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産総研、製造AX拠点を始動


製造データとAIでつなぎ、高稼働率、高品質、高収益体質な製造業へと変革



ポイント



・ 産総研は、AI技術などを用いて日本の製造業DXを後押しする「製造AX拠点」(バーチャルな拠点)を構築・運営



・ 生産機械メーカーと連携し、製造現場のデータベースを構築するとともに、メーカーによる製造プラットフォームの開発を支援



・ 今回採択された経済産業省およびNEDOが推進する「GENIAC事業」を活用し取組を強力に推進



 



【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202607021869-O1-FytQYai7



 



概 要



国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下「産総研」という)は、経済産業省が推進する「製造AX拠点」構想において、同拠点の構築・運営を担います。本拠点は、これまで全国の製造現場に分散していた生産設備の稼働データや品質データなど、多様なデータを集約・統合する基盤です。AIにより高度化された製造現場向けの多種多様なサービスの開発にこれらのデータを活用することで、AIを活用した変革(AIトランスフォーメーション:AX)を製造プラットフォーマーやAI開発事業者と連携して推進し、その成果を再び製造現場に還元する循環型の製造データエコシステムを構築します。



 



本取り組みの狙いは、日本の製造業をデータでつなぎAIを活用することで高稼働率・高品質・高収益な工場を多数創出するとともに、これらの工場が国際情勢の変化や自然災害等による製造環境や製品需要などの急激な変動に対して迅速に適応できる製造業への変革を支えることです。



 



産総研は、生産機械メーカーや製造現場を有する企業と連携し、こうしたデータ循環を支える製造データエコシステムを構築するとともに、その上で動作する製造プラットフォームの開発を支援します。この度、DMG森精機株式会社、株式会社WALCと産総研の共同提案、ならびに株式会社小松製作所と産総研との共同提案として採択された、計2件の経済産業省およびNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が推進する「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/データエコシステムの構築等に関する研究開発(GENIAC)」事業(以下「GENIAC事業」)を活用し、製造AX拠点の取り組みを強力に推進します。



 



産総研では、「ものづくり創造コンソーシアム(MOCO)」の設立などを通じ、製造業の競争力強化に取り組んできました。また、今回の製造AXに加え、先端加工技術の研究開発を担う「ものづくり拠点」の整備を進めています。同拠点は産総研臨海副都心センターを中心に、データ・AI・ロボットを活用した製造プロセス技術の研究開発を推進し、製造AX拠点の成果を迅速に実装するテストベッドとしての機能が期待されます。



 



以上により、個社単独では困難な製造業変革を加速する共通基盤を実現します。



 



下線部は【用語解説】参照



 



社会的背景



近年、製造業では人手不足の深刻化に加え、中国のAI主導型製造、欧州のデータ標準化、米国のBig Tech主導によるDXの加速などにより、国際競争が急速に激化しています。このような状況の下、DXの推進は不可欠ですが、中小企業ではデジタル人材の確保が難しく、個社単独での対応には限界があります。また、大企業においても競争環境は一層厳しさを増しています。



 



こうした課題を背景に、日本製造業全体でDXを推進し、その先の価値創出につなげることを目的として、「製造AX拠点」構想が2026年版ものづくり白書において提唱されました。



 



本構想では、製造現場から生み出される多様なデータを広範に収集・統合し、大規模な製造データベースを構築するとともに、その利活用を通じて生産効率化や省人化を実現する製造プラットフォームの開発を支援します。また、製造AX拠点には、製造データを生成AIやフィジカルAIの開発などに応用し新たな価値を創出する役割が期待されています。



 



産総研を核とした製造AX拠点



産総研を核とした製造AX拠点は、国内ものづくり工場とAI開発事業者、製造プラットフォーマーをつなぐハブとして機能します。



 



まず、製造現場から収集される多様なデータを統合し、外部提供も可能な形で整理・蓄積することで、製造分野における大規模なデータ基盤を構築します。これにより、従来は企業や設備ごとに分断されていたデータの横断的な活用が可能となります。



 



こうして整備されたデータは、AI開発事業者による生成AI・フィジカルAIの開発・高度化に活用されるとともに、製造プラットフォーマーによる生産効率化や省人化を実現する製造プラットフォームの開発につながります。さらに、その成果は再び製造現場へと還元され、製造プロセスの高度化や付加価値創出を生み出す好循環を形成します。製造AX拠点は、このように製造データとAIを媒介として産業全体をつなぎ、DXの先にある価値創出を実現する基盤として機能します。



 



幅広い分野の研究者が集う総合研究所であり、産業界との連携実績も豊富な産総研が拠点の核となることで、製造分野とAI分野の研究者が連携しながら拠点の構築・運営に関与し、データ基盤の整備、AI開発の促進、製造現場への還元といった一連の機能を一体的に推進することが可能となります。具体的には、製造工程の現象理解に基づく製造データ取得の支援や、収集したデータの匿名化・構造化による外部提供可能なデータセットの構築、さらにはこれらデータセットを活用した製造技術のデータ駆動化や、生成AI・フィジカルAIなどのAI開発支援を担うことが期待されています。



 



また、産総研は中立的な研究機関であるため、多様な企業やプレイヤーが安心して参画できる環境を提供し、産業全体を俯瞰したデータ連携と価値創出の基盤を構築できます。



 



