クルトワ、冷静に無失点＝好守でベルギー救う―Ｗ杯サッカー

　開始早々、ベルギーに訪れたＰＫのピンチ。ＧＫクルトワは落ち着いていた。キッカーはバイエルン・ミュンヘンに所属するデービス。「彼はいつも（ＧＫから見て）右を狙ってシュートを打ってくる。だからそっちを狙った」。コースを完全に読み切りボールをはじき返すと、「どうだ」と言わんばかりに雄たけびを上げた。 　相手のプレスの前に中盤でボールを保持できず、チームは劣勢を強いられた。再三ペナルティーエリアに侵入を許し、受けたシュートは２１本。それでも、最後のとりでは崩れなかった。「カナダのプレッシャーには驚かされた。Ｗ杯の最初の試合は困難でストレスがたまるもの」。厳しい試合も何のその。前半終了間際に挙げた１点のリードを守り切ると、涼しい顔でロッカーへ引き揚げた。 　歴代最高の３位に入った前回大会では、最優秀ＧＫに選ばれた。所属先のレアル・マドリードでも正守護神となり、昨季の欧州チャンピオンズリーグ決勝ではビッグセーブを連発して優勝に貢献した。 　世界屈指のＧＫによって救われたベルギー。これで１９９８年フランス大会から１次リーグで１３戦無敗となった。　（アルラヤン時事） 【時事通信社】 〔写真説明〕前半、カナダのデービス（左端）のＰＫを止めるベルギーのＧＫクルトワ（中央）＝２３日、アルラヤン（ＥＰＡ時事）