ラッキーボーイ突進＝２２歳アルバレスが活力―Ｗ杯サッカー・アルゼンチン

　目を見張る運動量でアルゼンチンのほとんどの攻撃に絡んだ。アルバレスは前半３０分すぎ、味方の縦パスに反応。守備ラインの裏に抜け出し、首尾よくＰＫを得る。エースのメッシが決める。これでチームは勢いづいた。 　最大の見せ場は前半３９分。相手のＣＫをしのいだ直後の速攻だった。ハーフウエーライン付近からドリブルで前進し、味方をおとりにしながら一気に駆け上がる。２度ボールをつつかれながらも失わず、「残っていて安心した」。ゴール前へ突進して追加点を奪った。 　Ｗ杯で上位に進むチームにはラッキーボーイがいるものだ。後半２４分にはメッシから絶好の折り返し。流し込むだけのボールを呼び込むあたりは、強運も感じさせる。２トップを組むメッシを助ける献身的な守備も光った。３５歳の先輩から贈られた「ご褒美」のようにも映った。 　イングランドの強豪マンチェスター・シティーに所属する２２歳。ここにきて得点王争いにも食い込んできた。今大会４ゴールを挙げ、５得点でトップに並ぶメッシとフランスのエムバペを追う。チームに活力を与える若手の筆頭として、勝ち進むごとに存在感を増している。 　１７０センチと小柄ながら、類いまれなスピードと足元の技術で相手を翻弄（ほんろう）。余分な重圧を背負うことなく、伸び伸びとしたプレーを続けている。「ここまでたどり着けたこと、さらに上を目指せることに満足している」。若さあふれる逸材が、大一番での活躍を期した。　（ルサイル時事） 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、ゴールを決めるアルゼンチンのアルバレス（上）。下はクロアチアのＧＫリバコビッチ＝１３日、ルサイル 〔写真説明〕前半、ゴールを決めるアルゼンチンのアルバレス（右）。左はクロアチアのＧＫリバコビッチ＝１３日、ルサイル（ロイター時事） 〔写真説明〕前半、ゴールを決め喜ぶアルゼンチンのアルバレス（中央）と祝福するメッシ（左）＝１３日、ルサイル