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ジェンダー平等、なお苦戦=森氏発言がきっかけ―TOKYOから1年(4)


 「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」―。東京五輪・パラリンピック組織委員会会長だった森喜朗氏の女性蔑視発言により、大会が開かれる2021年になって男女格差の問題に思わぬ形で関心が向いた。  スポーツ庁は国内競技団体(NF)が順守すべき規範「ガバナンスコード」を19年6月に公表し、女性理事比率の目標を40%以上に設定した。卓球やトライアスロンなどが達成している一方で、苦戦するNFもある。  日本セーリング連盟は理事選出について、21年9月に「ジェンダー平等に配慮しなければならない」との文言を内規に加えた。しかし、31人のうち女性は6人(19.4%)。地方から推薦される理事候補に女性が少なく、ある関係者は「連盟は4割を目指しているが、地方はそういう感じではない」と実情を明かす。  クレー射撃は競技者の会員に女性が6%ほどしかいないが、日本協会は6月の改選で女性の外部理事を4人増やし、全体で19人のうち女性を6人(31.6%)に。財務基盤が弱いため、専門的な視点を取り入れるべく経営者を2人選任した。  日本クレー射撃協会の大江直之事務局アドバイザーは「(内部から)女性の理事候補を見つけるのは難しい状況だった」と言う。女性理事を安定的に出すには、競技者から増やす必要がある。  森氏辞任後の組織委で理事になった中京大の來田享子教授(オリンピック史、スポーツとジェンダー)は「法的な枠組み、そして理念はあったが、人目を引くような出来事があって初めて、それがレガシー(遺産)として生かされる可能性が生まれた」と分析する。  スポーツ界だけにとどまってしまえば、社会全体のレガシーとしては残らない。來田教授は「五輪は遠い世界のように見えて、自分の身の回りにもある問題を見せてくれる。自分が所属する組織はどうかと考えることが大事」と強調する。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の理事会を終え、取材に応じる新理事の(左から)來田享子氏、矢野晴美氏、高橋尚子氏、大日方邦子氏=2021年3月22日、東京都中央区
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