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月1万円の配当金を得る方法は?必要資金や利回りのシミュレーション


株式投資の配当金は、特定の銘柄を保有することで生じるリターンです。配当を出す銘柄は国内外にありますが、安定して月1万円の配当金を得るには、どのような投資先を選べばよいのでしょうか。

本記事では、月1万円の配当金を得る投資手法について、必要資金や利回りのシミュレーション結果をまとめました。投資先で悩んでいる人に向けて、国内株式や米国株式のポートフォリオ例も紹介します。
※シミュレーションについては税金を考慮していません。

月1万円の配当金を得るには500万円以上の資金が必要

東京証券取引所(以下、東証)の平均利回りを想定した場合、月1万円の配当金を得るには約540万円~850万円の資金が必要です。ただし、期待できる配当利回りによって、必要資金は以下のように変動します。

配当利回り月1万円の配当金を得る必要資金
1%1,200万円
1.41%(グロース市場の平均)851万638円
2%600万円
2.10%(プライム市場の平均)851万638円
2.22%(スタンダード市場の平均)540万5,405円
3%400万円
4%300万円
5%240万円

仮に投資資金を500万円とすると、2.4%の配当利回りが必要になります。本記事では月1万円の配当金を想定して、投資資金を固定した場合の利回りについてもシミュレーションを行いました。

投資資金配当金が月1万円になる利回り
500万円2.4%
1,000万円1.2%
2,000万円0.6%
3,000万円0.4%
5,000万円0.24%

また、毎月1万円の配当金を安定して得たい場合は、各銘柄の配当時期も意識することが重要です。

月1万円の配当金を得る必要資金はいくらか

月1万円の配当金を得るには、いくらの資金が必要になるでしょうか。以下では、国内株式の平均利回りを基準としたシミュレーション結果を紹介します。

国内株式では540万円~850万円の資金が必要

期待する配当金に対する必要資金は次の式から計算できます。

期待する配当金(年間)÷利回り=必要資金

利回りとは、投資した資金(元本)に対するリターンの割合を示す用語です。リターンの中でも配当金を基準に計算したものは「配当利回り」と呼ばれます。

日本取引所グループの資料「株式平均利回り(※)」によると、東証に上場している有配会社(配当金がある企業)の平均利回りは以下の通りです。

上場市場有配会社の平均利回り
(2024年1月時点)
プライム市場2.10%
スタンダード市場2.22%
グロース市場1.41%

(※)参考:日本取引所グループ「その他統計資料

ここからは3つの上場市場に分けて、必要資金のシミュレーション結果を紹介します(小数点以下は切り捨て)。

<プライム市場>
(1万円×12ヵ月)÷2.10%=571万4,285円

<スタンダード市場>
(1万円×12ヵ月)÷2.22%=540万5,405円

<グロース市場>
(1万円×12ヵ月)÷1.41%=851万638円

平均利回りが最も高いスタンダード市場でも、月1万円の配当金を得るには500万円以上の資金が必要です。ただし、本シミュレーションはあくまで平均値で計算しているため、銘柄によって必要資金は変わります。

配当利回り別の必要資金

外国株式まで視野を広げると、さらに高い利回りを期待できるかもしれません。たとえば、米国株式は株主還元を重視する傾向があり、配当利回りが10%を超える銘柄も見られます。

期待できる利回りが変わると、月1万円の配当金を得る必要資金はどのように変動するでしょうか。以下では、株価の変動や手数料などを含めない形で、配当利回り別の必要資金をシミュレーションしました。

※小数点以下は切り捨て。

配当利回り月1万円の配当金を得る必要資金
1%1,200万円
2%600万円
3%400万円
4%300万円
5%240万円
6%200万円
7%171万4,286円
8%150万円
9%133万3,333円
10%120万円

