若元春、ぶれずに＝新小結が白星先行―大相撲初場所

　愚直に己の相撲を貫こうとした姿勢が実を結びつつある。新小結の場所で３連敗スタートだった若元春がじわじわと星を戻し、９日目でようやく白星が先行。幕内３度目の対戦で大関候補の豊昇龍を初めて破った。 　当たり負けせず、右の喉輪で起こしてから、左を深く差す。かいなの返しも十分。苦し紛れに投げにきた相手に体を預け、押しつぶすように倒した。土俵下の佐渡ケ嶽審判部長（元関脇琴ノ若）は「若元春を褒めるべきだ」と奮闘をたたえた。 　昨年１月の初場所、２８歳の遅咲きで新入幕を果たし、１年でたどり着いた新三役の座。「ここからは自分の看板との闘い」と自らに言い聞かせる。番付上位との対戦も続く中で大切なのは、「ここまで来られた相撲を取れるか、どれだけ出せるか」。連敗中でもぶれずに前に出て、得意の左四つにこだわってきた。 　「星数は考えていない」と言う。まだまだ一息つける成績ではない中、「いい相撲も出てきている」と手応えも口に。当面の目標である勝ち越しに向け、視界が少しずつ開けてきた。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕若元春（左）は豊昇龍をすくい投げで破る＝１６日、東京・両国国技館