ファンダイク、待ち望んだ舞台へ＝世界最高ＣＢの呼び声―Ｗ杯カタールの主役

　３１歳にして、ようやく待ち望んだ大舞台に立つ。世界最高のセンターバック（ＣＢ）との呼び声も高いオランダの主将、ＤＦフィルジル・ファンダイク（リバプール）。Ｗ杯出場経験はないものの、オレンジ軍団の大黒柱だ。 　１９３センチ、９２キロと体格に恵まれ、抜群の身体能力を誇る。ＦＷとの１対１ではドリブル突破を許さず、空中戦にも強い。何より予測能力に優れ、ピンチでも相手より先手を取って守れるのが最大の特長。名将ファンハール監督が３バックと４バックの両方を試している中、最終ラインを安定させている。 　２０１８年、同じイングランド・プレミアリーグのサウサンプトンから加入。移籍金は当時ＤＦとして史上最高額の７５００万ポンド（約１２１億円）と伝えられた。１８～１９年の欧州チャンピオンズリーグ制覇に貢献し、同シーズンの欧州最優秀選手にＤＦとして初めて選ばれるなど、実績は申し分ない。 　残すはオランダ代表での結果だ。１８年Ｗ杯ロシア大会は欧州予選で敗退。右膝前十字靱帯（じんたい）損傷の大けがをした影響で２１年の欧州選手権も欠場し、チームは１６強止まり。本大会出場を決めた時は地元メディアに「美しいものをつくり上げるのが待ち切れない」と語った。 　もう一つ、思いを強くする理由がある。今年４月、ファンハール監督が前立腺がんで闘病中であることを公表し、Ｗ杯を最後に退任することが決まっている。「彼にとって忘れられないＷ杯にしたい」と誓う。　（時事） 【時事通信社】 〔写真説明〕国際親善試合でドイツのウェルナー（手前）と競り合うオランダのファンダイク＝３月２９日、アムステルダム（ＡＦＰ時事）