配当利回りが2倍になると、月1万円の配当金を得る必要資金は2分の1になります。投資資金が不足している場合は、上記の表を目安に計画を立ててみるのもよいでしょう。

月1万円の配当金を得るための利回りシミュレーション

必要資金が不足している場合は、平均的な配当利回りではなく、投資資金から計画を立てる方法もあります。投資資金を固定するとどれくらいの利回りが目安になるのか、以下では月1万円の配当金を得るためのシミュレーションを行いました。

投資資金配当金が月1万円になる利回り
100万円12.0%
200万円6.0%
300万円4.0%
500万円2.4%
1,000万円1.2%
2,000万円0.6%
3,000万円0.4%
5,000万円0.24%

100万円の資金でも、配当利回りが12%を超える銘柄に投資すると、月1万円以上の配当金を得られます。ただし、株式投資のリターンは株価にも影響されるため、利回りの高い株式がよい銘柄とは限りません。

特に注意したいのは、年間配当金額が変わっていないにも関わらず、配当利回りが上昇しているケースです。配当利回りは「年間配当金額÷株価×100」で計算されるため、配当利回りのみが上昇している銘柄は、株価が下がっていることになります。

株価の変動による損失分が、配当金のリターンを超える可能性もあるので注意してください。

安定して月1万円の配当金を得る投資方法

年間12万円ではなく、安定して月1万円の配当金を得るには、各銘柄の配当時期も意識する必要があります。たとえば、年2回の配当金を出す銘柄に投資した場合は、半年ごとにしかリターンを受け取れません。

ここからは、毎月1万円の配当金を得る方法について紹介します。

年2回の配当では6銘柄が必要

年2回の配当で毎月1万円を得るには、少なくとも6つの銘柄が必要です。また、銘柄によって配当利回りは変わるため、1株あたりの配当金額を確認した上で、投資資金を振り分ける必要もあります。

<6銘柄で毎月1万円の配当金を得る例>

銘柄(配当時期)1株あたりの配当金必要な株式数
銘柄A(1月・7月)10円1,000株
銘柄B(2月・8月)15円667株
銘柄C(3月・9月)20円500株
銘柄D(4月・10月)25円400株
銘柄E(5月・11月)30円334株
銘柄F(6月・12月)35円286株

(※必要な株式数の小数点以下は切り上げ)

国内株式については、年1回または年2回の配当を出す銘柄が多い傾向にあります。

年4回の配当では3~5銘柄が目安

国内株式に比べると、米国株式では年4回の配当(四半期配当)が多く見られます。年4回の配当で毎月1万円を得るには、少なくとも3銘柄、場合によっては4~5銘柄が必要です。

年2回の配当についても同様ですが、1月から12月までバランスよく配当金を出す銘柄が見つかるとは限りません。保有銘柄の配当時期が被っている場合は、4~5銘柄を組み合わせないと、配当金を受け取れない月が生じます。

なお、配当利回りは回数ではなく、あくまで年間配当金額をもとに計算されます。年1回のみ配当を出す銘柄のほうが、四半期配当より利回りが高い可能性もあるので、配当回数だけで投資先を選ぶことは避けましょう。

毎月の配当金を増やす方法3つ

必要資金が不足していても、投資手法によっては月1万円の配当金を得られる可能性があります。具体的にどのような方法があるのか、以下で3つの例を見てみましょう。

1.受け取った配当金で別の銘柄に投資する

受け取った配当金を投資に回すと、リターンがさらに利益を生む状態になります。仮に3%の利回りで100万円を運用するとして、複利運用と単利運用の違いを見てみましょう。

※手数料や税金などは考慮しておりません(小数点以下は切り捨て)。

運用年数複利運用のリターン単利運用のリターン
1年目3万円3万円
5年目15万9,274円15万円
10年目34万3,916円30万円
15年目55万7,967円45万円
20年目80万6,111円60万円

(※複利運用の再投資は、運用年数が増えるタイミングで行うことを想定)

1年目のリターンはいずれも3万円ですが、複利運用は2年目以降からリターンが増えます。単利運用との差は徐々に広がっていき、20年目には20万円を超える差になりました。

