今シーズン、安齋竜三ヘッドコーチ(HC)の下、新体制でBプレミアに挑んでいるシーホース三河。新たに加入した小阪彰久は、アイシン・エイ・ダブリュ アレイオンズ安城(当時B3リーグ)でキャリアをスタートさせ、今季愛知に戻ってきた日本人ビッグマンだ。B2福井ブローウィンズでのプレーを経て、Bプレミアへの挑戦となる今季、「自分が出たタイミングで、チームのためにその時間で何をやり切れるか」と自らの役割を見据える。移籍の経緯や新天地での手応え、新シーズンへの意気込みを聞いた。(取材日:2026年9月16日)
B2からBプレミアへ「そこで自分がどうやり切れるか」
――移籍の経緯は
基本的に僕としては、どこに行くかというより、その場所でまず自分が何をするかというところが一番大事かなと思っていまして。
そこで求められるプレーも、ヘッドコーチによって変わってくるのはもちろんあるんですけど、安齋さんが求めるプレーで、1つ1つのスクリーンをしっかりかけていくとか、周りを生かすことができるプレーを大事にしたいというところも事前に聞いてはいたので。僕もプレースタイル的に、そういうところは自信を持ってやっていけるところもあったので、ぜひこのチームで力になりたいと。
僕からしたら、B2のチームからBプレミアに入ってくるのはチャレンジにはなってくるんですけど、その環境で自分がどうやり切れるかというチャレンジも兼ねて、今回三河に来させてもらいました。
――自身の強みをどう生かしていきたいか
三河は突破力のある日本人選手が多いので、いいシューターに対していいスクリーンを1つかけるだけで、シューターやハンドラーのプレーの幅が広がってくると思うので。実際に練習でもやっていて、ちょっとずらすだけで突破していってくれるというのを僕も実感するので。僕もそこをすごく大事にしていって、そこからいいチームのリズムをつくっていければいいなと思っています。
――チームに合流して、最初に感じた印象は
最初は、僕は緊張しいなので、めちゃくちゃ緊張したんですけど。体育館で練習するじゃないですか。この場所にも僕はちょっと緊張しちゃうので、最初はめちゃくちゃ緊張してやっていたんですけど、徐々に慣れてきて。みんな話しやすい感じで話してくれるので、そこにも慣れて。最初はもう緊張しました。
――新しい環境で、不安や戸惑いは
プレーの面は、もうやるしかないというところが念頭にあったので。最初は他の人と比べて下の方からのスタートになってくるので。B2とBプレミアでは試合のテンポも違いますし、フィジカルのところも違うし、そこのペースに合わせてやっていくというところももちろんそうですし。
普段のプライベートの、住むところや場所については、僕も移籍が割と多いので、そこまで(気にしていなくて)。その地域にまた住めるなら、それはそれで楽しんだらいいかなぐらいのメンタルで。家族もついてきてくれるので、それが一番の支えかなと。

