【ヤンゴンAFP=時事】高床式の家を建てるために、竹の棒を打ち付ける──ミャンマー北部の戦闘から逃れたキリスト教徒らが、ヤンゴン郊外に安息の地をつくろうとしている。(写真はミャンマー・ヤンゴン郊外のモビ郡区で遊ぶ子どもたち)
 2018年以降、ラカイン州で続く戦闘から避難した20万人の中に彼らもいた。仏教徒が多数を占めるミャンマーでは、キリスト教徒はごく少数だ。
 ミャンマー軍は、仏教徒の少数民族ラカインの自治権拡大を求める武装組織アラカン軍との内戦状態に陥っており、死傷者は数百人に及んでいる。
 戦況は隣接するチン州にも広がり、主にキリスト教徒からなる少数民族チンは、村からの避難を迫られた。そのうち約80人は、辺境の町パレッワから600キロを超える距離を移動し昨年12月、ヤンゴン郊外のモビ郡区に落ち着いた。
 チン州で砲撃に遭ったカン・ルワットさんは、聖書に登場する町にちなみ、新しい集落は「ベイタラ(ベテル、神の家)」と名付けられたと語った。ベテルは聖書の中で、救いを求める人が逃げ込む場所となった町だ。
 外で水浴びをする大人たち。そのそばで遊ぶ子どもたち。夕暮れが近づき、食事の用意をする女性たち。皆、ベイタラの住民だ。
 カン・ルワットさんによると、ここには水道も電気もまだ通っていない。新居を建てるまでの道のりは思ったよりも長かった。資材を買うための寄付が集まるのに想像以上の時間がかかった。

■貴重な平和
 新型コロナウイルスの流行のせいで、かつて活気に満ちていたヤンゴンは不況に陥っている。チン族の人々にとっても、仕事を見つけるのが難しくなった。
 だが、銃撃や兵士の侵入を毎日恐れずに住める安全な場所があることは天の恵みだと、アウン・ファー牧師は語った。
 集落には30人ほどの子どもがいる。カン・ルワットさんは、コロナ禍が落ち着き大人が仕事をできるようになれば、子どもたちがより良い教育を受けられるようになると期待している。「たとえ私たちの人生がうまくいかなくとも、子どもたちにはより明るい未来が訪れることを願っています」 【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2021/01/28-13:10)

情報提供元:時事ドットコム ワールドアイ
記事名:「生活再建は「天の恵み」 ミャンマーのキリスト教徒ら