ただし、再投資をした別の銘柄が、相場状況によって下落をする可能性もあります。投資資金が増える分、損失のリスクも相対的に大きくなるので注意してください。

2.連続増配している銘柄を選ぶ

連続増配とは、1株あたりの配当金を毎年増やすことです。連続増配株式を保有すると、再投資をしなくてもリターンが毎年増えるため、月1万円の配当金を達成できる可能性が上がります。

実際に投資資金を100万円、株価を300円、増配額を毎年2円(1株あたり)として、配当金がどれくらい増えるのかを計算してみます。手数料や税金などは考慮しておりません(小数点以下は切り捨て)。

運用年数1株あたりの配当金年間の配当金
1年目10円3万3,300円
5年目18円5万9,994円
10年目28円9万3,324円
15年目38円12万6,654円
20年目48円15万9,984円

上記の条件でシミュレーションをすると、15年目には月1万円の配当金を得られる結果になりました。なお、連続増配株式も株価が下落したり、配当方針が変わったりする可能性があるため、必ずしも配当金が増え続けるわけではありません。

3.指標や配当方針から増配の可能性を判断する

すでに連続増配をしている銘柄ではなく、これから増配の可能性がある銘柄もひとつの選択肢になります。

増配銘柄の判断基準としては、業績や財務状況、長期的な株価の推移が挙げられます。通常、企業が増配をするには十分な利益や資金が必要になるため、経営状態が良好なほど増配の可能性は高いと考えられます。

ただし、中には業績が成長しても配当金を出さない銘柄があるため、株主への還元方針も確認する必要があるでしょう。還元方針については、投資家向けの広報サイト(IR)や中期経営計画、決算の資料などに記載されていることがあります。

月1万円の配当金を得るポートフォリオ例

実際に月1万円の配当金を得るには、どのような組み合わせで投資をすればよいのでしょうか。ここからは参考として、国内株式と米国株式のポートフォリオ例を紹介します。

平均的な配当利回りの国内株式(年2回配当)に210万円ずつ投資

まずは、平均的な配当利回りの国内株式で運用する例を見てみましょう。配当回数は年2回、利回りについては東証の平均値(※前述を参照)、配当金は年12万円で計算をしています。

投資先利回り投資資金年間配当金
銘柄A(グロース市場)1.41%210万円2万9,610円
銘柄B(プライム市場)2.10%210万円4万4,100円
銘柄C(スタンダード市場)2.22%210万円4万6,620円

上記の年間配当金を合計すると、12万330円(月1万27円)になります。均等に投資資金を振り分けているため、上記のようなポートフォリオは分散投資にもつながるでしょう。

製造業とサービス業のように、それぞれの上場市場で投資先の業界・業種を分ければ、さらに分散効果を高められます。

高利回りの米国株式(年4回配当)に192万5,000円を投資

次に、高利回りな米国株式を想定して、毎月1万円の配当金を得るポートフォリオ例を紹介します。

投資先配当時期配当利回り投資資金年間配当金
銘柄A1月・4月・7月・10月5.0%80万円4万円
銘柄B2月・5月・8月・11月6.4%62万5,000円4万円
銘柄C3月・6月・9月・12月8.0%50万円4万円

投資資金を全て合計すると、192万5,000円になりました。上記のように、配当利回りに合わせて投資資金を決めると、毎月1万円の配当金を安定して得られる可能性があります。

必要資金のシミュレーションをしてから計画を立てよう

月1万円の配当金を得るには、投資資金や利回りをもとにシミュレーションを行い、具体的な計画を立てることが必要です。また、配当時期によってもポートフォリオは変わるため、候補となる銘柄の配当情報はきちんと調べておきましょう。

※上記は参考情報であり、特定企業の株式の売買及び投資を推奨するものではありません。また、過去の実績は将来の運用成果等を保証するものではありません。シミュレーションについては税金を考慮していません。

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