
2025.3.4
タキイ種苗株式会社
タキイ種苗株式会社(所在地:京都市)は、これまでも様々な野菜に関する調査を行ってきましたが、新たに全国の20〜69歳の男女600人を対象に、家庭菜園に特化した調査を実施いたしました。本調査では、家庭で野菜を育てる上での、経験年数による差に焦点を当てて考察し、「2025年家庭菜園に関する調査」として報告いたします。
調査結果TOPICS!
■家庭菜園の経験年数、「3年未満」は51.8%、「5年以上」は27.8%
家庭菜園の経験年数は、「1年未満(20.5%)」「1〜3年未満(31.3%)」の『初級者』が約半数、「3〜5年未満(20.3%)」の『中級者』が約20%、「5〜10年未満(11.8%)」と「10年以上(16.0%)」の『上級者』が約30%という割合。
■家庭菜園に取り組む月は、4〜9月の暖かい時期で7月が最多
春夏にかけて家庭菜園に取り組む人が多く、初心者でもはじめやすい傾向。
■やっぱり人気は「トマト」!『上級者』と『初級者』で育てた野菜のバリエーションに差
育てたことがある野菜は「トマト(71.5%)」「きゅうり(45.8%)」「ピーマン(39.5%)」がトップ3にランクイン。経験年数により育てた野菜のバリエーションに差があるが、1位「トマト」は共通であり、幅広い人に愛され続ける野菜と判明。
■家庭菜園の魅力は「育てる喜び」の実感!
野菜を育てて良かったことは、「育てる喜びを知ることができた(39.8%)」が全体でダントツ1位となっているが、経験年数が上がるにつれて「新鮮で安全な野菜を食べられた」「庭の有効活用になった」など多様な項目に広がる。
■『初級者』と『中級者』に立ち塞がる「家庭菜園継続3年目の壁」
現在家庭菜園をしている人では、継続意向が8割を越えるのに対し、経験年数別では『初級者』から『中級者』に移行する3年目に継続の壁が見られる。
■『初級者』の課題は時間がないこと、『中級者』は経験を経て多岐にわたる課題に悩む
家庭菜園の課題では、 『上・中級者』で「虫・病気対策」「天候」など物理的な項目が平均より高く、『初級者』は「時間がない」が高い傾向。「育てる野菜選び」「情報の取得」が高い『中級者』は上達するための課題に取り組む。
【タキイ種苗 家庭菜園に関するアンケート調査】
◆調査期間:2025年1月中旬 ◆調査方法:インターネット調査
◆有効回答数:600サンプル
男女200サンプル(年代も10歳刻80サンプルずつ)計400サンプル
男女20〜49歳子ども有100サンプルずつ計200サンプル
◆調査対象者:全国の20~60代の男女 家庭菜園経験者
[除外対象:①農業、②卸売・小売業(食料・飲料(酒類除く))、③ソフトウェア・情報サービス業、④調査業・広告代理業]
※グラフはすべて%。本リリース上のスコアの構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合もあります。
スクリーニング調査
スクリニーニング調査では、約10,000人の対象者より「現在家庭菜園で野菜を育てている」「現在はしていないが、過去に野菜を育てたことがある」人を抽出しています。
また、本調査におけるサンプルの構成は、男女200サンプル(年代も10歳刻み80サンプルずつ)計400サンプル、男女20〜49歳子ども有100サンプルずつ計200サンプルの合計600サンプルに設定しています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502284955-O7-3Yjf6p61】
「現在家庭菜園で野菜を育てている(33.5%)」、「現在はしていないが、過去に野菜を育てたことがある(66.5%)」と約2倍の差となっており、男女比では「男性(58.2%)」、年代比では「30〜40代男性」、「男性20〜49歳子ども有り」で「現在家庭菜園で野菜を育てている」での構成比が高くなっています。
1.家庭菜園の経験
① 家庭菜園の経験年数、『初級者』は51.8%、『上級者』は27.8%
