電通、3D空間メディアのマーケティング効果を測る指標 「ブランドイマーシブタイム」を提唱
株式会社 電 通
株式会社電通(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員:佐野 傑)は、株式会社電通グループ(本社:東京都港区、代表執行役 社長 グローバルCEO:五十嵐 博)、株式会社電通デジタル(本社:東京都港区、代表取締役社長執行役員:瀧本 恒)とともに、メタバースをはじめとする3D空間メディア、イマーシブ(没入型)メディアが生活者に与える心理的影響やマーケティング効果の分析を実施しており、このたび第一弾として「ブランドイマーシブタイム」という指標を提唱し、顧客企業のマーケティングへの活用に向けて、検証を推進していきます。
メタバースの市場規模は、世界では2030年に123兆9738億円へ、日本では2026年度に1兆42億円まで拡大すると予測されており※1、メタバース上での商品購入やバーチャル展示会、接客や教育など、さまざまな用途での活用が高い注目を集めています。一方で、こうした3D空間メディアでは、既存メディアと比べてユーザーの体験や行動が複雑なため、行動データの活用が困難であり、マーケティング効果を測定する確立された手法がないことが業界にとっての大きな課題でした。
当社では、あらゆる顧客接点についてのデータを統合的に分析しており、今後成長が見込まれる3D空間メディアにおいても、2022年から実施している「メタバースに関する意識調査※2」や、分析ツールを提供するAmplitude, Inc.(所在地:米国カリフォルニア州サンフランシスコ、CEO:Spenser Skates)との連携を通して、データの収集や分析を進めてきました。
そしてこのたび、昨年開催した「東京ゲームショウVR 2023」のメタバース空間での“実行動データ”と“アンケート調査データ”を、参加ユーザー単位で統合して分析できる環境を構築※3し、メタバース空間で広告を展開するほとんどの企業が商品・ブランドの展示ブースを設置している状況を踏まえて、メタバースブースにおけるユーザー行動のより精緻な調査・分析を実施しました。その結果、「チャット利用」「アバター装着」「スタンプ使用」など10項目の中で、「ブース滞在時間の長さ」が商品・ブランドの「好意度」「購買意欲」向上に最も寄与する要素であることが分かりました。電通グループでは、この滞在時間(秒)に、没入度を左右するデバイスごとの係数※4(VRで1.0、PCで0.7、スマートフォンで0.4など)を掛け合わせたものを「ブランドイマーシブタイム」と定義し、将来的な効果計測指標として、今後さまざまな3D空間メディアでの検証・測定を実施していきます。
<「ブランドイマーシブタイム」と「ブランド好意度」の相関>
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202406071895-O1-0rSnBC02】
これまでは、企業がメタバース空間で何を基準にどのような施策を実施すべきかの判断材料がありませんでしたが、今後は「ブランドイマーシブタイム」を一つの基準とすることで、「滞在時間」が長くなるようなコンテンツ・演出の開発など、より効果的な体験設計が可能になります。
今後も電通グループは、本指標の精緻化をはじめ、3D空間メディアのさまざまなマーケティング効果を検証・測定し、顧客企業の事業成長に貢献していきます。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202406071895-O2-fm940s8B】
※1 出典:総務省「令和5年版 情報通信白書」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/html/nd247520.html
※2 2022年12月22日リリース:電通、「メタバースに関する意識調査2022」を実施
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2022/1222-010573.html
2023年12月11日リリース:電通、「メタバースに関する意識調査2023」を実施
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2023/1211-010670.html
※3 グループ会社である株式会社ambrが提供している、メタバースプラットフォーム「xambr(クロスアンバー)」上に構築。
※4 有効視野角(水平30度、垂直20度と仮定)に占める各デバイスの画面サイズと、画面との距離をベースに設定。VRは全て覆うので100%(係数1.0)とし、PC70%(係数0.7)、スマートフォン40%(係数0.4)とする。
例:VRでの20秒のブース体験と、スマートフォンでの50秒のブース体験が同等の「ブランドイマーシブタイム」となる。
実際のコンテンツ内容やインタラクティブ性、音など他要素も加わってくるため、今後も引き続き本係数の精緻化に取り組んでいく。
以上
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