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【注意喚起】ホコリも積もれば事故となる ~年末は配線器具の掃除・チェックもお忘れなく~


年末の大掃除を行う際、配線器具の手入れも重要であると警告しています。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)は、2019年から2023年までの5年間で153件の配線器具による事故を報告しています。そのうち約4割は正しい使い方や適切な設置がされていなかったことが原因となっています。事故を防ぐためには、電源プラグやタップのこまめな掃除、変形や異常発熱の確認が不可欠です。また、許容消費電力を超えないようにするなど、日常的な注視が求められます。特にほこりや水分によるトラッキング現象が事故を引き起こす可能性があるため、こまめな掃除と適切な使用が推奨されています。

 年末が近づいてきて大掃除をする方も多いかと思います。キッチン周りやリビングなどの掃除をされるかと思いますが、配線器具(※1)まで掃除は行き届いていますでしょうか。配線器具は常時使用しているものの、棚の後ろなど一度接続してしまえば差したままで普段意識することが少ないかもしれません。しかし、そんな配線器具での手入れ不足などによる事故が発生しています。
 独立行政法人製品評価技術基盤機構[NITE(ナイト)、理事長:長谷川 史彦、本所:東京都渋谷区西原]は、年末の大掃除の時期に合わせて、配線器具の注意喚起を行います。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O16-29G2X2HP

 NITEに通知があった製品事故情報(※3)では、2019年度から2023年度までの5年間に配線器具の事故は153件ありました。そのうち、調査が完了した事故の中で、事故に至った要因として使い方や設置状況が関係しているものが約4割となっています。ほこりがたまっていたなど、掃除をおろそかにしていたことによる事故も発生しています。
 このような事故を防ぐため、大掃除を行うこの機会に配線器具周りも掃除するとともに、使い方や設置状況などに問題がないか改めて確認しましょう。大掃除のときだけでなく、日頃の生活でも意識するようお願いします。

◤配線器具の事故を防ぐためのお掃除・チェックのポイント◢
○電源プラグ及び電源タップは小まめに掃除し、水分がかからないようにする。
○電源プラグが変形していないか確認する。
○電源コードを引っ張る、机や椅子の脚で踏むなど、無理な力が加わった形跡を確認する。
○接続可能な最大消費電力を超えて使っていないか確認する。
○異常発熱や異臭など、異変を見つけたら直ちに使用を中止する。

(※) 本文中の全ての画像は再現イメージであり、実際の事故とは関係ありません。
(※1)本資料ではコンセント、マルチタップ、延長コード及びテーブルタップを対象とする。
(※2)付着したほこりや水分によりトラック(電気の通り道)が生成され、異常発熱する現象。
(※3)消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故やヒヤリハット情報(被害なし)を含みます。

 

 

 

 

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O4-O0Y7U920
マルチタップ  :電源プラグから差込口までが延長されておらず、複数の差込口を有するもの
延長コード    :電源プラグから差込口までが延長されており、差込口が一口のもの
テーブルタップ :電源プラグから差込口までが延長されており、複数の差込口を有するもの

 
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O14-s7C1sL0i

 

 

 

 

事故の発生状況
 NITEが受け付けた製品事故情報のうち、2019年度から2023年度までの5年間に発生した配線器具の製品事故153件について、事故発生状況を以下に示します。

年度別の事故発生件数
 配線器具の製品事故153件について、年度別の事故発生件数を図1に示します。近年は毎年度30件以上の事故が発生しており、高止まりの傾向がみられます。これはテレワークの普及によって、配線器具の使用が増えたことが関係しているものと推定されます。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O2-2ROM0fgW

事故の被害状況
 配線器具の製品事故153件における被害状況別の事故件数を表1に示します。火災事故となっている件数が多く、特に周囲への拡大被害(※4)が多く発生しています。

表1 被害状況別の事故件数(※5)
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O18-xTw14lF3
(※4)製品本体のみの被害(製品破損)にとどまらず、周囲の製品や建物などにも被害を及ぼすこと。
(※5)()は被害者数、[]は火災件数。物的被害(製品破損または拡大被害)があった場合でも人的被害のあったものは、人的被害に区分している。また、人的被害(死亡・重傷・軽傷)が複数同時に発生している場合は、最も重篤な分類で事故件数をカウントし、重複カウントはしていない。

 
原因別の事故発生件数
 調査中の案件を除いた127件の製品事故について、原因別の事故発生件数を図2に示します。「使い方や設置状況が関係するもの(※6)」の占める割合が大きく、日頃使用するうえで気を付ける必要があります。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O7-YMo2vrCo
(※6)事故原因の特定までには至っていないが、使い方や設置状況が要因の一つとして推定される事故も含む。

 
使い方や設置状況が関係する事故の事象
 「使い方や設置状況が関係するもの」に該当する46件について、事故事象別の被害状況を表2に示します。ほこり、水分の付着や液体などの浸入が要因となっている事故が多く発生しており、このような事故は手入れをしていれば防ぐことができた可能性が高い事故です。

表2 使い方や設置状況が関係する事故の事象別の被害状況
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O19-2lMBA43I

 

