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EY調査、職場での生成AIの利用拡大は 人材の健全性と競争力の向上に寄与


EYは最新の「EY 2024 Work Reimagined Survey」を発表し、職場での生成AI利用が2023年の22%から2024年に75%に急増したと明らかにしました。また、経済の不透明さにもかかわらず、転職意向者が前年比4%増加していることも示されました。世代間のAI利用差が顕著であり、若い世代がより積極的に技術を取り入れています。報酬に関する考えには隔たりがあり、経営者は従業員のウェルビーイングを重視する一方、従業員は報酬改善を望んでいます。また、企業は『タレントアドバンテージ』を確立する重要性が強調され、効果的な人材管理が競争優位に直結するとの結果が出ました。

● 従業員の生成AI利用率は、2023年の22%から、2024年は75%に急増
● 転職意向者は、不透明な経済情勢にもかかわらず、前年比4%上昇
● 報酬に対する考え方は平行線で、経営幹部は従業員の健康面やウェルビーイングに重点を置いているのに対し、従業員はボーナスやインセンティブの改善を求めている
● 本調査を基にした「未来の人材力を形づくる人材ダイナミクスと人材フローにどう向き合うべきか」と題した、WEBセミナーを開催。目まぐるしく変化する「future of work(未来の働き方)」について解説、Mars社や パナソニック コネクト株式会社の事例について紹介



EYは最新の働き方に関する調査「EY 2024 Work Reimagined Survey(EY働き方再考に関するグローバル意識調査2024)」の調査結果を発表したことをお知らせします。本調査によると、職場での生成AIの利用が急速に広まっています。生成AIを使用していると回答した調査参加者は、2023年には22%であったのに対し、今回の調査では75%という急激な増加を見せています。セクター別で見ると、利用率が最も高いのはテクノロジー(90%)で、最も低いのはガバメント・パブリックセクター(60%)です。

今回で5回目となる本調査は、日本を含む世界23カ国、27産業セクターにわたる従業員17,350名とビジネスリーダー1,595名を対象に実施されました。本調査では、テクノロジー分野の変化と活発な人材市場が、企業が優れたビジネス成果を得るためどのような機会をもたらし得るのか探っています。

生成AIの利用価値についての質問では、従業員の3分の1以上が、生産性の向上(37%)や付加価値の高い業務への集中(36%)と回答するなど、肯定的な見方を示しました。また、生成AIの導入はスキルの習熟度と関連していることも明らかになっており、生成AIを使用している従業員の58%が、自社が提供する能力開発や研修などの教育プログラムを、「平均的」または「優れている」と評価しています。

本調査ではまた、生成AI関連のツールやスキルをあらゆる世代の従業員に均等に提供する必要性も明らかになりました。調査に参加した全従業員のほぼ4分の1(23%)は、生成AIツールを広範に使用しています。世代別の利用率は、ミレニアル世代が27%、ベビーブーマー世代が7%と、明確な差が見られます。

EY GlobalおよびEY Americasピープル・コンサルティング・リーダー Kim Billeterのコメント:
「生成AIの導入が急速に進むにつれ、テクノロジーやスキルへの投資だけでなく、組織文化、信頼感、リテンションを強化するための投資など、労働力関連の考慮すべき重要な課題が浮き彫りになっています。生成AIの迅速な導入は、企業が戦略的な人材能力を構築する上での重要な要因であり、生成AIを積極的に導入している企業は、優秀な人材にとって働きたい企業となり得るでしょう。今後も生成AIの利用拡大は進んでいくと予想されます。企業は、従業員が置かれている状況やニーズに応じて生成AIを適用することを検討していく必要があるでしょう。その際に、従業員一人ひとりの業務に合わせて生成AIをカスタマイズすることや、組織内のあらゆる階層で生産性の大幅な向上が期待できるということを認識することが重要となります」

 
また、仕事の概念が、キャリアや職場などの点において従来の考え方とは異なる方向へと変化していることが明らかになっています。従業員は、自身が働いている会社に貢献することに意欲的ですが、一方、より良い報酬(トータルリワード・パッケージ)(81%)、より良いウェルビーイングやキャリア(79%)、優れたリーダーシップ(76%)、リモートワーク(75%)などの要望を満たしてくれる新しい職場を求めています。人材健全性と人材のフロー(定着と引き付け)は、企業の成功を支える基盤です。本調査でも、ビジネスリーダーは、これらを測定・評価し、その結果に基づいて、文化、報酬、ラーニングプログラムに関する戦略を再考し、ニーズや組織の目標と合致するように調整する必要があるということが示されています。

 
特に、Z世代とミレニアル世代で転職意向者が増加
今回の調査でも、世代特有の考え方と労働市場における選択肢に基づいて積極的に行動する従業員の姿が見られました。調査に参加した全従業員の38%が、今後12カ月以内に転職を検討する可能性があると回答しています。そのうちの26%は、現在の業界にとどまりたいと考えていますが、25%は別の業界で働くことを希望しています。この傾向は、とりわけ、ミレニアル世代で顕著に表れており、40%が転職を検討しています。対照的に、ベビーブーマー世代の転職意向者は23%にとどまっています。転職を検討する可能性は、世代別では、Z世代とミレニアル世代が、ベビーブーマー世代よりも1.8倍高く、男女別では、男性が女性より1.2倍高いということが調査結果から明らかになりました。

全体では、経済が不透明な中でも、転職意向者は前年比4%増加となっています。また、37%が今後1年以内に主な勤務地を変える可能性があると回答しました。

EY Global Work Reimaged リーダー Roselyn Feinsodのコメント:
「世界の労働市場の傾向として、従業員は自身のニーズや希望に合わせた働き方を求めるようになっており、キャリア、報酬、勤務地について、従来のような画一的な考え方は見られなくなっています。概して、従業員は今、転職を通じて、新たな経験や新たなスキル、柔軟な働き方を得たいと考えています。こうした傾向を踏まえ、人材責任者は、従業員がどれだけ長く在籍するかに注目するよりも、その人材の価値観や経験の豊かさ、組織への貢献度などに目を向ける必要があるでしょう」

