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琴ノ若、己を貫く=地力つけて自信―大相撲・九州にかける(下)


 憧れの祖父は元横綱琴桜。その映像は「大体、頭の中に入っている」と言うほど昔から見てきたが、琴ノ若は地力がついた今だからこそ、参考にできそうなことが増えてきた。「腰の角度とか、自分で使えたらいい」。自己最高位の西前頭筆頭で臨む九州場所。24歳の口ぶりに自信がにじむ。  3月の春場所から4場所連続で複数の大関を撃破。前に出る馬力がついてきたものの、新三役の座にはあと一歩届かない。そんな現状に、父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は対戦成績で負け越している関脇豊昇龍らの名を挙げ、「苦手意識をつくらず、連敗しない。そうすれば、先が見えてくる」と言った。  三役の地位が頭にちらつくのは仕方がない。そのことを率直に認めながらも、「自分のやるべきことをしっかりやった上での結果。なるようにしかならない」。稽古場では強く踏み込んで左上手を引き、琴恵光や琴勝峰を圧倒。「今、できてきている内容を中途半端に終わらせたら意味がない」。目先の番付より、自分の相撲を安定させることに集中している。  7月の名古屋場所から2場所続けて逸ノ城、玉鷲と平幕が賜杯を抱いた。それも刺激となっており、「どれだけ自分のできることを徹底できるか。それが今後、優勝争いに常に絡んでいくために必要なこと」と自覚する。一年納めの九州場所で、来年の飛躍につながるきっかけをつかみたい。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕稽古場ですり足をする琴ノ若=9日午前、福岡市 〔写真説明〕稽古をする琴ノ若。左は琴恵光
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