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久常涼のマスターズ特別招待には米でも称賛! 物議を醸す“残り2名”の選出にオーガスタの秘めたる主張が!?


“ゴルフの祭典”マスターズの開幕まであと1カ月余り。日本の久常涼が特別招待を受けたことは日本中のゴルフファンから祝福が集まったが、米国でも選出は順当と受け止められている模様。それよりも“残り2名”の選出がゴルフ界をザワつかせている。

最長のパー5がさらに長くなった以外の変化とは?

“ゴルフの祭典”マスターズ(4月11日~14日)を主催するオーガスタナショナルが、世界のメディアに「2024年マスターズ・メディアガイド」の電子版を一斉に配布したのは2月19日のことだった。

 それは、「今年のオーガスタナショナル」と「今年のマスターズ」が、いきなりベールを脱いだ瞬間だったと言っても過言ではない。

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欧州ツアーの新人王を獲得するなど“ホープ”としての条件を十分に満たす久常涼 写真:GettyImages
欧州ツアーの新人王を獲得するなど“ホープ”としての条件を十分に満たす久常涼 写真:GettyImages

 オーガスタナショナルは日頃から物事を水面下でひっそりと推し進める秘密主義的な姿勢ゆえ、何事も正式発表されるまでは周囲は憶測と推測に頼るしかない。

 それゆえ、このメディアガイドの配布は、オーガスタナショナルとマスターズの最新の姿を知ることができる最初の瞬間になるという意味で、米メディアからも世界のメディアからも心待ちにされていた。

 表紙を開き、ページをめくっていくと、「マスターズ4勝、アーノルド・パーマー」が遺した貴重な言葉が掲載されている。

「オーガスタナショナルは、そのコースと同様に、ステディーで静かな進化を遂げている。それは、ここへ来る人々が、我が家に帰ってきたと感じるような永遠の優しさを保つためのものなのです」

 オーガスタナショナルが推し進める進化や変化、さまざまな「チェンジ」は、伝統や格式を崩壊させたり排除したりするためのものではなく、人々が常に懐かしさや安堵を感じられるよう、むしろ伝統や格式を維持するためのものであることを、今は亡きパーマーは生前から感じ取り、こうして貴重な言葉を遺していたのだろう。

 さすが、ゴルフ界の「キング」である。

 さて、24年のマスターズ・メディアガイドが示すオーガスタナショナルの今年のコースチェンジの目玉は、2番ホールの距離の伸長である。

 ティーイングエリアが10ヤードも左後方へ下げられ、ホール全長は585ヤードになったとされている。

「ピンク・ドッグウッド」と名付けられている2番はオーガスタナショナルの18ホールの中では、これまででも「最も距離が長いパー5」として知られていた。

 だが、最長のパー5でありながら、昨年のマスターズにおける2番の平均スコアは「4.637」で、これはバーディーやイーグルが頻出したパー5だったこと、最もやさしいホールだったことを示していた。

 そこで今年はティーイングエリアを左後方へ下げ、「最長のパー5」を「さらに長いパー5」に変え、フェアウェイバンカーがより一層プレーに影響するよう、チェンジを施した。

 2番ホールは1999年にティーイングエリアが25ヤード下げられて以来、何も変えられることなく来たが、ほぼ四半世紀ぶりの今回のチェンジは、オーガスタナショナルのパトロンたちに懐かしい「ホーム・カミング」の感覚をもたらすことになるのかどうかが注目されている。

久常の特別招待は順当すぎて話題にならなかった!?

 メディア・ガイドの配信から2日後の2月21日、オーガスタ・ナショナルのフレッド・リドリー会長は、日本の久常涼、チリ出身のホアキン・ニーマン、デンマーク出身のトービヨン・オルセンの3名を今年のマスターズに特別招待することを発表した。

 日本の新鋭、久常がその1人として選ばれたことは、久常本人はもちろんのこと、日本のゴルフ関係者やファンを大いに驚かせ、喜ばせ、そして大いに沸かせている。

 一方で、米ゴルフ界の反応は、日本のそれとは少々異なり、大きな話題になっているのは、久常ではなくニーマンとオルセンだ。

 久常に関しては「21歳の日本人」「日本ツアーで1年戦った後、欧州のツアーで戦う資格を得て、昨年のフレンチオープンで初優勝」「DPワールドツアーの(ポイントレースの)レース・トゥ・ドバイ経由でPGAツアー出場資格を獲得」といった活躍ぶりの紹介とともに、「欧州のツアーでルーキー・オブ・ザ・イヤーに輝いた初の日本人選手」と記されている。

