情報提供元 : 日刊スポーツ
記事名:「 【阪神】藤浪晋太郎7回途中7K2失点好投「次につながる」サヨナラ負けで今季初勝利逃すも気丈