ナノ注射器が拓く細胞治療の未来 1,000万個の細胞に複数タンパク質を「高効率」「高生存率」導入
2024年5月16日
早稲田大学
科学技術振興機構(JST)
理化学研究所
新規ナノ構造体を基盤とするナノ注射器が拓く細胞治療の未来 1,000万個の細胞に複数タンパク質を「高効率」「高生存率」導入 タンパク質を用いたがん治療およびNMR解析への利用を実証
【表:https://kyodonewsprwire.jp/prwfile/release/M102172/202405150803/_prw_PT1fl_6oal2Z00.png】
早稲田大学大学院情報生産システム研究科の三宅丈雄(みやけたけお)教授らの研究グループと理化学研究所生命機能科学研究センターの美川務(みかわつとむ)専任研究員らの研究グループは、2021年に報告した導電性高分子で被覆された金属製ナノチューブシート※1をこれまで細胞内に届けることが困難であったタンパク質向けに改良し、タンパク質の細胞内への輸送速度や細胞内での機能維持の向上を実現しました。
本研究では、この技術を用いて、乳酸オキシダーゼ酵素(LOx)を正常細胞とがん細胞に導入し、がん細胞のみが死滅することを確認しました(図1)。実験では、酵素が細胞内まで届けられた場合は24時間後にがん細胞が3%まで死滅するのに対し、酵素を細胞内に届けない条件では33%残ることが確認されました。一方、安定同位体標識タンパク質(ユビキチン)を細胞内機能解析手法であるin-cell NMR解析※2に必要な1,000万個(107個)以上の細胞に対して、高効率および高生存率で導入することに成功しました。
以上は、科学研究費補助金、科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 さきがけ「電子・イオン制御型バイオイオントロニクス」(JPMJPR20B8)、旭硝子財団の助成による成果であり、2024年5月14日(現地時間)に科学誌『Analytical Chemistry』にオンライン版で公開されました。
論文名:A Hybrid Nanotube Stamp system in Intracellular Protein Delivery for Cancer Treatment and NMR Analytical Techniques
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202405150803-O2-aHsD0991】 図1.ナノ注射器でのタンパク質導入および細胞応用
(1) これまでの研究で分かっていたこと(科学史的・歴史的な背景など)
体外で細胞に物質を導入し、細胞を加工する技術開発は、再生医療および細胞治療におけるコア技術です。これまでは、化学/生物的手法(ウィルスベクター)と物理的手法(エレクトロポレーション)が利用されていましたが、これら手法は、細胞が外界から物質を取り込む作用であるエンドサイトーシスにより細胞内への取り込みを行うため、時間がかかる、効率が悪い、導入する過程で細胞が死んでしまうなどの課題を有していました。
こうした課題を解決するため、中空管のマイクロ/ナノニードルを細胞に挿入することで、目的の物質を細胞内に導入するナノ注射器に関する取り組みが盛んですが、開発が進むナノ注射器は単針であり、かつ、マイクロサイズの細胞に単針を挿入するマニュピレータが必要であるため、主に1細胞ごとに導入する必要がありました。そこで本研究グループは、ナノチューブを配列した2次元薄膜(シート)を開発し、本ナノチューブを細胞に刺入することで短時間、かつ、高効率に物質を細胞に届けるナノ注射器の開発に成功しました。さらに本研究では、このナノ注射器を用いることで、これまで物質導入が困難であった機能性タンパク質を再生医療分野で取り扱うために必要な細胞数(107個以上)に高効率および高生存率で導入できることを確認しました。さらに、本技術をがん治療やNMR解析などの細胞応用に利用できることを実証しています。
(2) 今回の研究で実現したこと
本研究グループでは、これまで金属製のナノチューブを開発し、そこへ導電性高分子を被覆することでナノスケールの構造体(ナノ構造体)および物質輸送を制御できるナノ加工技術(新しいナノ材料)の開発に取り組んできました。さらに、新規ナノ構造体を基盤とするナノ注射器を開発し、細胞内に低分子(蛍光物質:約1nmサイズ)・中分子(タンパク質:約数nm)・高分子(細胞小器官:500nm以上)を導入する取り組みを実施してきました。
