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【富士電機と金沢工業大学が、世界最高峰の電力・エネルギー国際会議でBest Paper賞を受賞】


AI時代の電力需要に対応する 変電施設向け環境配慮型絶縁技術の開発で世界的評価



2026年9月7日

学校法人金沢工業大学



【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102928/202609075394/_prw_OT1fl_IA71pvhV.png





金沢工業大学工学部電気エネルギーシステム工学科の大澤直樹教授と富士電機株式会社の共同研究成果が、2026年8月23日から28日までフランス・パリで開催された国際大電力システム会議「CIGRE Paris Session 2026」 グループD1-材料と先進試験技術において、Best Paper賞を受賞しました。

受賞論文は

「Suppression of gas pressure and tank diameter of dry air GIS by combination of FGM spacer and insulating coating conductor」

(FGM絶縁スペーサと絶縁コーティング導体の組み合わせによるドライエアGISのガス圧力およびタンク径増大の抑制)

で、電力設備に使用される温室効果ガス「SF₆(六フッ化硫黄)」を使用しない次世代電力機器の実現に向けた研究成果が高く評価されました。



 



AI普及に伴う電力需要が世界的に急増。

変電設備で使われる絶縁ガスに代わる、環境負荷の低い技術開発が喫緊の課題



近年、GX(グリーントランスフォーメーション)の推進において、再生可能エネルギーや電気自動車(EV)の普及が注目されています。一方で、AIの普及に伴うデータセンターや変電所の電力需要急増を受け、電力インフラ分野では、変電設備や送電設備に使用される絶縁ガス「SF₆」の削減も重要な課題となっています。



変電所では数万Vから数十万Vの高電圧を扱うため、導体間や導体と接地部の間で放電が発生しないよう、高い絶縁性能が求められます。SF₆ガスは空気の約2.5~3倍の絶縁性能を持ち、放電や短絡を防ぐとともに、導体間の距離を縮めて設備をコンパクト化できます。このため、SF₆は変電所のガス絶縁開閉装置(GIS)や遮断器で広く利用されています



一方でSF₆の地球温暖化係数(GWP)はCO₂の約24,000倍にも達します。そのため、世界各国でSF₆に代わる環境負荷の低い技術開発が進められています。



本研究は、SF₆を使用しない「ドライエア(乾燥空気)」を絶縁媒体として利用しながら、従来と同等の性能を実現する技術を開発したもので、脱炭素社会の実現に貢献する成果です。



 



 



研究のポイント



送電・変電設備に用いられるガス絶縁開閉装置(GIS)では、通常SF₆ガスが使用されていますが地球温暖化係数GWPが24,300と非常に高いため,その値が0のドライエアの採用が進められています。しかし、ドライエアの絶縁性能はSF₆より約30~40%低いため、そのまま代替すると設備の大型化や高ガス圧力化が必要になるという課題がありました。



そこで研究グループは、



電界を最適に制御する「FGM(傾斜機能材料)絶縁スペーサ」※



高電圧導体表面を保護する絶縁コーティング技術



を組み合わせる新しい絶縁技術を開発しました。



この技術により、雷インパルス耐電圧(絶縁性能を示す重要指標)が従来構造と比べて最大約28%向上することを確認しました。さらに、同等の絶縁性能を得るために必要なドライエア圧力を大幅に低減できることを実証しました。



 



※FGM(傾斜機能材料)絶縁スペーサ

材料の組成や誘電率を空間的に連続して変化させることで、電力機器の電界を緩和し小型化を可能にする先進的な絶縁部材



 



 



世界初レベルの成果



 



 



【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609075394-O5-5346uzTz



 



 



研究では、245kV級の実機サイズのガス絶縁設備を対象として性能評価を実施しました。



その結果、



従来構造ではドライエア圧力を1.25MPa以上まで高める必要があるのに対し、



FGM絶縁スペーサと絶縁コーティング導体を組み合わせることで、約0.75MPaまで低減可能



であることを示しました。



 



また、設備サイズについても、



従来技術ではタンク径を約1.93倍まで拡大する必要がある一方、



新技術では約1.23倍に抑制できる



ことが明らかになりました。



これにより、設備の大型化を防ぎながら脱SF₆化を実現できる可能性が示されました。



 



 



受賞論文および著者





 



受賞論文:

「Suppression of gas pressure and tank diameter of dry air GIS by combination of FGM spacer and insulating coating conductor」

(FGM絶縁スペーサと絶縁コーティング導体の組み合わせによるドライエアGISのガス圧力およびタンク径増大の抑制)



関連論文掲載URL:

https://cse.cigre.org/cse-n041/suppression-of-gas-pressure-or-tank-diameter-increase-of-gis-using-natural-origin-gas-by-combining-fgm-spacer-and-insulation-coating-technology.html



 



論文執筆者:



岡本 健次(富士電機株式会社先端技術研究所)



増井 秀好(富士電機株式会社先端技術研究所)



大澤 直樹(金沢工業大学 工学部 電気エネルギーシステム工学科教授)



加藤 克巳(新居浜工業高等専門学校電気情報工学科教授)



早川直樹(名古屋大学大学院工学研究科 電気工学専攻教授 )



大久保仁(愛知工業大学名誉教授)



 



 



 



【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202609075394-O7-6031O91R



 



 



 



 



大澤直樹教授のコメント



「本研究は、電力インフラの脱炭素化に向けた重要な技術開発です。SF₆に代わる環境負荷の低い絶縁方式として、ドライエアを適用する際の課題であった設備の大型化や高圧化を解決できる可能性を示しました。今回のBest Paper賞受賞は、富士電機株式会社との共同研究成果が国際的に高く評価されたものであり、大変光栄に感じています。今後も社会実装に向けた研究開発を推進してまいります。」



 



 



CIGRE Paris Sessionについて



CIGRE(Conseil International des Grands Réseaux Électriques)は、電力・エネルギーシステム分野を代表する国際組織です。



2年に一度開催される「CIGRE Paris Session」には、世界各国の電力会社、送配電事業者、重電メーカー、大学・研究機関の専門家が集まり、最新の研究成果や技術開発成果の発表に加え、大規模な技術展示会や専門委員会活動が行われます。



論文発表には国内委員会および国際委員会による査読審査を経て採択されます。今回のBest Paper賞受賞は、本共同研究の成果が電力・エネルギーシステム分野において、国際的に高く評価されたこと示すものです。



 



 



 



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