 
EY Japanピープル・コンサルティング Organization &Workforce Transformationリーダー 水野 昭徳のコメント:
「5回目となる本調査は、日本からも約500名の従業員、30名のビジネスリーダーに参加いただき、グローバルトレンドと日本固有の課題について示唆を得ることができました。日本の回答について今年注目すべきポイントは、1年以内での転職可能性がグローバル同水準にまで引きあがり、人材の流動性が急速に高まっていることです。変化が早く厳しいマクロ環境下においては、必要なスキルを持った人材を社内外からタイムリーに見極め、配置していくことが非常に重要ですが、そうした戦略的な人事機能への期待値は、日本ではグローバルに比して高くないことが調査結果から見えてきています。流動性の高まりを踏まえながら労働生産性を向上させること、スキルに着目して人を適正かつダイナミックに配置・アサインすることは、これからの人事に求められる大きな命題であり、人事は、経営者と密に連携(経営戦略と人事戦略の整合)しながら、さまざまなイニシアチブをリードしていくことが求められます」

 
ほとんどの企業では依然、「タレントアドバンテージ(人材面の優位性)」が確立していない
本調査では、企業の喫緊の課題として、人材面の優位性を確立する必要性を指摘しています。人材面の優位性は、「人材健全性と人材のフロー」、「生成AIなどの職場テクノロジー」、「報酬の優先順位」、「学習、スキル、キャリアの道筋」、「企業文化と働く場所」という5つの側面から評価することができます。人材面の優位性を確立している企業の場合、過去2年間に生産性が大幅に向上したと回答する可能性が、約7倍高く、現在の経済状況下で予想を上回る成果を出したと回答する可能性も約6倍高いという調査結果が明らかになっています。しかし、こうした企業はまだ少数派であり、回答企業のほぼ70%は、人材面の優位性を確立できていません。

Kim Billeterのコメント:
「ビジネスリーダーが、目的意識を持って行動し、より戦略的な人事機能を通じて人材面の優位性を確立することができれば、その企業は、世界の人材のフローを自社へと導くことができるでしょう。このような取り組みを進めていない企業は、必要な人材の引き付けや維持・確保ができない、ビジネス全体にわたるテクノロジー導入が非効率的である、分散型の働き方を奨励する文化が醸成されていないなど、多方面にわたって従業員エンゲージメントに関わる問題に直面するリスクがあります。総じて、多様な背景を持つ従業員を擁し、勤務地も分散している状況の中で、建設的で一体感のある文化の醸成を図っている企業は、こうしたリスクを回避し、将来に備えた人事戦略を打ち出すことができるでしょう」

 
■セミナーご案内
本調査を基に、目まぐるしく変化する「future of work(未来の働き方)」について解説するWebcastを開催します。Mars社や パナソニック コネクト株式会社など最新の取り組みについても紹介予定です。

日時:2024年12月19日12:00~13:00
タイトル:「Work Reimagined 2024 in Japan未来の人材力を形づくる人材ダイナミクスと人材フローにどう向き合うべきか」

お申し込み・詳細については、下記をご覧ください。
Work Reimagined 2024 in Japan 未来の人材力を形づくる人材ダイナミクスと人材フローにどう向き合うべきか | EY Japan

 
※本ニュースリリースは、2024年10月15日(現地時間)にEYが発表したニュースリリースを翻訳し、日本の見解を加えたものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先されます。

英語版ニュースリリース:
EY survey reveals huge uptick in GenAI adoption at work, correlates with ‘talent health’ and competitive gains | EY - Global

 
〈EYについて〉
EY | Building a better working world
EYは、「Building a better working world~より良い社会の構築を目指して」をパーパス(存在意義)としています。クライアント、人々、そして社会のために長期的価値を創出し、資本市場における信頼の構築に貢献します。
150カ国以上に展開するEYのチームは、データとテクノロジーの実現により信頼を提供し、クライアントの成長、変革および事業を支援します。
アシュアランス、コンサルティング、法務、ストラテジー、税務およびトランザクションの全サービスを通して、世界が直面する複雑な問題に対し優れた課題提起(better question)をすることで、新たな解決策を導きます。

EYとは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドのグローバルネットワークであり、単体、もしくは複数のメンバーファームを指し、各メンバーファームは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。EYによる個人情報の取得・利用の方法や、データ保護に関する法令により個人情報の主体が有する権利については、ey.com/privacyをご確認ください。EYのメンバーファームは、現地の法令により禁止されている場合、法務サービスを提供することはありません。EYについて詳しくは、ey.comをご覧ください。

本ニュースリリースは、EYのグローバルネットワークのメンバーファームであるEYGM Limitedが発行したものです。同社は、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。

〈EYのコンサルティングサービスについて〉
EYのコンサルティングサービスは、人、テクノロジー、イノベーションの力でビジネスを変革し、より良い社会を構築していきます。私たちは、変革、すなわちトランスフォーメーションの領域で世界トップクラスのコンサルタントになることを目指しています。7万人を超えるEYのコンサルタントは、その多様性とスキルを生かして、人を中心に据え(humans@center)、迅速にテクノロジーを実用化し(technology@speed)、大規模にイノベーションを推進し(innovation@scale)、クライアントのトランスフォーメーションを支援します。これらの変革を推進することにより、人、クライアント、社会にとっての長期的価値を創造していきます。詳しくはey.com/ja_jp/consultingをご覧ください。

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