GENIAC事業の活用による拠点の始動



DMG森精機株式会社、株式会社WALCと産総研の共同提案、ならびに株式会社小松製作所と産総研との共同提案として採択された、計2件の経済産業省およびNEDOが推進する「GENIAC事業」を活用し、製造AX拠点の取組を推進します。本事業は、生成AIの産業応用を目的として、企業と研究機関が連携し、実データに基づくAI開発から社会実装までを一体的に推進するものです。特に製造分野においては、データの整備・統合とAI開発を結び付けることで、生産性向上や新たな価値創出の実現が期待されています。



 



この枠組みのもと、産総研とDMG森精機株式会社、株式会社WALCは、工作機械を中心とした製造工場データを活用し、生成AIおよびフィジカルAIの高度化に向けた研究開発に取り組みます。多様な加工プロセスから得られるデータを統合・構造化し、AIによる加工条件最適化や異常検知などへの応用を進めるとともに、その成果を製造プラットフォームへ展開し、製造現場への実装につなげることを目指しています。



 



また、産総研と株式会社小松製作所は、量産・少量多品種・変種変量型などの多様な製造現場から得られる工作機械・ロボットなどの稼働データを収集し、生産計画・実績管理業務を高度化するAI開発のためのデータセットを構築します。また、これらの業務を支援するAIエージェントの研究開発を行い、データセットの有用性を検証するとともに、AIエージェント技術を製造プラットフォームへ展開し、製造現場へのAI技術の効率的な社会実装を目指します。



 



次世代製造への取り組み



産総研は、2025年3月「ものづくり創造コンソーシアム(MOCO)」を設立するなど、これまでも製造業の競争力強化のための技術ネットワーク形成に取り組んできました。今回始動する製造AX拠点を中核として、製造データとAIの活用を軸に、日本企業のDXを一層加速するとともに、その先の価値創出を後押しします。



 



また先端加工技術の研究開発を担うリアルな拠点として産総研「ものづくり拠点」の整備を進めています。産総研臨海副都心センターを中心とする同拠点には、データ・AI・ロボットを活用した製造プロセス技術の研究開発を推進し、製造AX拠点で創出された技術を迅速に検証・実装するテストベッドとしての役割が期待されます。



 



これにより、データ・AIを中核とするサイバー空間での価値創出と、実機・実プロセスに基づくフィジカルなものづくりの高度化を一体的に推進し、次世代製造の実現に貢献します。



 



期待される成果と今後の予定



本取組により、製造現場で日々生み出される多様なデータの統合・活用が進み、AIを活用した生産効率の向上や省人化の実現、さらには新たな製造サービスやビジネスモデルの創出が期待されます。また、従来は企業や設備ごとに分断されていたデータの連携が進むことで、製造業全体としての競争力強化にも貢献します。



 



さらに、製造AX拠点とものづくり拠点における取り組みを一体的に推進することで、データ・AIによるサイバー空間での価値創出と、実機・実プロセスに基づくフィジカルなものづくりの高度化を両輪で進め、その成果を迅速に製造現場へ還元することが可能となります。



 



今後は、GENIAC事業の取り組みを通じて製造業の実データに基づくAI開発とその実証を進めるとともに、参画企業の拡大やデータ連携の範囲の拡大を図ります。あわせて、製造プラットフォームの開発を加速し、得られた成果を広く産業界へ展開することで、日本の製造業全体のDXと価値創出のさらなる推進を目指します。



 



プロジェクト情報



GENIAC事業の採択情報(経済産業省)



URL:  https://www.meti.go.jp/press/2026/07/20260702001/20260702001.html 



GENIAC事業の採択情報(NEDO)



URL:  https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100430.html 



 



用語解説



製造AX拠点構想



経済産業省では、AIなどの先端技術を用いた製造プラットフォームを広く展開することで、事業者の自助努力のみに頼らず、我が国製造業全体のDXを実現することを目指して、「製造AX拠点」の立ち上げに向けた検討を進めてきた。(出典:「2026年版ものづくり白書」第1部第4章第3節コラム「AIを活用して我が国製造業のDXを実現する「製造AX拠点」構想」、経済産業省・厚生労働省・文部科学省)



 



製造プラットフォーム



製造プラットフォームとは、製造現場において生産設備等から取得したデータを用いて開発され、生産の効率化・省人化など製造業の高度化やDXに資する機能を提供するものを指す。(出典:「2026年版ものづくり白書」第1部第4章第3節コラム「AIを活用して我が国製造業のDXを実現する「製造AX拠点」構想」、経済産業省・厚生労働省・文部科学省)



 



GENIAC事業



GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge):日本の生成AI の開発力強化・社会実装を目的とした経済産業省およびNEDOが推進するプロジェクト



 



ものづくり創造コンソーシアム(MOCO)



ものづくり創造コンソーシアム(MOCO)は、産学官の連携を通じて製造業の競争力強化と新たな価値創出を目指す枠組み。



 URL:  https://unit.aist.go.jp/cmt-ri/moco/ 



 



 



プレスリリースURL



https://www.aist.go.jp/aist_j/news/announce/pr20260702.html



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