熟練の技術と衰えぬ情熱＝マスターズゴルフ名誉スターターのワトソン氏

　【オーガスタ（米ジョージア州）時事】男子ゴルフのメジャー大会、マスターズ・トーナメントでは、第１ラウンド開始前に「名誉スターター」による始球式が行われる。７日に開幕する今年は、大会２勝のトム・ワトソン氏（７２）＝米国＝が新たに名誉スターターに。大会最多６勝のジャック・ニクラウス氏（８２）＝同＝、大会３勝のゲーリー・プレーヤー氏（８６）＝南アフリカ＝と共に大役を務めることになり、「特別な瞬間になると思う」と話している。 　「帝王」ニクラウス氏の後を継ぐ「新帝王」としてゴルフ界をけん引し、マスターズでは１９７７年と８１年に優勝。還暦を過ぎても情熱は衰えず、２０１６年まで４３回出場した。「４月のオーガスタは、私のお気に入りの場所の一つ」と語る。 　海沿いのリンクスで無類の強さを誇り、メジャー通算８勝のうち、全英オープンは５回制覇。ニクラウス氏とはターンベリーでの７７年大会で「白昼の決闘」と称された一騎打ちを制した。また、５９歳で出場した０９年大会では優勝まであと一歩に迫った。４ホール制で行われたプレーオフで力尽きて２位に終わったが、得意とするターンベリーの難コースに熟練の技術で立ち向かい、ゴルフファンに感動を巻き起こした。 　マスターズ前年覇者、松山英樹がホスト役を務めた５日のチャンピオンズディナーにも笑顔で出席した。長年の活躍を支えたキャディーを筋萎縮性側索硬化症（ＡＬＳ）で亡くし、チャリティーにも熱心な人格者として知られるワトソン氏。多くのファンが、新スターターのティーショットを心待ちにしている。（了）【時事通信社】