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ITインフラストラクチャというニッチな市場に特化ーー株式会社ボードルア


特集「令和IPO企業トップに聞く ~ 経済激変時代における上場ストーリーと事業戦略」では、IPOで上場した各社のトップにインタビューを実施。コロナ禍を迎えた激動の時代に上場を果たした企業のこれまでの経緯と今後の戦略や課題について各社の取り組みを紹介する。



◯◯
(画像=株式会社ボードルア)








冨永 重寛(とみなが しげひろ)――代表取締役社長


2007年に慶應義塾大学在学中に当社設立、代表取締役社長に就任。
2021年11月に東証マザーズに株式を上場。








株式会社ボードルア


ボードルアは創業より、ITインフラストラクチャに特化した事業を展開しております。
時代のITニーズの多様化により、システムがより高度で複雑な時代にシフトしている中で
クラウドやネットワーク仮想化等の先端技術分野に注力し事業を推進しております。







ITインフラストラクチャに特化


ーーこれまでの事業変遷について、創業から上場にいたるまでの出来事をいくつかご紹介いただければと思います。


株式会社ボードルア 代表取締役社長・冨永 重寛氏(以下、社名・氏名略):ボードルアは2007年の創業です。創業時は、iPhoneの誕生や通信速度の向上など、IT分野の進化が進んだ時代であり、それに伴い、デバイス中心の様々なサービスが次々と生まれていきましたが、そのなかでも我々は、ITインフラストラクチャという地味な分野に特化した会社でした。


我々のここまでの成長は、IT市場の変遷と大きく関係しています。まず、IT市場を区切ると、大きく4から7階層に分かれていると言われています。1番上の階層にあるのがアプリケーションレイヤーで、その後ミドルウェアやインフラレイヤーが続きます。1番下にあるのが物理レイヤーで、床下の配線など工事のところです。我々は、3階層目であるITインフラストラクチャで、工事の部分を除いたITのインフラ部分を担当しています。つまり、基盤という深海に近い部分において、チョウチンアンコウのように照らしている会社であり、それが社名の由来にもなっています。



株式会社ボードルア

(画像=株式会社ボードルア)



また、これまでのITシステムはシンプルなものの集合体でした。しかし、時代とともにニーズが多様化しそれぞれの階層が複雑化した今は、例えば、AI専門の会社やデータサイエンスだけを行う会社、開発のDXだけを行う会社など、専門特化型のシステム会社が増えてきました。こうした市況の中で、我々の市場であるITインフラストラクチャにおいて専門特化型サービスの需要が増加し、ここまで成長することができています。


ーー複雑化というのは、具体的にどのような変化があったのでしょうか?


冨永:一例をあげると、技術の面で複雑さが増しております。例えばネットワークは物理的に張らなければいけなかったものが、現在ではバーチャル上に作成できるようになり、自由度が増し、より柔軟なITインフラストラクチャが組めるようになっています。これにより、実際に立ち上げるアプリケーションが求めるITインフラストラクチャのパフォーマンスに、対応できるバーチャルネットワークが主流になってきています。


ーーなるほど、ありがとうございます。


学生起業から上場への道


ーー代表が学生起業されてからされた当時から上場というのは目指されていたのでしょうか。


冨永最初は考えていませんでした。起業当初は20数名の大学時代のつながりがある仲間たちや友達の友達を集めて事業を始め、渋谷のカフェを拠点にしながら参考書を買って勉強していました。その後、7・8年かけてITインフラストラクチャの分野で成長しましたが、私含めほとんどの従業員はずっとボードルアで仕事をしてきているので、自分たちの実力や評価においても外の世界を知らないままでした。


そこで、第3者評価が得られる上場を目指しました。これまで相対的な評価しか受けてこなかったこともあり、上場することを通じてフェアであるマーケットからの第3者評価が受けられることが大事だと考えました。


また、直接金融ができることも大きなメリットだと考えています。ボードルアでは株式報酬が多く、社員向けにストックオプションを付与しています。さらに、M&Aを行う際にも株式交換を活用し、買収先のオーナーシップを一部残しています。これらの直接金融を武器にして、今後も成長していきたいと考えています。


プライム市場への挑戦


ーー今後の成長戦略について、特にM&Aやファイナンスの部分についてお聞かせいただけますでしょうか。


冨永:先日のM&Aにおける株式交換の前には自社株買いを行い、金庫株にしてから株式交換を行いました。


買収先の社長や幹部がもともと自社株を保有していたため、株式交換を利用して我々の株として間接保有できるようにし、PMIを進めやすくしました。


また現在プライム市場への上場を目指していますが、そのためには株の流通量を増やすことが必要だと考えています。ただ、我々の流通株式はプライムの基準である35%にはまだ足りていないので、この10%を埋めていくことが必要だと考えています。現在は、海外の機関投資家からの面談も増えており、プライム市場への上場を機に新たな機関投資家を巻き込んでいけるようなタイミングにしていきたいと考えています。


ーーありがとうございます。プライム市場に上がることで、さらに知名度も上がりそれが御社の強みでもある人材という点の強化にもつながるということですね。


ボールドアの強み


ーーそれでは、御社の強みや特徴について教えていただけますか?


冨永:私たちの強みは、ニッチな分野を一貫して専門としてきたことです。その一方、投資家の方から「他社ではできない技術やサービスを提供しているのか?」とよく質問されますが、正直なところ、当社固有の技術やサービスを行っているわけではありません。ただ、我々の場合は、他社とは異なる効率的なチーム編成が可能です。一般的なシステム会社では、技術が複雑化している案件に対して、ITインフラストラクチャの人材を探すのが困難になってきたことにより、チーム編成が非効率になることがあります。、我々はフレキシブルなチームを組めるため、連合軍が必要な案件もボードルア1社で対応できることがあります。また、研修も配属もITインフラストラクチャばかりの経験を積み上げていくので、平均年齢も低くなることが多いです。これはニッチな分野をこれまで突き詰めてきたからこそ、専門的な知識や技術のノウハウが蓄積できたボードルアならではの提供できる価値だと考えています。


ーーありがとうございます。


ボードルアからZUU onlineのユーザーへ??


ーーそれでは、最後にオンラインのユーザーさんへ一言いただければと思います。


冨永:我々のやっていることは、見えづらい領域ではあると思いますし、投資家の方もイメージで捉えていることが多いかもしれません。まずはイメージでいいので、事業内容や特徴等を捉えていただくのが良いかと思っています。その後にボードルアのことをご理解いただいて成長率に期待いただければ嬉しいです。また、ぜひボードルアをウォッチして、取引していただけますと幸いです。今後、今回のインタビューだけではなく、様々なIR活動を通じて、ボードルアの未来がわかるように伝えていきたいと考えていますので、ぜひそういうところも情報収集していただけると嬉しいなと考えています。


ーー本日は貴重なお話ありがとうございました。



氏名

冨永 重寛(とみなが しげひろ)

社名

株式会社ボードルア

役職

代表取締役社長

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