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逆境を乗り越えた本州進出の舞台裏 — 「ハミューレ」の強みと今後の展望 —— ハミューレ株式会社


ハミューレ株式会社の代表取締役社長である武居秀幸氏は、北海道から全国展開を進める仕事用品店「プロノ」の発展に注力してきた。母体となる同社は、靴屋から始まり、作業用品店へとシフト。武居氏のリーダーシップの下、「プロノ」は厳しい環境で働く方々のニーズに応える「イイモノ」を重視しながら、一般消費者にもアプローチを広げた。特に、農業に従事する女性向けの商品の開発に力を入れ、ニーズに特化した商品展開と店舗の全国規模での拡大を目指している。武居氏は、出店のスピードと認知度の向上を課題としつつ、独自性を持った商品開発を継続する決意を示した。

グローバル・オーシャン・ワークス株式会社
(画像=ハミューレ株式会社)
武居 秀幸 ―― ハミューレ株式会社代表取締役社長
1969年生まれ、札幌市出身。1992年に大学卒業後、都内のIT系の会社に就職。その後、1995年に父が創業したハミューレ株式会社へ入社。入社後は、社内システム基盤の構築、人事・店舗開発などの業務を担当するほか、広告「てまひま」の創刊や、店舗の出退店政策の見直しをはかるなどの改革を行う。2005年より現職。
北海道・東北地方を中心に、仕事用品店「プロノ」(全53店舗)を展開し、建設・土木業や農業・水産業など厳しい環境下で働くプロの仕事や暮らしが、より楽しくより快適になるよう「イイモノ」を追求し提供しています。販売だけでなく、自社で商品の企画・開発をおこない、既存のメーカー商品では手の届かない部分を補うなど、お客さまの真のニーズに応え困りごとを解決できる店舗を全国展開することを目指しています。

これまでの事業変遷について

——まず、これまでの事業の変遷や転換点についてお聞かせください。

武居 弊社は1975年に父が「ハミューレシューズ」という靴屋を立ち上げたのが始まりです。その後、1982年に作業用品店を開業し、職人さんが靴や作業着、工具を1箇所で揃えられる店舗を目指しました。私が社長に就任したのは2005年ですが、同じころに店名を「プロノ」に変更し、プロの職人だけでなく一般の方々にも対象を広げました。

——一般のお客さまへの展開も早い段階で始められたのですね。

武居 そうですね。2004年からは、職人さん向けの作業用品を、趣味や日常生活の中で使ってもらえるよう、一般の方々向けの広告「てまひま」を創刊したり、それまで作業用品店という印象が強かった店舗の外観や売場の変更などの店舗スタイルの改革をおこないました。2010年からは農家の方を中心とした女性へのアプローチを強化しました。当時は、作業用品店は男性向けの商品ばかりでしたが、女性のお客さまのニーズに応えることで、少しずつファンを増やしていきました。2012年には本州進出を果たし、全国展開への一歩を踏み出しました。

——最近では「ハミューレ」というアパレルショップも展開されましたね。

武居 はい、2020年に立ち上げた「機能性セレクトショップ ハミューレ」では、一般のお客さま向けの機能性アパレルを展開しました。残念ながら現在は閉店していますが、この経験を通じて一般市場のニーズを学び、それをプロノの品揃えや商品開発にも活かしています。

自社事業の強みについて

——他社にはない御社の強みについて教えてください。

武居 私たちの強みは、品質にこだわりつつも多様なニーズに応えられる商品を厳選して提供している点です。他社では同じような商品を幅広く取り扱いますが、弊社は似たような商品を良い物に絞り込んでいます。それによって、お客さまに高い満足度を提供できていると思います。

また、弊社の店舗は他社さんの店舗の2倍ほどの大きさがあり、品揃えも豊富です。農業に従事する女性のお客さま向けの商品にも力を入れています。男性向けの作業用品だけではなく、女性向けの商品もオリジナルで開発しています。

——農家の女性をターゲットにした理由は何ですか?

武居:従来の作業用品店では、農家の方、特に女性のお客さまに対応しきれていない部分がありました。それに対応しているメーカーもほとんどなかったので、サイズやデザインに関しても、女性のニーズをしっかりと反映した商品を作ることが必要だと感じたんです。

——社長就任後、売上が大きく伸びたと伺いましたが、その要因は何でしょうか?

武居 一つは、お客さま第一主義を保ちながらも、適正な利益を確保することに重点を置いたことです。以前は「お客さまにはできるだけ安く提供すべき」という考えが強すぎて、利益を上げることに罪悪感を感じていました。しかし、利益を上げることが長期的にお客さまに価値を提供するために必要だと理解し、経営方針を変えました。

ぶつかった壁やその乗り越え方

——社長就任後に直面した危機や、それをどのように乗り越えたかについて教えてください。

武居 本州進出時に大きな壁にぶつかりました。北海道では24店舗を展開していたのですが、1年半で本州に12店舗を一気に出店しました。しかし、想定の半分程度の売上しか上がらず、連続して赤字を出してしまいました。その結果、銀行の融資も止まり、資金繰りが非常に厳しくなりました。

——どうやってその危機を乗り越えたのでしょうか?

武居 まず、出店を一旦ストップし、既存店の業績が改善するのを待ちました。また、物流センターを本州から北海道に戻し、在庫を圧縮することで資金を確保しました。さらに、販売商品のラインナップを見直し、各地域のニーズに合った商品を提供するよう努めました。たとえば、東北地方では軽防寒の需要が高かったので、それに対応した商品を増やしました。地域ごとの特性を理解することで、再び業績を回復させることができました。

今後の経営・事業の展望

——今後の経営や事業展開についての展望をお聞かせください。

武居 今後は「プロノ」の全国展開を進めていきたいと考えています。特に、プロ向けの作業用品としての強みをさらに打ち出しつつ、一般の方々にも利用していただけるような商品を提供していくつもりです。最終的には、他の衣料品店などに行かなくても、働く方々が必要なものを全て揃えられるような店舗を目指しています。

——店舗展開のスピードも重要な課題ですね。

武居 そうですね。新しいエリアに出店する際には、認知度を高めるために時間がかかることがあります。プロノは他社とは異なるコンセプトなので、その魅力を理解してもらうには工夫が必要です。地道に少しずつ展開を進めていくことで、徐々に全国展開を実現していきたいと思います。

ZUU onlineユーザーへ一言

——最後に、ZUU onlineの読者へメッセージをお願いします。

武居 弊社は、作業用品というニッチな分野でありながら、プロと一般の両方のお客さまに満足していただける商品を提供しています。また、農家の方を中心とした女性のお客さまに向けた商品を取り揃えており、女性向けの広告やサービスも充実させています。これからもお客さまのニーズに応え続け、他社には真似できない独自性を持った商品開発を続けていきますので、ぜひ一度、店舗に足を運んでいただければと思います。

氏名
武居 秀幸
社名
ハミューレ株式会社
役職
代表取締役社長
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