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渡部暁「人間らしくなれた」=5度目の五輪振り返り〔五輪・ノルディック複合〕


 【北京時事】北京五輪ノルディックスキー複合の個人ラージヒルと団体で銅メダルを獲得した渡部暁斗(33)=北野建設=が今大会の競技を終えて時事通信のインタビューに応じ、5度目の五輪を笑顔で振り返った。「より人間らしくなれた大会だった。今まではメダルを取りにいくマシンのような感じで臨んでいたと、今回戦ってみて思った」と心境を述べた。  2014年ソチ、18年平昌と2大会連続で個人ノーマルヒル銀メダル。頂点に狙いを絞って準備してきたが、ジャンプの調子が上がらない中で迎えた今大会だった。「心が折れかけている状態が続き、たくさんの人から応援メッセージをもらうと、ひとこと、ひとことが染みてきた」と言う。本番では好飛躍と力強い走りを披露し、二つのメダルを手に入れた。  通算のメダル数は、冬季五輪の日本選手で歴代2位の4個に。「やっぱり1個は金を取りたかった気持ちが強い。でも、3大会連続、形の違うメダルが三つそろったのはうれしい」としみじみ。  競技に100%の力を注いで臨む五輪は今回が最後と決めていた。ただ、今後もこの大舞台を目指す可能性は否定しない。20年11月に生まれた第1子となる男児の存在を挙げ、「生活スタイルが変わる。今はとにかく家族と過ごす時間を増やして、その中で気持ちがスキーに向いてきたら、もう一回違う形で集中するというのはある」と考えている。  これまでも使ってきたインスタグラムやツイッターは、今後はさらに活用していきたいそうだ。動画配信もするかもしれない。「選手が結果だけ出して注目される時代はもう終わった。自分が選手兼メディアとして活動していくぐらいの気持ちがないと、すぐに世間の関心はなくなってしまう」。複合という競技に興味を持ち続けてもらうため、必要なことをやっていく覚悟だ。  ◇渡部 暁斗(わたべ・あきと)  長野・白馬高在学中の06年にトリノ大会で五輪初出場。世界選手権は09年に団体で優勝し、17年の個人ラージヒルで2位。ノルディック複合では荻原健司に並ぶ日本勢最多のW杯通算19勝。長野県出身。(了)【時事通信社】
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