甲斐、貴重な今季１号＝バットでも貢献―プロ野球・ソフトバンク

　ようやくといった感じの今季１号が、大事な試合で出た。打撃不振だったソフトバンクの甲斐が、四回に追加点をたたき出す３ラン。久々にダイヤモンドを一周し、「やっぱりいいものだなと。素直にうれしい」。ほっとした表情を見せた。 　２点リードの２死一、二塁で、打席が巡ってきた。１ボールからの速球を捉えた打球は左翼テラス席へ。お立ち台で打った感触を問われると、「第１号なので一切分からない」と苦笑いで答えた。 　捕手としての能力は随一だが、打撃はフォームの試行錯誤が続き、打率も１割台と低迷。「迷惑を掛けて、もどかしさがあった」。そんな中で王会長から連日のように指導を受け、前夜にはメールも届いた。「たくさん言葉を掛けてもらった。何とか打ちたいという気持ちだった」 　マスクをかぶっては千賀らをうまくリードし、２試合連続の零封勝ちに導いた。オリックスが試合のない日にマジックを「５」に減らし、残り６試合。「自分が打てば打線として機能する。守り勝つことも含めて、一試合一試合しっかりやることが大事」と自分に言い聞かせるように話した。　（了） 【時事通信社】 〔写真説明〕４回、３ランを放つソフトバンクの甲斐＝２５日、ペイペイドーム