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東京サンロッカーズ松岡亮太GM「心を揺さぶる体験を」 ショーン・デニスHC体制1季目に意気込み



 昨シーズン、25勝35敗でB1東地区8位に終わり、チャンピオンシップ(CS)進出を逃したサンロッカーズ渋谷。新リーグ「Bプレミア」に参入する今シーズンは、クラブ名を東京サンロッカーズへと改め、ロゴも刷新。名古屋ダイヤモンドドルフィンズを過去5シーズン率いた名将ショーン・デニス氏を新ヘッドコーチに招へいし、初開催となったBリーグドラフトにて1巡目1位で獲得した山﨑一渉らも新たに加わり、新シーズンへの体制は整った。新しくなったチームでBプレミア初年度をどう戦うのか。編成を担う松岡亮太ゼネラルマネジャー(GM)に、その展望を聞いた。



練習で汗を流す東京SRの選手たち©Basketball News 2for1


苦戦の昨季「自分たちのバスケットがあやふやに」



――まず、昨シーズンはどんなシーズンだったか



このクラブにとっては90周年という、メモリアルな年でしたし、今のBリーグとして最後の年に、青山学院記念館でなんとかプレーオフをやりたいという思いもありました。みんながいろいろな思いを持ってやったのですが、クラブにとっても僕自身にとっても、おそらくキャリアの中で一番難しい一年だったというのが率直なところです。



一貫して「これがサンロッカーズのバスケットだ」というものが最後まで定着しきれなかったことが、僕には一番厳しく、課題だったと思っています。



――描いていた構想と、現実にギャップがあったのか



シーズン中も含めて、どうにかリカバリーしていこうというところではありました。ただ、根本的に、自分たちがどういうバスケットをしたいのか、というところですよね。どのチームもそれぞれカラーがあって、60試合60勝できるチームはない中で、自分たちのバスケットをやって、それでも勝てるかどうか分からない。そういう中で自分たちのバスケットがあやふやになりつつ、そのまま進んでいってしまったので、そこが一番難しかったと思っています。



昨シーズンは初のドラフトも開催された。まず1位指名権を引き当てたときの心境は



本当に「まさか」と思いました。順番に下から発表されていって、最初は話半分くらいで見ていたのですが、10位くらいまで来て「そういえば、まだ呼ばれていないな」と。5位くらいでそわそわし出して、「おや」となって。1位になったときは、うれしさもありましたが、驚きのほうが強くて、「どうしよう」というのがあったと思います。



――1位指名権を得てから山﨑の指名を決めるまでは、どういう過程だったのか



一つは、サラリーのことが新しく設定された中で、どの選手が一番いいのか。チームのコンセプトということもありますし、どういう選手がいいのかということもある。リーグとしても初めてのドラフトの1巡目1位ということもあり、いろいろな側面があったと思います。最終的に僕たちが一番落ち着いたのは、せっかく1位指名権を取らせてもらったので、その年に一番可能性のある選手を取りに行く、ということでした。シンプルに、それが一番だと思ったので。時間もかかりましたし、最後まで本当にどうしようかというのもありましたが、そういう形で決めていきました。



ドラフト1位指名の山﨑一渉©Basketball News 2for1


デニスHCとアイデンティティー確立目指す



――今シーズンは編成も大きく変わった。まずショーン・デニスHCの印象と、新ヘッドコーチに選んだ理由は



外から見ていて、ショーンさんの名古屋でのバスケットも見て、まずはコンセプトがしっかりしていると思いました。「ドルフィンズといえばこれだ」というものが明確にあって。バスケット的には、そこが去年うちの崩れかけていた部分です。もともと本来このクラブが良かったときなど、いろいろなことを振り返ったときに、アップテンポで展開の早い、ポゼッションの多いバスケットはサンロッカーズにももともとあったものですので、バスケット的にはそこが一つありました。



ただ、それ以外の部分のほうが、どちらかというと僕にとっては大きかった。先ほどお話ししたように、サンロッカーズのやりたいバスケットやコンセプトがうやむやになってしまった去年があり、僕たちがどの道を行くのかとなったときに、もう一度「サンロッカーズはこういうバスケットだ」というものをしっかり確立しないといけないと思っています。



チームの文化をつくる、チームとしてのコンセプトを持つという話をショーンさんとしたときに、フィーリングもそうですし、考え方が僕と似ている、近いものがありました。そこが一番大きかったので、このチームが大きく変わっていく中で、本当にこのチームを託せるのはショーンさんだと思いました。



――今シーズンの選手編成の意図は



その流れを汲んでいる選手というところが大事だと思っていましたし、うちはこの何年か慌ただしく、うまく落ち着かないところがありました。多くの選手が戻ってきてくれたことは、本当に大きいと思っています。



