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辛抱の白星に手応え=琴ノ若、けが契機に成長―大相撲春場所


 劣勢の中での粘りに、24歳の伸びしろを感じさせた。琴ノ若は千代翔馬を下して5勝目。「我慢して、辛抱して、最後まで取り切れた」と口ぶりに充実感をにじませた。  立ち合いで力強く当たって一気に前へ。土俵際に追い込んだが、相手に得意の左四つの形をつくられた。ここから無理には攻めない。肩越しに右上手を引いてしのぐと、足技にも崩れず、最後は押しつぶすような上手投げで土俵にはわせた。  自己最高位の西前頭3枚目で臨んだ昨年の秋場所では、左膝を痛めて途中休場。このけがが自らの相撲を見詰め直すきっかけになった。「下がらない、悪い体勢になっても引かない」。そんな姿勢を稽古場から己にたたき込み、1月の初場所では11勝を挙げて敢闘賞。「終始、攻められた」との自信を胸に、大阪へと乗り込んできた。  一人横綱の照ノ富士が休場し、八角理事長(元横綱北勝海)は「他の力士が逆にチャンスだと思わないといけない」と奮起を促す。今後の成績次第では、幕内上位との対戦も予想される中、琴ノ若は「気持ちを強く持って、一番一番臨んでいければいい」。飛躍の足掛かりにするつもりだ。 (了) 【時事通信社】 〔写真説明〕琴ノ若(上)は千代翔馬を上手投げで下す=18日、エディオンアリーナ大阪
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