アズムン、欧州勢撃破に貢献＝苦境乗り越えたエース―Ｗ杯サッカー

　メンバー紹介で名前がコールされると、ひときわ大きな声援を受けた。イランはエースのアズムンが躍動。サポーターの期待に見事に応えた。 　相手の裏へ飛び出し続けた。今大会初先発で３トップの中央に入り、速攻の起点に。後半立ち上がりには、ロングパスに抜け出して、ポストを直撃するシュートを放ち、ウェールズを脅かした。同２３分で交代。ロスタイムに決定的な２点目が入ると、ケイロス監督の首を絞めるようなしぐさで喜びを爆発させた。 　ドイツ１部リーグのレーバークーゼンでプレーする２７歳は「イランのメッシ」と称される。前回大会は３試合で無得点。中傷を受けて母親が体調を崩したとし、一度は代表を引退した。今大会直前にはけがをし、「２カ月は満足のいくトレーニングができなかった」。数々の苦境をはね返した。 　イランは１０度目の挑戦で、初めてＷ杯で欧州勢を撃破。２１日のイングランド戦で大敗し「勝ち点３を取らないといけなかった。それを達成できた」。次戦で米国に勝てば初の決勝トーナメント進出が決まる。さらに歴史を塗り替えたい。　（アルラヤン時事）【時事通信社】