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劣等感と闘った高木菜=妹と競った競技人生―スピードスケート


 大きな体格の方が有利とされるスピードスケートで、高木菜は身長155センチ。それを言い訳にしないために「頭の先から爪先までスケートをしないといけない」。膝のけがなどとも闘い抜いた競技人生の原動力は、妹の美帆だった。  中学生で五輪デビューした妹と比較された競技生活。劣等感にさいなまれ「乗り越えなければいけない壁」と捉えた時期もあった。初めてそろって五輪に出た4年前の平昌大会では、団体追い抜きで共に金メダルを獲得。さらに、自身はマススタートの初代女王にも輝いた。  メダル獲得実績では見劣りしない結果を残しても「スケートのレースが怖い」と感じたそうだ。原因を見詰め直すうちに「妹に勝てていないから遅いんだと、自分を否定していた」ということに気付いた。  最後の五輪と位置付けて迎えた北京は、自身の転倒が響いて団体追い抜きの連覇を逃し、マススタートでも転んで決勝にも進めなかった。打ちひしがれる自分に寄り添ってくれたのは美帆だった。  負けられないライバルでもあった存在に思いをはせ「妹でよかったと心から思う」。晴れやかに笑った。(了) 【時事通信社】 〔写真説明〕笑顔で記者会見に臨むスピードスケート女子の高木菜那=5日午前、東京都新宿区
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