――アレイオンズ安城に在籍していた頃との違いは
あの頃は実業団で、リーグも最初の頃はNBDLで、最後の方はB3でやっていたんですけど、仕事が第一という考え方でやっていたので、普通に朝8時半から5時半まで働いて、その後からバスケットをやるという感じでした。今はすべてをバスケットに向けるという意味合いで、バスケットボールに対する重みも変わってきますし、考え方も10年前の自分と比べたら、だいぶバスケットボール選手っぽい考え方になっているんじゃないかなと思いますけどね。さすがに10年やってきたので(笑)。
例えば、サラリーマン時代は食事なんかも全然気にしていなかったし、練習が終わってご飯を食べるのも夜11時とか。どうしても体のコンディション的なところはなかなか難しいところがあったんですけど、正直そこまで気にしていなかったので。食べたいものを食べて、みたいな感じだったので、結構太っていたんですけど、今はだいぶ痩せまして(笑)。コンディションなども、プロの選手だとフォーカスしてやれるじゃないですか。朝ご飯もそうですし、お昼ご飯もそうですし、夜ご飯も。パフォーマンスに関わってくるので、その大切さをプロの中で感じて、やる必要があるなと感じて。いろいろ違うんですけど、簡単に言ったらそういうところも変わってきたなと。
――プロのキャリアの中で、今回の移籍にはどんな意味があるか
僕も今年で35歳になるというところで、ここからまた新しい環境で始めて、しかもB2からBプレミアに上がってのチャレンジになるなというのは、自分の中でもすごく感じていまして。ここで自分がどうやるかが一番大事かなと。プレースタイル的に、ボールを持って自分でドライブに行って、何かをクリエイトしてというプレーヤーではないので。ただ、自分が出たタイミングで、チームのためにその時間で何をやり切れるかというところが一番大事だなと思っているので、このシーズンでしっかり体現していくことが僕の仕事なのかなと。
新体制の練習は「めちゃくちゃハード」も「集中力を持ってやれている」
――安齋HC、佐々AHC、柏木アシスタントコーチ(AC)の指導の印象は
いいこともストレートにいいと言ってくれるし、悪いこともすごくストレートに「いや、それはもう悪い」と言ってくれるから、逆に僕は分かりやすいなと思いますね。明確にしてくれるので、「じゃあ、これはダメなんだ」と。ストレートにコミュニケーションを取ってくれるので、僕はすごくやりやすいですし、理解しやすいかな。
――練習の強度は
三河に来て、いい練習強度でやれているなというのは感じます。ただ“しんどい”ではなくて、集中力を持ってやれているというか。コーチが練習前にミーティングしたことに対して、選手がすぐにリアクションできていますし、いい集中力を持って、なおかつ、いい強度で、膝に手をつくぐらい練習もしっかりやれているので(笑)。
この時期は練習がすごく大事なので。週末に試合もない今の時期でしか積み上げられないものも絶対にあるので、いい練習ができているなと思います。
――これまで在籍したチームと比べて
めちゃくちゃハードですよ。夏の時期、僕が合流して最初の1カ月などはめちゃくちゃきつかったですけど、そのおかげで、今はテンポなどで苦労はしないですし、フィジカル的なところも上がってきていますし。最初の1カ月はもう絶対苦労すると思っていたので。夏の合流、オフ明けの合流なので、絶対に練習もしんどいと分かっていました。でも、そこを積み上げて積み上げて、コンディションもつくっていくというところなので、しっかりやり切った1、2カ月前の自分を褒めてあげたいです。でも、しんどいのはしんどいですけど(笑)。
――チームに加入してから仲の良い選手は
どの選手と仲がいいだろうな……。僕はあまり個人的にご飯などに行かないタイプなので。練習前や準備しているときも、普通にみんなと雑談ぐらいは全然するんですけど、「こいつとよく一緒に飯に行ってます」というのは別に……あまりないです。
アイシン時代は別のチームで……要は自由だったので。試合が終わってから、みんなでご飯を食べに行くぞ、みたいな。今はもう、試合が終わったらリカバリーファーストです。
――新チームで印象に残っている出来事は
印象に残っているというか、1つ面白かったのは、チームの新体制発表会があったじゃないですか。今年のチームのテーマが「ZABOOM」なんですけど、あそこで柏木さんの「バイーン」が「ZABOOM」を食ってしまったというところが個人的に面白かったですね。多分あの場では、「ザブーン」より「バイーン」の方が言っていた回数が多かったので。今年の新チームの雰囲気がいいなというのは、十分伝わったかなという感じです。

「最後は勝って、皆さんで一緒に喜んで帰りたい」
――今季からオン・ザ・コート・フリーとなるが
チームによって色が出ると思います。対応してくるチームがあれば、変わらずオン2、オン3ぐらいで抑えるチームも出てくるとは思うんですけど、オン・ザ・コート・フリーで、オン4で戦ってくる相手とやったときに、やられることもあると思うんですよ。一番大事なのは、そこで下を向かずにすぐ切り替えること。バスケは切り替えのスポーツなので、試合の40分の間に下を向いている時間は1秒もないと思うので。逆に外国人相手だからできるプレーというのがあると思いますし、そこはみんながそれぞれの強みを出しながら戦っていけたらいいかなと。
――開幕からアウェーが続き、ホーム開幕はまだ先になる
ホーム開催がすごく楽しみです。最初の1カ月、頑張ります!
――三河ブースターの印象は
会場でも分かりやすく青を着てくれていて、声もすごく出してくれて。団結力のあるブースターたちが、自分たちの後ろで一緒に戦ってくれているというのは、僕らの強みになる部分だと思っているので。今シーズンを通して、皆さんが僕らの勝つ姿を見に来てくださっているというのも分かっているので、いろいろな試合の内容があると思うんですけど、最後は勝って、皆さんで一緒に喜んで帰りたいなというのはすごく思っています。
――最後に、今シーズンの目標とブースターへのメッセージを
今シーズンはヘッドコーチも変わって、選手も何人か変わって、昨シーズンとは違う三河になってくると思うんですよ。その中で、初めからうまくいくのか、途中で苦労する時も出てくるとは思うんですけど、そこをチーム一つになって戦い抜いていく必要があると思うので。チームの最終目標が「優勝」というところがある以上、流れがいい時も悪い時もチームとしてまとまって最後まで戦い抜けるように、僕も少しでも力になって戦い抜いていこうと思っています。
新しいリーグになって、ナイトゲームが増えたりと、選手からも「どうなるんだろうね」という声があって、僕も実際にそう思っていて。見に来てくださる方の負担ももちろん増えますし。でも、そこで皆さんの応援があるから、僕らもコートで今まで以上の力を出すことができるし、ブースターあってのチーム、チームあってのブースターで、お互いになくてはならないものだと思っています。少しでも多くの方に会場に足を運んでいただいて、見ていただいて、応援していただいて、その中で僕らが見てくださった皆さんに、いい熱量、いいエナジーで、「バスケットの試合を見に行って、今日は楽しかったな」と思ってもらえるように頑張っていきたいと思っていますので、今シーズンも熱い声援(青援)をよろしくお願いします。

(榊原かよこ)