本調査では、家庭菜園の経験年数「1年未満」「1〜3年未満」を『初級者』、 「3〜5年未満」を『中級者』、 「5〜10年未満」および「10年以上」を『上級者』とカテゴライズしました。各割合は、『初級者(51.8%)』が約半数、『中級者(20.3%)』が約20%、『上級者(27.8%)』が約30%となっています。
現在/過去経験者別では、「現在家庭菜園で野菜を育てている」と 「現在はしていないが、過去に野菜を育てたことがある」で、『初級者』と『上級者』の構成比が逆転し、全体構成比と大きな差が見られます。
② 家庭菜園の経験年数別の属性比較
『初級者』『中級者』『上級者』における男女年代別での構成を比較すると、『初級者』の「1年未満」は「女性20代(11.4%)」「女性30代(12.2%)」の割合が高く、「1〜3年未満」では「男性20代(9.6%)」の割合が高く、若い年齢層が多い傾向が見られます。一方『上級者』において、「5〜10年未満」は「男性60代(11.3%)」、「10年以上」では「男性50代(12.5%)」「男性60代(12.5%)」の割合が高くなっており、高齢男性の比率が高い構成となっています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502284955-O9-GRk8Rj4l】
2.経験年数による家庭菜園の実態比較
➀ 家庭菜園に取り組む月は、4〜9月の暖かい時期で7月が最多
「家庭菜園に取り組んでいる月」は、4〜9月の暖かい時期に多く、7月が最も多くなっていることがわかります。
暖かい時期に家庭菜園に取り組む人が多く、『初級者』でもはじめやすいことが伺えます。また、『上級者』になるほど、全ての月で平均より高い傾向が見られ、季節を問わず家庭菜園に取り組む傾向があります。
② 家庭菜園に取り組む場所の1位は「1〜3坪の庭または畑」
「家庭菜園に取り組んでいる場所」は、全体では「庭または畑:4~10㎡くらい(約1~3坪)(42.3%)」が最も多く、「ベランダ(35.7%)」が続きます。
経験年数別では、『初級者』で「ベランダ」の割合が高く、経験年数が上がるにつれて、「ベランダ」が少なくなっていることがわかります。また『上級者』では、「庭または畑」が高い傾向が見られ、『上級者』になるにつれて広い面積の「庭または畑」で取り組む人の割合が多くなる傾向にあります。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502284955-O8-x3TMGKz2】
3.育てたことがある野菜について
① 人気はやっぱり「トマト」!育てたことがある野菜は「トマト」「きゅうり」「ピーマン」がトップ3
「1度でも育てたことがある野菜」では、「トマト(71.5%)」「きゅうり(45.8%)」「ピーマン(39.5%) 」がトップ3にランクインしており、家庭菜園に取り組んでいる人が多い4〜9月の暖かい時期に育てる果菜類が多くなっています。「成功した野菜」のベスト5は 「1度でも育てたことがある野菜」と同じ品目となっており、育てやすい野菜を選び育てていることがわかります。 「今年育てたい野菜」でも4位までは変わらず、5位にランクインした「オクラ(15.5%)」はトマト同様に暖かい時期に育てやすい野菜であることからランクインしたのではないかと推察されます。すべての項目で2位以下と大差をつけて1位となった「トマト」は、育てやすく、家庭菜園において最も人気の高い野菜であることを再認識する結果となっています。
② 子どもと育てたことがある野菜は「トマト」「きゅうり」「ピーマン」がトップ3
「子どもあり」回答者対象の「子どもと1度でも育てたことがある野菜」でも、「トマト(46.8%)」「きゅうり(20.5%)」「ピーマン(19.0%)」「なす(17.3%)」の4位までは全体(図9)と同じ傾向が見られます。一方で、全体で5位の「ネギ」は、ランク外の20位となっており、子どもと育てる野菜においては花が咲き果実がなるなど、生育過程の変化が楽しめる点も、選択する際に考慮されていると推察されます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502284955-O5-32q0AnA2】
③ 『上級者』と『初級者』では育てた野菜のバリエーションに差が!