配線器具の事故を防ぐためのお掃除・チェックのポイント
電源プラグ及び電源タップは小まめに掃除し、水分がかからないようにする。
 電源プラグはコンセントや電源タップとの間に隙間が生じないようにしっかりと差し込み、定期的に掃除してほこりを取り除いてください。電源プラグをコンセントや電源タップとの間に隙間がある状態で差したままにすると、隙間にほこりがたまって表面に水分が付着したり、水分が内部に浸入したりしてショートやトラッキング現象が生じるおそれがあります。
 また、観賞魚水槽などの水気の近くは、特に注意が必要です。配線器具に水がかからないよう水槽と距離をとる、配線器具を水槽の下方ではなく上方に設置するなど、配置に留意してください。
 掃除の際は、必ずコンセントや電源タップから差込プラグを抜いて、“から拭き“でほこり等のよごれを取り除いてください。コンセントや電源タップの差込口にアルコールスプレー等の洗浄液が直接かかるとショートやトラッキング現象が生じるおそれがあります。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O8-8vEslSHq

電源プラグが変形していないか確認する。
 電源プラグが変形した状態で使用すると、コンセントの刃受け金具と正常に接触せず、異常発熱や発火に至るおそれがあります。テーブルタップを踏みつけてしまったり、コンセントから力任せに引き抜いてしまったりした際に電源プラグは変形します。設置場所や抜き差しに注意してください。電源プラグが変形した場合は使用を中止し、メーカーや販売店にご相談ください。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O10-ckDl738v
電源コードを引っ張る、机や椅子の脚で踏むなど、無理な力が加わった形跡を確認する。
 延長コードやテーブルタップの電源コードを折り曲げる、踏みつける、引っ張るといった、外部から電源コードに無理な力が加わる使い方をすると、電源コードの芯線が断線して、異常発熱や発火に至るおそれがあります。机や椅子の脚などでコードを踏みつけたり、足に引っ掛けたりしないよう、配線は設置状況に注意し、電源プラグは電源コードではなくプラグ本体を持って抜き差してください。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O13-308DN1EN
接続可能な最大消費電力を超えて使っていないか確認する。
 テーブルタップなどには接続可能な最大消費電力または定格電流(何アンペアまで接続できるか)が定められています。接続可能な最大消費電力や定格電流を超えると発熱を生じ、コンセント部の刃受け金具と電源プラグの栓刃の接触が緩い箇所で異常発熱したり、電源コードの絶縁被覆が破損してショートしたりして発火するなどの事故につながります。
 電気製品を接続する際は、接続可能な最大消費電力や定格電流を超えないように注意してください。接続可能な最大消費電力または定格電流は、テーブルタップ本体やパッケージに記載されています。
 また、消費電力の大きな電気製品の中には、テーブルタップなどの使用を禁止しているものがあります。
事前に接続する電気製品の取扱説明書や本体表示を確認し、記載されている指示に従ってください。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O9-bZ46a61v
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O12-ZTKMAIe8

 また、コンセントにも定格があります。一般住宅の壁に設置してあるコンセントは二口のものが一般的ですが、その場合、二口の合計で1500Wが接続可能な最大消費電力となっています。例えばコンセントの片方に1000W分の電気製品を接続した場合、もう片方には500Wまでしか接続できません。

【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O20-Xz5xi86Q

異常発熱や異臭など、異変を見つけたら直ちに使用を中止する。
 もし以下に示すような異常がある場合は使用を中止してください。
 ☑ 異常に熱くなる
 ☑ 電源プラグの抜き差しが緩い
 ☑ コードを動かすと、接続している機器の電源がついたり消えたり挙動がおかしい
 ☑ 焦げたにおいなどの異臭がする
 なお、配線器具にも寿命があり、劣化によって異常が生じ、事故に至る可能性もあります。工業会や各メーカーから、製品交換の目安などの情報も発信されていますので、買い換えの参考にしてください。

(参照:一般社団法人日本配線システム工業会(JEWA)  配線器具について)
 https://www.jewa.or.jp/

 

 
「NITE SAFE-Lite(ナイト セーフ・ライト」のご紹介
 NITEはホームページで製品事故に特化したウェブ検索ツール「NITE SAFE-Lite(ナイト セーフ・ライト)」のサービスを行っています。製品の利用者が慣れ親しんだ名称で製品名を入力すると、その名称(製品)に関連する事故の情報やリコール情報を検索することができます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202411220451-O5-5X3H2oxv

 

今回の注意喚起動画はこちら
>>配線器具「5つのチェックポイント」
【動画:https://www.youtube.com/watch?v=OjQJ742QP00

 

独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE) 製品安全センターの概要
 NITE 製品安全センターには、消費生活用製品安全法などの法律に基づき、一般消費者が購入する消費生活用製品(家庭用電気製品やガス・石油機器、身の回り品など)を対象に毎年1千件以上の事故情報が寄せられます。製品安全センターでは、こうして収集した事故情報を公平かつ中立な立場で調査・分析して原因究明やリスク評価を行っています。原因究明調査の結果を公表することで、製品事故の再発・未然防止に役立てています。

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