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ともに今季最少得点を記録した「長崎ヴェルカvs琉球ゴールデンキングス」…高い攻撃力を誇る両軍が証明した“DF修正力”の高さ


 チャンピオンシップ(CS)進出圏内にいるチームが相次いで黒星を喫し、波乱の多かった3月14、15日のB1第26節。中でも見応えのある連戦となったカードの一つが、沖縄サントリーアリーナで行われた長崎ヴェルカ(西地区1位)と琉球ゴールデンキングス(同4位)の上位勢による直接対決だ。

 第1戦はホームの大声援を背にした琉球が95-81で先勝。長崎がチーム最高身長のアキル・ミッチェルをコンディション調整で欠く中、琉球がリバウンド数で41本対18本と圧倒し、29得点10リバウンド5アシストを記録したヴィック・ローを中心に得点を重ねて快勝した。

 欠場が続く川真田紘也も含めてビッグマン不足に陥った長崎だったが、一夜でディフェンスとリバウンドを修正し、2戦目を68-58のロースコアゲームで制した。チーム最長の38分30秒にわたってコートに立った熊谷航をはじめ、先発の5人がいずれも36分超の出場時間を記録する意地の勝利だった。

 オフェンシブレーティングは長崎が3位、琉球が8位につけ、いずれも高い攻撃力を誇る。長崎は3ポイントシュート成功率とファストブレイクポイントがリーグトップ、琉球は平均リバウンド数が2位でセカンドチャンスポイントが1位。際立った個性も相手チームに脅威を生む。

 ただ、2戦目のスコアが両チームとも今シーズン最少得点となるなど、この2連戦は相手の強みを消すディフェンスが大きい見どころとなった。試合内容から浮かび上がったのは、長崎と琉球のディフェンス修正力の高さである。

「マッチアップ確認しろ!」三河戦から琉球が改善したこと

「マッチアップ確認しろ!」

 1戦目の試合中、このカードのスカウティングを担当したという琉球の佐々宜央アソシエイトヘッドコーチが何度もベンチから大声を張り上げた。長崎が素早いトランジションから速攻を仕掛けるたび、立ち上がって両手を横に大きく広げる。それに呼応するように、選手たちはマークマンを即座につかまえ、前半は長崎のファストブレイクポイントをゼロに抑えた。

 リバウンドを制してポゼッションゲームで優位に立ったことに加え、速い展開を封じたことも勝因の一つだろう。桶谷大ヘッドコーチ(HC)は選手たちの遂行力の高さに満足げだった。

「前日のウォークスルーでは、いつもなら相手のプレーセットを覚えることに最も時間を使いますが、今回はトランジションの守り方、平面のアタックをどう守るかを一番強調しました。みんなが意識して取り組めたと思います」

 3日前にあったシーホース三河戦では相手のトランジションに対する反応が遅く、簡単な得点を許す場面もあった。桶谷HCは「lazy(怠慢な)」と厳しく指摘したため、選手たちも修正に向けて強い決意があったはずだ。

 もうひとつ、三河戦から改善した部分がある。ディフェンスのローテーションである。

 ファイブアウトでドライブからキックアウトしたり、オフボールスクリーンを多用したりして巧みにオープンショットを作り出す長崎に対し、素早いクローズアウトやスイッチで目まぐるしくマークマンを変えながら対応した琉球。三河戦ではポジショニングの悪さや連動のエラーも見られていた。

 指揮官は「ウィークサイドにボールが飛んで3ポイントシュートを決められた場面もありましたが、試合中に『最後までローテーションしていこう』と話した際、選手たちもしっかり自覚して遂行しようとしていました。今日はエラーが少なかったと思います」と語り、この点についても改善を実感したようだった。

 スキルが高い選手がそろう長崎に対し、1対1のシチュエーションでも一人ひとりが体を張ってプレッシャーを与え続けた。スタンリー・ジョンソンとマッチアップしたローは「バスケはディフェンスが全てです。長崎はスタンリー・ジョンソン、イ・ヒョンジュン、ジャレル・ブラントリーの3人がオフェンスの中心になると思っていて、最終的には1on1でどう守れるかが重要だったので、そこを遂行することができました」と振り返った。

試合中に声を張る琉球の佐々宜央AHC(中央)©Basketball News 2for1

向かい合った「二人の14番」ジョンソンがついた相手は…

 長崎にとっては、負ければ西地区首位から陥落する可能性があった2戦目。前日からマッチアップを変更し、琉球に揺さぶりをかけた。高い機動力と強じんなフィジカルで1対1のディフェンス力が高いジョンソンが、同じ14番を背負う岸本隆一についたのだ。

 琉球の最も大きなオフェンスの起点を抑え、相手のリズムを崩して全クォーターで失点を10点台に抑えた長崎。モーディ・マオールHC「琉球は非常にオフェンスの作り方がうまいので、相手が作りたいところをしっかり阻止できたことは非常に良かったと思います」と戦術面に手応えを語った。

 岸本に対してはジョンソンのほか、馬場雄大や熊谷などタイプの異なるディフェンダーが代わる代わるついて圧をかけ続けた。指揮官はこうも振り返った。

「岸本は素晴らしい選手なので、彼が乗っている時は琉球がチームとしても勢いに乗っている時だと思います。ただ、自分たちにはいろんな方法で、いろんな選手が彼のような選手を守れると思います。誰か一人がずっとついてたら彼も慣れてしまうので、いろんな選手にマークさせるのが大事だと考えていました」

長崎との対戦を1勝1敗で終えた琉球©Basketball News 2for1

 1戦目とは異なり、リバウンド数で34本対39本とほぼ互角に渡り合ったことも勝因になった。ミッチェルが不在の中、前日に比べてブラントリーらがショウディフェンスに出る度合いを抑え、よりディフェンスリバウンドに入りやすい守り方に変えたことが功を奏した。

 マオールHCは「一番大事だったリバウンドをしっかりコントロールできました。琉球は5番ポジションの選手が強いので、全員が高い集中力で戦えたことは非常に良かったです」と評価した。

 少ない人数でのローテーションでフィジカルな戦いを貫き、ブラントリーは「together(一緒に)」という言葉を掲げながら戦っていたことを明かした。その上で「自分たちには個々の高いスキルがある。それに加え、40分間全員が一体となってプレーしようとチームメイトに伝えていました」と語った。

 レギュラーシーズンが佳境に入ったB1。CS進出争いが激化する中で、1戦ごとの重要性はより高まっている。混戦を勝ち抜くためには、長崎と琉球が見せたような試合ごとでのディフェンス修正が、上位をキープするうえでますます重みを増していくはずだ。

ハドルを組む長崎©Basketball News 2for1

(長嶺真輝)

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