EY調査、2025年 税務リスクと税務係争に関する最新動向
・税務リーダーの87%が、AIは効率性と正確性を向上させると回答している。
・税務リーダーの70%が、税務係争管理のために少なくとも1つの生成AIツールを導入済み、または統合を進めている。
・より強固なフレームワークが不可欠とされており、91%がガバナンス戦略の強化を計画している。
多国籍企業がますます複雑化するビジネス環境を乗り越える中、2025年EY税務リスクと税務係争に関する調査では、税務リーダーが新たな税務リスクを管理するため、人工知能(生成AI)の活用やガバナンスフレームワークの見直しにどのように取り組んでいるかを示しています。回答した税務リーダーの10人中9人(90%)が、今後数年間で税務係争が増加すると予想しており、組織の成功に向けて革新的なソリューションを積極的に模索しています。
本調査は、世界中の約2,000名の税務担当のシニア幹部から知見を集めたもので、世界的な税制改革、透明性の高まり、新たなテクノロジー、急速に進化する規制がもたらす課題を浮き彫りにしています。調査結果は、生成AIが税務リスク管理と税務係争解決における革新的なツールとして浮上していることを示しています。
生成AIが企業の税務係争管理のあり方を変革
生成AIは、税務リスク管理において急速に不可欠な要素となりつつあり、回答者の87%が税務調査や係争解決の効率性と正確性の向上を期待しています。しかし、係争の件数と解決までに要する期間の両面において、新たな課題がほぼ毎日のように生じています。
調査対象の税務リーダーの70%は、税務係争管理に特化した生成AIツールを少なくとも1つ、すでに導入済みか、あるいは統合の過程にあります。
AIツールを活用している回答者は、自社の税務係争管理アプローチに対する満足度が大幅に高く、「非常に満足」と回答した割合は46%に達したのに対し、AIを利用していない回答者ではわずか31%でした。
EY Global Tax Controversy LeaderのLuis Coronadoのコメント:
「AIは、税務チームの業務の進め方だけでなく、税務当局との信頼関係の構築・強化のあり方も変革しています。事後対応からリアルタイムでの関与への移行は、双方が解釈から協働へと移行することを促し、より高い正確性、透明性、効率性をもたらしています」
企業は、BEPS 2.0とデジタル課税改革に伴う係争増加への備えを強化
テクノロジーの進展に期待が寄せられる一方で、係争の可能性は高まり続けています。調査対象の幹部の92%が、経済協力開発機構(OECD)の税源浸食と利益移転(BEPS)第2の柱に起因する係争が増加すると予想しており、91%が第1の柱Amount Aに関する未解決の問題に懸念を示しています。
さらに、90%が移転価格および国別報告の開示(PCbCR)などの透明性の義務に起因する税務係争の増加を予想しています。
デジタルサービス税は、将来的な税務リスクの重要な要因として浮上していますが、予想される係争の急増に対応する「十分な準備が整っている」と感じている回答者は49%にとどまっています。
Luis Coronadoのコメント:「税務係争は様相を変えつつあります。新たなルール、新たな報告義務、そして新たな透明性要件により、係争件数はほぼ確実に増加すると見込まれます。テクノロジーと人材に早期から投資する企業は、この高まり続ける税務係争の波に先んじて対応し続けるための最良の立場を確保できるでしょう」
税務ガバナンスの強化による将来への自信の向上
税務リスクが高まる中、強固なガバナンスは効果的な係争管理の要となりつつあります。回答者の91%がグローバルな税務ガバナンスへの注力を強化する計画を示している一方で、現在の係争管理に「非常に満足」と回答した割合はわずか31%にとどまっています。
意図と実行のギャップを埋めることが重要であり、先進的な税務部門では、明確なリーダーシップ体制の構築、グローバルな係争の監督の一元化、そしてデータガバナンスの強化を進めています。
EY Global International Tax and Transactions Services Controversy LeaderのJoel Cooperのコメント:
「今日の環境において、ガバナンスは単なるコンプライアンス対応ではなく、戦略的な優位性です。明確なガバナンスと最新テクノロジー、能力を最大限に発揮できる人材、そして強固なデータ戦略を効果的に組み合わせる企業は、危機的な状況からではなく、自信を持った立場から税務係争を管理することができるでしょう」
EY Japan タックス・ポリシー・アンド・コントラバーシーリーダー EY税理士法人 パートナー 原口 太一のコメント:
「AIが税務リスク管理において、その効率性と正確性の向上に資するものであることは疑いようがありません。わが国の税務当局も、デジタル技術の積極的な活用を図る『税務行政のデジタル・トランスフォーメーション(DX)』を推進し、課税事務の高度化に取り組んでいます。
しかしながら、複雑・高度化する経済社会のもとで、AIが企業の求める正確な成果物を常に提供してくれるわけではありません。
企業の行う経済取引をどのように評価しAIと連携させ、また、検証する作業は依然として、必要と考えます」
本レポートの詳細については、下記サイトをご参照ください:2025年EY税務リスクと税務係争に関する調査
※本ニュースリリースは、2025年12月11日にEYが発表したニュースリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
英語版ニュースリリース: EY 2025 Tax Risk and Controversy Survey: Tax leaders turn to AI to strengthen tax management as new risks loom
〈EYについて〉
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