緑で囲う中庭の豊かな心地よさ。~水盤と緑で醸す回廊の家~
積水ハウス株式会社
歴史と伝統あるまちに溶け込む。調和を意識したこれからの家づくり
日本のまちには歴史的価値の高い建物が多く残されています。みなさんの身近にも、歴史ある情緒豊かなたたずまいを醸し出す建物や環境がきっとあるのではないでしょうか。このような環境、歴史的な景観を維持・向上させ、後世に継承するための法も制定されています。
国土交通省 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律(歴史まちづくり法)
https://www.mlit.go.jp/toshi/rekimachi/toshi_history_tk_000003.html
まちに寄り添いながら、パブリックとプライベートを両立させた家
積水ハウスでは、住宅とまちとの調和も、家づくりの大切なテーマと捉えています。今回ご紹介するのは、「回廊のあるご自宅」を建築されたS様です。お住まいは歴史的建物が残る城下町にありますが、緑や水、地産地消の素材にこだわったのが、積水ハウス 大分支店のエクステリアデザイナー尾﨑です。建築にあたりS様からのご要望は大きくふたつありました。ひとつは周囲からの視線に配慮すること。もうひとつ、来訪者との適度な距離感を保つことでした。そして、もうひとつのご希望は、ご購入された土地は庭木が生い茂り、飛石や庭石が設えられ、使われていない井戸もあったのでその井戸水の有効活用をするということでした。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202403288730-O13-IYA369EM】
スクエアな外観の住宅をシンプルな吹付の塀で囲み、周囲からの視線へ配慮したS様邸
「まず、既存の庭にあった庭石を、何らかの形で再利用し、この土地に残したいと考えました。」とエクステリアデザイナーの尾﨑。
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積水ハウス 大分支店 尾﨑孝也
S様邸は、建物や塀に囲まれた中庭、オープンスペースがあるコートハウスで、建物の計画は北側をプライベートスペースに、南側をパブリックスペースとして動線を分けました。中庭を囲うように巡りつながるゾーニングで、来訪者との距離感と、周囲からの視線に対するプライバシーを確保しました。ご夫妻それぞれのライフスタイルに合わせ、またご家族の一員であるネコちゃんとワンちゃんが日中退屈しないよう、遊べる空間も作りたいというご要望も盛り込みました。
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緑と水場でお客様をおもてなしする前庭(左) 井戸から引いた水を利用した水盤(右)
外構計画は、外周を塀で囲い南に主庭を追加し、中庭は猫ちゃんに、主庭はワンちゃんに。主庭はお客様のおもてなしに前庭を用意し通路を設け、北面に路地空間を作り周遊できるようにしました。そして、井戸から引いた水を主邸を通って前庭まで伸ばし、緑を空間ごとに添えました。生活動線で中庭を囲み、水盤を緑で醸す回廊の家ができました。
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水盤を囲むイロハモミジが美しい影を落とす
植栽は、日本の在来種を中心とした「5本の樹」計画の樹種で水盤を囲むように配置し、建物の中からだけでなく、どこから見ても緑を感じられるように豊かな心地よさを得られる空間を目指し、地域との調和も考慮しました。イロハモミジが水盤に影を落とし、和の風情を感じさせてくれます。パブリックスペースとプライベートスペースを緩やかにつなげる中庭は、まるで空が天井の部屋のように空に伸びるアオダモ、ソヨゴ、ドウダンツツジなど、抜けを考慮し造りこみすぎないように配植しました。改築前の庭は地域の緑として馴染んでいましたが、美しく自分たちの手で作り替え、改めて街へ緑をお裾分けしました。
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空に伸びるアオダモが美しい中庭
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閉鎖的になりがちなコートハウスは、前庭に取り入れたアプローチでお客様にわくわく感を醸成し、道ゆく人にも安らぎを与えます
馴染みのある地元の素材を取り入れて、心地よさを高める工夫
外構に対する尾﨑のもうひとつこだわりは、地産地消の素材です。どこの現場でも地域のものを探し、盛り込むようにしています。今回は地域の砕石場へ足を運び、地元の栗石(ぐりいし)を採用しました。水盤内の砂利は色が同化しない様に種類を変えた方がいいのではとS様の問いかけに対して、水分を含むと色が変化する石材の特性を生かすことをご提案し、快く取り入れていただきました。
「住み慣れた地域には、その土地のものが目に馴染みます。例えば、公園や学校など、普段どこかで目にして手に触れた石、植物などを近くに置くと心地よさを感じます。素材自体が主張するのです。無作為の作為と考えています。」と尾﨑。
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水盤にはS様手作りのステンレスの縁取りを。主庭からアプローチまで水盤を延ばし、道ゆく人も水音で癒される空間に
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中庭の植栽が訪れる人を迎える玄関
玄関の扉を開けると中庭が迎え、四季を感じる植栽や自然樹形の美しい枝が浮かびます。中庭を横目に廊下を進むと、小上がりの客間です。
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生活動線で中庭を囲み巡り繋がるリビング
LDKから主庭への窓を開けると木々が風に揺れ、水音や光と影、動きがある景色が室内外空間を緩やかにつなぎます。S様はアトリエでの作業も多く、疲れを癒すために中庭のテラスで気分転換をよくされるそう。回廊動線のおかげでどこからでも、庭を望むことができます。
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中庭はリビングを介して主庭まで、風が心地よく抜ける(左)S様が疲れを癒す中庭(右)
歴史を紡いできた自然と素材、美しい庭を未来へつなぐために
尾崎は言います。「私はキャリア採用で、入社当時は造園の知識はゼロでした。25年前にゼネコンで現場監督をしていた頃、現場の庭師の方がとてもかっこよく、印象的だったのを今でも覚えています。そんな私が造園にのめり込んだきっかけが、社内のエクステリアコンペで新人賞を受賞したことでした。」
その後、社内における緑化に関する社内資格である「グリーンエキスパート」になり、積水ハウスの外構事業「5本の樹」計画に携わりながらさまざまな本を読み、自然の雑木や水の庭を学んだ尾﨑は大型物件でグランプリを受賞。
【画像:https://kyodonewsprwire.jp/img/202403288730-O11-mLrLuw4r】
現場での尾﨑
「積水ハウス、そしてお客様が自然素材や地域の素材を用いる大切さと、それを活かした造園への造詣を与えてくれたと感じています。現場に足を運ばないと、良いものはできない。現場でしかわからない、はっとする気づきがあります。そして、美しい庭を残すことが自分の使命だと思っています。
決して派手さや特別なことはなく、主張しすぎずに建物に寄り添った庭のデザインをする私たちの存在が積水ハウスの財産の一部になればと思っています。そして仲間たちと切磋琢磨して、まちと建物、外構・造園、インテリア等、室内外の空間構成を調和させ、住まう人、訪れる人に豊かなひとときと、通る人々をも魅了する庭空間をご提供し続けたいと思っています。」と尾﨑。
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左から岩男佳代子(当時営業担当)、戸田賢胤(インテリアコーディネーター)、尾﨑孝也(エクステリアデザイナー)、高橋寛之(設計担当)
積水ハウスでは、まちなみや周辺環境との調和を図りながら、その土地の歴史や情緒豊かなたたずまいに溶け込む家づくりとエクステリアをご提案しています。地域のものや自然を活かした心地よい暮らしを、皆さんも実現してみませんか。
積水ハウスのまちづくり
https://www.sekisuihouse.co.jp/bunjou/machidukuri/
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