初/中/上級者で「1度でも育てたことがある野菜」ベスト15の比較を行いました。全級で上位8位までにランクインしている野菜の品目は同じ「トマト」「きゅうり」「なす」「ピーマン」「ネギ」「枝豆」「オクラ」「じゃがいも」の8種となっています。下位7品目では、「大根」「とうもろこし」「さつまいも」は全級で見られますが、その他の品目では『初級者』のみ「さやえんどう(6.1%)」、『中級者』のみ「レタス(16.4%)」 「たまねぎ(16.4%)」、『上級者』のみ「ししとう(29.9%)」「ほうれん草(27.5%)」とバラツキがあります。各順位の数値(%)で比較すると、経験年数が上がるにつれて、数値(%)が増えていることから複数品目を育てた経験がある人が多いことがわかります。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502284955-O3-3hG9970q】
4.家庭菜園のメリット
① 魅力は「育てる喜び」の実感!『上級者』では多岐にわたる
「野菜を育てて良かったと思うこと」は、全体では「育てる喜びを知ることができた(39.8%)」がダントツの1位となっており、次いで「新鮮で安全な野菜を食べられた(25.0%)」「季節や自然に関心が深まった(20.3%)」「節約になった(20.2%)」が20%を超えて上位となっています。
経験年数別で見ると、『上級者』では「10年以上」で「新鮮で安全な野菜を食べられた(35.4%)」「庭の有効活用になった(30.2%)」、「5〜10年未満」で「子どもや家族に野菜を食べてもらうことができた(31.0%)」など複数の項目で全体より高い傾向を示している一方、『初級者』では「1年未満」で「特にない(26.0%)」に高い傾向が見られます。また、「新鮮で安全な野菜を食べられた(17.9%)」をはじめ全体より低い傾向の項目が多なっています。家庭菜園をはじめたばかりの人は、経験年数が浅く、家庭菜園の魅力を見つけるまでには至っていない、または至らずにやめてしまっている可能性も推察されます。長く続けることで、家庭菜園の魅力を多岐にわたり実感できるようになると思われます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502284955-O2-hr87G4EM】
5.家庭菜園の継続意向
① 『初級者』と『中級者』に立ち塞がる3年目の壁
スクリーニング調査での「現在家庭菜園で野菜を育てている(N=201)」、「現在はしていないが、過去に野菜を育てたことがある(N=399)」別で「家庭菜園の継続意向」について比較すると、「今後も続けたい」では「現在家庭菜園で野菜を育てている(81.1%)」に対し、「現在はしていないが、過去に野菜を育てたことがある(31.1%)」と50%の差が見られます。過去経験者では、「続けるかどうか検討中(44.4%)」が最も高い構成比なっており、継続を悩んでいる人が多いことが伺えます。
経験年数別で見ると、「今度も続けたい」という継続意向を明確に持った人が、 『初級者(35.4%)』 『中級者(48.4%)』『上級者(70.7%)』と経験年数が上がるにつれて多くなっており、3年目を超える『中級者』で約半数まで増えています。また「今後続けるつもりはない」と「2度とやりたくない」を合わせたやめる意向は、『上級者(9.0%)』『中級者(11.5%)』『初級者(23.8%)』となっており、『中級者』と『初級者』の間で10%以上の差が見られ、家庭菜園において『初級者』から『中級者』に移行する3年目に継続の壁があることが伺えます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502284955-O6-8Q26vx13】
② 続ける課題は「虫・病気対策」が最多!
「家庭菜園を続ける上での課題」は、「虫・病気対策(54.0%)」が最も多く、次いで「天候(31.8%)」「時間がない(26.2%)」「場所の確保(24.2%)」という結果となっています。
経験年数別では、「虫・病気対策」「天候」が『上級者』『中級者』で『初級者』に比べて高い傾向にある一方、『初級者』では「時間がない」が高い傾向にあります。『初級者』の「1〜3年未満」において、「相談相手がいない(11.7%)」も高い傾向が見られ、3年目の壁を越えるタイミングで課題となっていると推察されます。また『中級者』では、「育てる野菜選び(27.9%)」「情報の取得(16.4%)」が全体平均より高くなっており、経験を経て多岐にわたる課題に悩んでいることが伺えます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202502284955-O4-14SaW98E】