 そこから感じ取れるものは、「だからヒサツネは特別招待に値する」「素晴らしい」という米メディア、米ゴルフ界からの賞賛とウエルカムのトーンだ。

 しかし、「特別招待されるにふさわしい」「招待されて当然」の感が非常に強いせいか、米メディアからは、あっさり流された感があり、一方で、ニーマンとオルセンは、あれやこれやと取り沙汰されている。

オーガスタは「世界ランキングが機能していない」と考えている!?

 25歳のニーマンは世界のトップアマとして輝いていた2018年にマスターズに初出場。その年、19歳でプロ転向し、PGAツアーにデビューして、わずか8試合目で初優勝。22年ジェネシス招待を制して2勝目を挙げ、世界のトッププレーヤーの仲間入りを果たした。だが、22年シーズン終了後にリブゴルフへ移籍した。

ここ最近傑出した成績を残しているホアキン・ニーマン 写真:GettyImages
ここ最近傑出した成績を残しているホアキン・ニーマン 写真:GettyImages

 リブゴルフでは世界ランキングのポイントを稼ぐことができないため、ニーマンの世界ランキングは81位(発表時点)まで下降している。

 だが、昨年12月にはオーストラリアンオープンで優勝し、今季のDPワールドツアーではトップ5に3度も食い込み、そして、メキシコで開催されたリブゴルフの今季初戦でも勝利を挙げたニーマンのゴルフは今、絶好調だ。

 リドリー会長は「マスターズには、優れた国際的プレーヤーでありながらマスターズ出場資格を満たすことができていない選手を特別に招待するという伝統がある。この特別招待の発表は、ゴルフというゲームに対する世界中の興味関心を拡大していくというマスターズのコミットメントの表明である」と胸を張っている。

 巷には、とりわけ米ゴルフ界には、いまなお根強い「アンチ・リブゴルフ」派が見られ、米国のシニカルな評論家などからは「オーガスタナショナルは、自分たちが招待したいと思う選手なら誰だって招待できるパワーを持っている」と、やや皮肉交じりの声も上がっている。

 3人目のオルセンは、19年にブリッティシュ・エアウェイズの機内で逮捕されたことがあった。

 ロンドン警察によると、オルセンは泥酔していたそうで、乗客女性に対する「性的暴行(痴漢行為)」「乗務員の指示に従わなかった」「通路や座席に放尿した」という容疑で逮捕されたが、「酒と薬を同時に飲んで混濁していた」と主張。最終的には不起訴となり、ツアープロ生命も失うことなく、維持することができた。

 その後は、彼なりに必死の努力を重ねたのだろう。今年1月にDPワールドツアーで通算8勝目を挙げたばかりだ。

 世界ランキングはオルセンが59位、久常が78位、ニーマンが81位。

 この3名を特別招待したことは「オーガスタナショナルが『世界ランキングは正しく機能していない』と明らかに感じている証だ」と深読みする意見も米ゴルフ界にはある。

 だが、どこからどう見ても頑張っている選手、実際に結果も出している選手をきちんと評価し、押し上げることは、傍から眺めていても「フェアなサポート」と感じられ、拍手を送りたくなる。

 この3名の特別招待は、年齢も国籍も問わず、過去のあやまちも問わず、主戦場がどこであるかも問わず、「これまでの努力」と「今の力」「今の輝き」を正当に評価したからこその3名であり、彼らを選んだオーガスタナショナルの世界における格付けは、一段と上がったに違いない。

 パーマーも草葉の陰で「ステディーな進化だ」「永遠の優しさだ」と、微笑んでいるのではないだろうか。

文・舩越園子
ゴルフジャーナリスト/武蔵丘短期大学客員教授。東京都出身。百貨店、広告代理店に勤務後、1989年にフリーライターとして独立。1993年に渡米。在米ゴルフジャーナリストとして25年間、現地で取材を続け、日本の数多くのメディアから記事やコラムを発信し続けてきた。2019年から拠点を日本へ移し、執筆活動のほか、講演やTV・ラジオにも活躍の場を広げている。

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