Bリーグ2部(B2)は17日から19日にかけて各地レギュラーシーズンの第31節が行われ、東地区首位の信州ブレイブウォリアーズはホームのエア・ウォーターアリーナ松本で西地区2位の愛媛オレンジバイキングスと対戦。18日の第1戦を91-58、19日の第2戦を109-57で勝利し、6年ぶり3度目の地区優勝を果たした。
両日ともにロスター全員が出場機会を得て、第2戦ではロスター全員が得点を記録するなど、まさにチーム全員でつかんだ東地区優勝となった。
序盤から相手を圧倒 小栗&ドンリーが躍動
2戦ともに大勝でレギュラーシーズンのホーム戦を締めくくった信州。第1戦では小栗瑛哉が開始から2分30秒間で10得点を記録すると、マイク・ダウムやエリエット・ドンリー、横山悠人、土家大輝も次々と3ポイントシュートを沈めるなど、好スタートを切った。
第2戦でも集中力や強度は変わらず、スターティングメンバーが流れをつかむと、その後も主導権を握り続け、第2クォーター(Q)以降は愛媛を引き離す展開に。その結果、後半からはウェイン・マーシャルら主力選手を休ませることに成功し、普段はプレータイムの少ない若手の出場機会にもつながった。
若手選手たちをけん引する司令塔として、小栗とドンリーの活躍が光った。オフェンスでは自ら得点する場面もあれば、ドライブやパスを用いて味方にアシストする場面もあり、ディフェンスでは前線からプレッシャーをかけ続ける。
第1戦後の記者会見には小栗とドンリーが同時に登場し、お互いのパフォーマンスやチームへの思いなどを語った。
「責任と自覚を持って出ているつもりではいます。良かったり、良くなかったりがあって、そこはもっともっと先頭に立って良くしていかないといけないと思っています。本当にエリー(ドンリー)が一緒に出てくれることによって、良いハンドラーでもありますし、良いシューターでもあるので、僕がだめな時にエリーにパスを渡したら打開してくれます。信頼していつもエリーのためのセットプレーをしますが、何でもしてくれる何でも屋だと思っているので、そこはすごく熱い信頼を置いてプレーさせてもらっているし、一緒に出ていて心強い存在です」(小栗)

「お互いに同じ感じなんですよね。 ポイントガードとしても、ディフェンスのところでも、前から当たってプレッシャーでトーンをセットする選手が本当に必要なので、瑛哉はそういうのが本当に上手いと思う。判断も良いし、シュート力もある。お互いにスタメンで出ていて、責任はあるし。2人がハンドラーとして出ていて、1つでももったいないポゼッションをしないように、2人が責任を持ちたいという思いで入っていますね。ディフェンスでトーンをセットできる選手がいて瑛には感謝しています」(ドンリー)
コート内の相性の良さを、そのまま示しているかのようなやり取りだった。
特にドンリーは両日ともに出場時間帯におけるチームの得失点差を示す「+/-(プラス・マイナス)」でチーム最多を記録。ここまで平均9.4得点、3ポイントシュート成功率39.0%を記録するなど、大きな成長を見せており、今シーズンのチームのMVPにも選ばれた。
チーム加入時からドンリーのポテンシャルの高さを評価していた勝久マイケルヘッドコーチ(HC)は「彼が来てからの数シーズン、彼のベストを引き出すことができていないシーズンが続いてからの、やっと今、それをしっかりものにしてくれた。MVPを取ったのはその証です」と誇らしげに振り返った。

勝久HC「特別なこのグループで優勝してさらなる喜びを」
レギュラーシーズンも残すところ25日と26日に行われる福井ブローウィンズ戦のみとなった。地区優勝を決めたチームについて勝久HCは「一番欲しいのはリーグ優勝」と前置きをしながらも、こう思いを語った。
「特別なグループが毎日ハードワークしてくれている中で、彼らがそれを(地区優勝)初めて喜べる選手もいると思うので、うれしいです。ブースターの皆さんのことを思っても、最近は辛い思いの方が多かったシーズンが続いたので、皆さんの前で地区優勝できたこともうれしかったです」
過去2シーズンはB1からの降格や、B2で優勝を逃すなど、涙を飲んでいた信州。現行のBリーグとして最後のシーズンを迎えた今季は、新加入選手が多い中でも開幕から好スタートを切り、徐々にチーム力を高めていった。けが人が続出するなど厳しい状況でも下を向かず、長い連敗を重ねることもなかった。コーチ陣の修正力や、チームの遂行力が光ったレギュラーシーズンとなったが、勝久HCにここまでの日々成長をどのように感じているのだろうか。
「1日目から絶対つながってプレーできるし、日々成長できる特別なグループだと分かっていました。そのプロセスを後押ししようとする中で、当然シーズンにはいろんなことがありました。とても楽しみな気持ちにさせる開幕4連勝から、けが人が重なって最後コートに立てるのは5人だけみたいな福島戦(11月15日、16日)。あの時期の4連敗を我慢して乗り越えて、今季も青森ワッツ戦でヒーローみたいに(渡邉)飛勇が代表から飛んできてくれて、そこから連勝が始まりました。
けが人がいてもチームとして成長を積み重ねることできて、大事な大事なアウェイの福島戦(1月3日、4日)で2連勝していなかったら今はないと思う。そういうビッグゲームをしっかりと勝ち取ることができました。
本当に今シーズン、いろんなことがある中で、つながっていることはずっと継続していて、同じ方向を向いていることもずっと継続していて、誰かが抜けても誰かがステップアップして、成長を続けている本当に特別なグループ。スタッフもそうです。なので、このグループでどうしても優勝して、さらなる喜びと一生の思い出と、一生誇らしく思えることをみんなにあげたいなと思います」

チームのキャプテンであるマーシャルも、チームのつながりの強さについてこう話した。
「今季のチームは、多くの選手がコミュニケーションを積極的に自分から取ろうとする姿勢がある選手が多いと思っています。 例えば誰か2人がコミュニケーションを始めた時に、それがドミノのように他の人にも伝染していく。 それでチームとして全員でコミュニケーションを取れるようになる。そういう現象が今季のチームには起こっています」
チーム内のコミュニケーションの中心を担う小玉も「コーチだけが僕らに指示を出すのではなくて、(選手同士も)すごく良い関係性が築けているので、それをさらに築いていければいいなと思っています」と語り、プレーオフ(PO)での戦いを見据える。
正しい成長を続けて、東地区チャンピオンに輝いた信州ブレイブウォリアーズ。しかし、チームにとってあくまで通過点であり、目指すはB2制覇だ。レギュラーシーズン最後の戦いは、PO準々決勝での対戦が決まっている福井。有終の美を達成するべく、まずは福井戦を連勝で締めくくりたい。

(芋川史貴)