今回、複数のタンパク質を細胞内に高効率・高生存率で導入するためのナノ構造体を開発し、様々な細胞(がん細胞(HeLa))、マウス由来上皮細胞(NIH3T3)、ヒト由来繊維芽細胞(HPS)、脂肪由来幹細胞(MSC)、角膜上皮細胞(HCE-T)など)で実現できることを確かめました(図2)。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202405150803-O3-CWUgvfbF】 図2.新規ナノ構造体を基盤とするナノ注射器の開発とタンパク質導入結果
(3) 性能評価
本技術を用いた2つの事例①乳酸オキシダーゼ酵素(LOx)導入によるがん細胞の死滅、②安定同位体標識タンパク質導入によるNMR解析を紹介します。
まず、①LOx導入によるがん細胞の死滅に関しては、原理はとてもシンプルで、細胞内でLOxが乳酸濃度に応じて過酸化水素(H2O2、強力な酸化剤)を生成し、その結果として細胞をアポトーシス(細胞の自然死)に導きます。図3に示したようにがん細胞(HeLa)と正常細胞(MSC)内の乳酸濃度は10倍程度異なるため、がん細胞の中では酵素反応によって過酸化水素がより多く生成されることになります。本実験では、HeLaとMSCへのLOxの導入効率は共に95%以上を示しました。LOxを導入したMSCと何も処理しなかったMSCを比較すると、ほぼ同じ生存率(100%以上)を示すのに対し、がん細胞ではLOx導入後、生存率が時間と共に下がることを確認しています。さらに、LOxの導入量に応じて、生存率が変化することを確かめており、このことは酵素反応の結果としてがん細胞が死滅したものであると考えています。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202405150803-O4-kqMJXpc5】
図3.ナノ注射器を用いたLOx酵素の細胞内導入およびがん細胞の死滅結果
(生細胞はカルセインAMで蛍光染色を行い、死細胞はPIにて蛍光染色を行った。)
また、②安定同位体標識タンパク質導入によるNMR解析においては、①同様の手法でユビキチンタンパク質をHeLa細胞に導入しNMR解析を行いました(図4)。NMR解析には、高濃度のタンパク質が導入された細胞が107個程度必要となるため、ナノ注射器システムでも十分な数の細胞を用意し、さらには、十分な量のタンパク質が細胞内に導入されたかどうかを確かめました。結果として、1.8×107個の細胞に5-10Mの安定同位体標識ユビキチンが入ったことをNMR解析から明らかにしました。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202405150803-O5-63SKsd4c】
図4.ナノ注射器を用いた安定同位体標識ユビキチン(UQ)の細胞内導入およびNMR解析結果
(4) 今後の展望
今後は、任意のタンパク質や低分子を同時に細胞内に導入することで、細胞機能改変(ダイレクトリプログラミング)あるいは細胞内機能解析(In-cell NMR)などの開発にも取り組みたいと考えています。また、動物性細胞以外の細胞(植物、酵母、乳酸菌など)への展開も見込んでいます。これらを1研究室で実現することは困難ですので、本プロジェクトにご興味のある企業や研究機関からのお問い合わせをお待ちします。
(5) 用語解説等
※1 2021年に報告した導電性高分子で被覆された金属製ナノチューブシート:
https://www.waseda.jp/top/news/74747
細胞用電動ナノ注射器「電気浸透流ナノポンプ」を開発― 細胞治療に向けた新たな細胞内物質導入機器
※2 in-cell NMR解析:
核磁気共鳴分光測定法(NMR法)を用いて生きた細胞の中の生体分子を観測および解析する手法
(6) 論文情報
雑誌名: Analytical Chemistry
論文名:A Hybrid Nanotube Stamp system in Intracellular Protein Delivery for Cancer Treatment and NMR Analytical Techniques
執筆者名:Bowen Zhang, Bingfu Liu, Zhouji Wu, Kazuhiro Oyama, Masaomi Ikari, Hiromasa Yagi, Naoya Tochio, Takanori Kigawa, Tsutomu Mikawa, and Takeo Miyake.
