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「責任を全うしないといけない」岸本隆一がファイナル2戦で語った“覚悟と反省” 1勝1敗に戻された琉球ゴールデンキングスは第3戦へ


 Bリーグ1部(B1)は24日、横浜アリーナでチャンピオンシップ(CS)ファイナル第2戦を行い、西地区1位の長崎ヴェルカが西地区3位の琉球ゴールデンキングスに66-60で勝利した。対戦成績は1勝1敗のタイとなり、Bリーグ創設10年目の節目の王者を決める頂上決戦は、26日午後7時5分ティップオフの最終第3戦に委ねられた。

 追い付かれた形の琉球だが、レギュラーシーズンの平均得点がリーグ1位の91.2点だった長崎を相手に、ここまでの2試合はいずれも失点を60点台に抑えている。強固なディフェンスに加え、オフェンスでも試合ごとに8〜9人が得点を記録し、高い組織力を発揮している。

 そんなチームにあって、存在感が際立つのが、生え抜き14シーズン目の岸本隆一だ。チーム最年長の36歳。ここまでの2試合で口にした言葉からは、チームを3シーズンぶりの王者に導くための強い覚悟がうかがえた。

チームをけん引する岸本(中央)©Basketball News 2for1

昨季は負傷欠場…「特別な感情」持ちながらプレー

 ファイナル第1戦、試合時間残り7.1秒。スコアは68-66で琉球リード。アリーナを包む緊迫感が最高潮に達する中、岸本がフリースローラインに立った。ボードの向こうでは、長崎ブースターが強烈なブーイングを発している。フロアに視線を落とし、集中力を高めていった。

 「シーズンを通して見たときに、僕が責任を全うしないといけないという思いがありました」

 放ったシュートはリングを2度叩き、円の中央にスポッと吸い込まれていった。もう一本。若干横にずれたが、今度もリングに当てながらねじ込み、すかさず長崎がタイムアウトを請求した。

 両手でガッツポーズを作り、顔面に押し当てながら喜びを噛み締める岸本。佐々宜央アソシエイトヘッドコーチや選手らが吠えてベンチから飛び出し、頼りになるベテランを盛大に迎えた。

 この2本のフリースローを含め、試合時間残り約30秒でヴィック・ローアレックス・カークが絡んでオフェンスリバウンドを奪取したり、フリーになったローがボールを保持して時計を進めたりと、試合巧者ぶりを発揮して初戦を71-69で制した琉球。このゲームクロージングの評価を岸本に聞くと、先述のコメントも含め、チームの大黒柱として強い決意をにじませた。

「運の要素がありながらも、ヴィックやジャック(クーリー)、アレックスなど各選手が、結果的にリバウンドを取れない時もゴール下に行き続けたことが、最後自分たちにボールが転がってくるシチュエーションにつながったと思っています。その後のフリースローは、シーズンを通して見た時に、僕が責任を全うしないといけない気持ちがありました。ヴィックがそれを感じ取ってパスをしてくれたのかなと思います。明日もそういうシチュエーションがあれば、しっかり責任を果たしたいと思います」

 追い上げられた第3クォーターでは、綻びが見えていたディフェンスを立て直すためにチームに声掛けをしたという。

「うまくいかなかったオフェンスに対して、必要以上にディフェンスまで引っ張られた印象がありました。もう一回、自分たちのコンセプトを確認しようと伝えました。それさえやっていれば、結果がどうなるにせよ、自分たちが納得できる展開に持っていける。そこは、自分の役割として言いました」

 普段から口数が多いタイプのリーダーではない。それでも、大一番では的確な言葉でチームを鼓舞する。5シーズン連続でファイナルに進出した琉球を中心で引っ張ってきたからこそ、勝負どころの勘が養われているのだろう。

 もっとも、岸本にとっては2年ぶりに戻ってきた大舞台でもある。昨季はレギュラーシーズン最終盤に負傷離脱し、CSを全て欠場した。

 その分、「もちろん特別な感情はあります」と言う。一方で、「これと言って、特別なプレーをしようという気持ちは全くなく、試合の中で必要なプレーができるようにしたいという思いです。まだ1勝なので、しっかり切り替えて第2戦を戦いたいと思います」と次戦を見据えていた。

第1戦後、記者会見で話す岸本©Basketball News 2for1

「大振りしすぎたかなと」第2戦、逆転にあと一歩届かず

 琉球は前日の勢いそのままに、第2戦を9-0のランで入った。しかし、長崎がスイッチやハードショウを駆使してディフェンスの強度を高めると、武器のペイントアタックが思うように機能せず、オフェンスが停滞。前半を29-31で折り返した。

 迎えた第3クォーター。開始2分弱で岸本が個人4つ目のファウルを吹かれてベンチに下がると、さらにオフェンスのリズムが崩れて一気に突き放された。最大17点差をつけられた第4クォーター中盤からオールコートプレスを仕掛けて徐々に追い上げ、残り約1分で6点差まで詰め寄った。だが、勝負どころで岸本らが3ポイントシュートを決め切れず、あと一歩、逆転には届かなかった。

 第1戦で30点を記録した「ペイントエリア内での得点」を20点に抑え込まれ、インサイドの強みを発揮させてもらえなかった琉球。試合後、岸本も長崎のディフェンスに苦しんだことを敗因に挙げた。

「長崎のパフォーマンスが素晴らしく、単純に自分たちの力が及ばなかったと思います。長崎のディフェンスに対して、自分たちが試合を通してきれいな答えを出せなかった。エナジーとか遂行力という言葉を使うのは簡単ですが、より良くプレーできる部分だと思うので、もう一回ビデオを見て打開策を探していければなと思っています」

 最終盤に猛追した時間帯はスティールやフリースローなどで存在感を発揮した。チームとしても最後まで諦めずに逆転の芽を探し続け、「今日しか見に来ることができない方もいると思うので、僕らは『次があるからいいや』というような試合はできません。僕たちがなぜこういう場に立ってるのかを再確認できるような展開になったのは良かったと思います」と振り返る。

 一方、自身はオフェンスの早い段階でディープスリーを放ち、決め切れないポゼッションもあった。それを念頭に、自らの状況判断に反省も口にした。

「今振り返っても、少し大振りしすぎたかなと思っています。一本一本のシュートが入っていれば展開は大きく変わっていたと思いますが、僕たちがああいう展開で逆転できた試合は、もっと地道に2点を取りにいっていた試合が多かった。そこはすごく反省しています。第3戦がどうなるか分かりませんが、そういったシチュエーションがあれば、次に生かしていきたいです」

第2戦、終盤に追い上げるもあと一歩及ばなかった©Basketball News 2for1

「このメンバーでもう一回試合ができる」

 2022-23シーズンでBリーグ初優勝を達成したが、直近2シーズンのファイナルはいずれも1勝2敗で涙を飲んだ琉球。戦績をタイに戻され、岸本は「『甘くないよな』というのは、純粋に思いました」と率直に語る。

 ただ、東アジアスーパーリーグ(EASL)、天皇杯も含め、長かったシーズンは泣いても笑っても、あと1試合のみ。

「このメンバーでもう一回試合ができると思えば、自分たちだけでなく、見ている方も楽しみにしてくれると思います。もう一回みんなで、こういう素晴らしい舞台で試合ができるというマインドセットを持って、次の試合に臨めたらいいなと思います」と語り、ポジティブな思考で第3戦に臨む。

2度目の頂点を目指し、第3戦へと挑む©Basketball News 2for1

(長嶺真輝)

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