そこに、もちろん一渉(山﨑)もそうですし、今回で言えば岩手から山際爽吾が来てくれたり、新しい外国籍選手が来てくれたりしました。彼らにも話をしたのですが、うちはもちろん勝ちたいですし、勝たないといけない、本当にプレーオフを目指してやらないといけないというバスケットの部分と、一方でこれからもう一度、サンロッカーズのバスケットを確立させていくことをやらないといけない。その両方のチャレンジがうちにはあると思っています。そういう話をしたときに、彼らが両方にコミットしてくれたのは非常に大きかったと思っています。



今季から指揮を執るショーン・デニスHC(右)©Basketball News 2for1


Bプレミアのルール変更「サラリーキャップは難しい」



――今シーズンからはBプレミアという新しいリーグになる。特にオン・ザ・コート・フリーのルールが編成に大きく影響したと思うが



ジョシュを入れて外国籍4人で、その4人が40分出ることは正直ないと思っています。オン・ザ・コート4の時間が40分の中でどこまであるかは、これからやってみないと分からないと思っています。もちろんゲームの中で局面、局面ではあると思いますが、オン・ザ・コート4の時間がそれほど多いわけではない気もしていて。となったときに、誰が出ても同じという組み合わせというか、全員がある程度複数のポジションに出られて、日本人選手も含めてどの選手が出てもある程度やれるというところが大事ではないかと思いました。



ですので、ほかの外国籍選手も含めて、ジョシュも4番、5番の両方ができますし、ドンテも去年の途中から4番をやり出して、という形でやれる。そうした多様性のある選手たちが来てくれたのは、一つ大きかったのではないかと思っています。蓋を開けてみないと僕らも分かりませんが、そこは非常に大事だと思っています。



――サラリーキャップの設定も大きな変更点となる。外国籍選手との交渉や金額面、円安の影響もある。その辺りの難しさは



うちに限らず、ほかのクラブもサラリーキャップのところはいろいろとマネジメントされていると思います。本当にいろいろなことを、選手にも理解してもらわないといけない部分が出てきますし。サラリーキャップのところは難しいですね。本当にやってみないと分かりません。



ただ、8億円という一つのラインがある中で、シーズン中の選手のアクシデントなども、みんなが想定しておかないといけない。それに対して、戦略的に開幕前の段階で、どこまでそこに使う比重を置くのか、バッファをどう取るのかという話も、今はまだ分かりません。どこがどれくらい使っているかも含めて、1年経ったときにどうなるのかで変わりそうな気がしています。あと1、2年経って、選手の年俸のレンジがある程度公開されたりしてくると、また変わると思っています。



編成の意図について語る松岡GM©Basketball News 2for1


「CSのその上へ」覚悟を持って挑むシーズン



――新シーズンへの意気込みや目指す姿は



先ほどもお話ししましたが、まず「サンロッカーズのバスケットはこうだ」というところ。僕たちは心を揺さぶる体験を届け続けるという中で、特に東京という土地では、まだまだ新しくバスケットを見に来る人たちも多い。見ていて楽しいバスケット、これはショーンさんも言っていましたが、見ていて楽しいバスケットをしないといけないと思っています。自分たちがディフェンスから走ってアップテンポなバスケットをするというところを、僕たちは根付かせないといけない。



その上で、勝った負けたにはいろいろな要素が出てくると思いますが、クラブも変わって、新しいコミュニティやお客さんも増えてくると思うので、僕たちはまず本当に内容のいいバスケットをする。その上で、もちろんCSというのはみんなが言うと思いますので、しっかりそこの結果と両方を追い求めていって、その先の5月になったときに、自分たちがどういう終わり方をしているか。それが非常に大事だと思っています。どのようにシーズンが進んでいくにしても、コーチもスタッフも選手も僕たちも含めて、ある程度自分たちが描いていることをしっかりプロセスを踏んでいって、終わったときにみんながやりきったと思えるのが、一番大事だと思っています。



もしかしたら次元の低い話かもしれませんが、一つのシーズンを終えたときに、みんなでこれをやりきった、その上で結果がこうだった、というのが、クラブにとっても個人にとってもつながっていくと思います。そういう意味では、強い覚悟を持って帰ってきている、特に去年から帰ってきている選手たちはいろいろな悔しさがあると思いますし、僕も含めてみんな強い覚悟を持って集まりました。一つでも多く勝って、もちろん勝つことが一番だと思いますし、最後までCSに行って、その上というところを忘れず、サンロッカーズとして、皆さんに応援されるバスケット、応援したくなるチームにしていきたいと思っています。



新シーズンに向けて練習を重ねる©Basketball News 2for1


(滝澤俊之)


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