掲載日(現地時間):2024年5月14日
掲載URL:https://doi.org/10.1021/acs.analchem.3c05331
DOI:10.1021/acs.analchem.3c05331
(7) 研究助成(外部資金による助成を受けた研究実施の場合)
科学研究費補助金
科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 さきがけ「電子・イオン制御型バイオイオントロニクス」(JPMJPR20B8)
旭硝子財団
山本舞香、元カレが18歳で事故死と告白 芸能活動続けるきっかけ…新MC番組で故郷訪れ回想
和田アキ子「アッコにおまかせ!」放送開始40周年、自身ものまねMr.シャチホコ駆けつけ感激
【東京メトロ】10/23に上場!乗車証・かき揚げなどの株主優待が魅力 10/8~11に抽選申込を忘れずに
前田敦子、ウーロン割で乾杯「普段は全然飲まないです」 家メシでは「Uberとか…」
NHKの29歳職員が建造物侵入の疑いで逮捕 タクシー会社の営業所に無断で侵入
上沼恵美子「しゃべっていることが全部、ウソ」 羽賀研二容疑者から壁ドンで“誠意”伝えられた
「踊る大捜査線2」で恩田刑事に命を守られた女の子は…「神木くんと!」「後のAKB48とは」
牛丼が10/9から「13年ぶり」に100円引き 人気の牛すき鍋膳が再登場 ・新商品牛カレー鍋膳を発売(15まで)
〝円満〟とはいかぬ河村・名古屋市長の辞職 議会と最後の対決へ
「安住紳一郎の日曜天国」代役の女性声優が冠特番「声が作りきれてない…」本音告白
ガーシーが綾野剛のLINE公開でネット騒然「ショック」「すごいエンタメ」
ヒカル、浮気相手とのLINE流出にドン引きの声「キモすぎる」「吐きそう」
二階堂ふみが結婚!?お相手が衝撃的過ぎてネット民「マジか・・・」
「愛が生まれた日」藤谷美和子(56)の現在がヤバい!?徘徊生活を送っていた過去も明らかに。
四千頭身、テレビから消えた理由を明かすも批判殺到「人のせいにするな」
FIFAが韓国協会に警告文 W杯本大会出場できない可能性も 洪明甫監督選任に関して政府が干渉
石破内閣の記念写真を加工して掲載か 首相官邸ホームページ
上田晋也「家に来た=性行為OK?」論争で40歳女性タレントから「間違ってます」で議論白熱
ISが誘拐の「奴隷」女性 ガザ地区から10年ぶりに救出
中川翔子「次から次に何回も何回も…いいかげんにしてほしい」悪質投稿に怒り「警察に出します」
柏原崇(45)現在を調べてみた結果、相変わらずかっこよすぎた!
四千頭身、テレビから消えた理由を明かすも批判殺到「人のせいにするな」
「愛が生まれた日」藤谷美和子(56)の現在がヤバい!?徘徊生活を送っていた過去も明らかに。
ガーシーが綾野剛のLINE公開でネット騒然「ショック」「すごいエンタメ」
玉置浩二の妻、青田典子(53)の現在がとんでもない事になっていると話題に
ダンプ松本(61)の現在が色々と崩壊、衝撃的なブログ内容も
二階堂ふみが結婚!?お相手が衝撃的過ぎてネット民「マジか・・・」
ヒカル、浮気相手とのLINE流出にドン引きの声「キモすぎる」「吐きそう」
ガーシー、橋本環奈と片寄涼太を暴露するも片寄の好感度が上がったワケ
【ネタバレ?】史実で見るキングダムの今後の展開まとめ〜中華統一までの全体像
山本舞香、元カレが18歳で事故死と告白 芸能活動続けるきっかけ…新MC番組で故郷訪れ回想
和田アキ子「アッコにおまかせ!」放送開始40周年、自身ものまねMr.シャチホコ駆けつけ感激
前田敦子、ウーロン割で乾杯「普段は全然飲まないです」 家メシでは「Uberとか…」
【東京メトロ】10/23に上場!乗車証・かき揚げなどの株主優待が魅力 10/8~11に抽選申込を忘れずに
NHKの29歳職員が建造物侵入の疑いで逮捕 タクシー会社の営業所に無断で侵入
「踊る大捜査線2」で恩田刑事に命を守られた女の子は…「神木くんと!」「後のAKB48とは」
上沼恵美子「しゃべっていることが全部、ウソ」 羽賀研二容疑者から壁ドンで“誠意”伝えられた
牛丼が10/9から「13年ぶり」に100円引き 人気の牛すき鍋膳が再登場 ・新商品牛カレー鍋膳を発売(15まで)
〝円満〟とはいかぬ河村・名古屋市長の辞職 議会と最後の対決へ
「安住紳一郎の日曜天国」代役の女性声優が冠特番「声が作りきれてない…」本音告白